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「地球は人間のものでなく、人間が地球のもの」

地球は誰のものなのか? 西洋の思考は、自然を征服し、利用することで発展してきました。これに対し、日本の伝統的な思考は、自然と共生するという姿勢を大切にしてきました。この違いは、私たちがどのように自然環境と向き合うべきかを考える際に、重要な示唆を与えてくれます。

18世紀の産業革命以前、人類は自然環境に適応しながら生きてきました。寒冷地では温かい衣服や住居を工夫し、乾燥地帯では水を確保するための技術を発展させてきたように、地球の環境に合わせて進化してきたのです。しかし、産業革命以降、技術の進歩により生活が便利になる一方で、人類はもはや自然に順応する必要がなくなりました。それどころか、自然を自らの都合に合わせて改変し、地球環境に深刻な影響を与えるようになったのです。

便利な社会は一見、私たちの生活を豊かにしているように見えますが、果たして本当にそうでしょうか?確かに便利さは効率を向上させ、物質的な豊かさを提供してくれます。しかし、その一方で、自然破壊や環境汚染といった負の側面を引き起こしています。また、過度な便利さは私たちの身体や精神の健康にも悪影響を及ぼすことがあります。たとえば、自動車や機械に頼りすぎることで運動不足となり、心身のバランスを崩す人が増えています。

一方で、不便さには益があります。不便さがあることで、人は創意工夫をし、自然との調和を意識しながら生きる知恵を身に付けることができるのです。たとえば、自然と共生する日本の伝統的な農業や建築技術には、自然を無理に征服するのではなく、その力を借りて生活を豊かにする知恵が詰まっています。これは、単に古いものを美化するという意味ではなく、現代社会においても再評価されるべき考え方です。

今こそ、私たちは「便利が良い」という固定観念から脱却し、人類にとって本当の益とは何かを真剣に考えるべきです。地球環境との調和を図りながら生きるためには、自然と共生するという日本の精神を再び取り戻し、それを世界の人々にも広める必要があります。人間は地球の一部であり、地球の資源を無限に使えるわけではありません。地球を守り、その恩恵を未来の世代にも受け継ぐために、私たちは今、行動を起こす時です。


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