「池田信夫の社会教養度を問う」 フランス革命におけるマリーアントワネットの容疑は国家反逆罪!
ゲテモノ開会式 生首にLBGT
7月26日から始まったパリオリンピックは開会式から早々と物議を醸しました。
LGBTの役者達による「最後の晩餐」の悪趣味なパロディ。政治犯専用の牢獄だったコンシェルジェリーに赤い煙幕を張り、窓から生首を持った首なしマリーアントワネットが現れフランス革命歌「サ・イラ」を歌わせてメタルバンドがヘヴィメタを演奏すると言う尖った演出。
パリでギロチンにかけられた悲劇の王妃を笑い者にするところから始まるとは...平和の祭典でこれは…
と、花の都パリのイメージをブッ潰すゲテモノ塗れの開会式に唖然としているとパリには珍しいゲリラ豪雨。せっかくの選手を船に乗せてセーヌ川でパレードすると言う企画も見る方も選手もずぶ濡れ。体をいたく冷たのでは。
劇的に間違い!池田信夫氏のマリーアントワネット評
「こりゃ、何回もパリ市民に辱められたマリーの涙雨なんじゃないか」と思っていたら、評論家の池田信夫がおかしなポストをしていたので見咎めてリポストした。
これが全く歴史的事実と食い違う内容なのでチクリとリポストした。
すると池田氏本人からリポストが来た。
いえ、私に言われても…
そもそもとして、池田氏は「マリーの容疑は息子への近親相姦で冤罪」だったとはっきりと述べているじゃありませんか?だからそれは間違いなんですよ。
確かにそう嫌疑をかけられましたが、裁判でマリーは立派に反論してその疑いは晴れています。反論の証拠は「母性への冒涜」です。息子を愛する母親は性の玩具にする行為をしないし、そう疑われること自体が母性への冒涜だと傍聴人に訴えかけています。革命裁判所でのマリーへの主な容疑は反革命容疑でした。つまりフランス革命に反逆した事。
ただし、これは名門中の名門、ハプスブルク家の姫に生まれ、ブルボン王朝に嫁いだマリーにとって王権を死守するのは当然な事。彼女によって正当な政治活動でしたよね。 マリーが自分の出自を守りぬこうとすればするほど主権が欲しいパリ市民はギロチンにかけたくなる訳です。中世と近世の価値観が戦った時代でもあったんですね。
革命裁判所法廷でのマリーアントワネット
池田信夫氏が指摘する親相姦の嫌疑ですが、「『マリー・アントワネット』-フランス革命と対決した王妃- 安達正勝 著」にその嫌疑をかけた人物が登場しますp.231 Amazon
つまり容疑はかけられたけど、マリーが立派に反論した。また、内容が下劣だったので傍聴人(主に女性)の不興を買い、不当な立場に立たされたマリーへ共感さえ産んでしまったと言うドラマチックな結末なんです。
さて、肝心のマリーへの容疑。
これもp.233にでできますので紹介します。
革命裁判所でのマリーへの容疑は
ざっくりと書き出すとこんな感じです。ほら、他国と内通し(革命をやめさせる目的で)他国の軍隊をおびき寄せた、またはそのために資金を提供した。またその陰謀に加わったか?で、陪審員は全て有罪とした。これによりマリーは死刑判決を受けた。つまり、池田信夫氏の言ってる事(近親相姦で冤罪)は事実ではないし、マリーが実家オーストリアとフェルセンの伝手でスエーデンにフランス王家を守るために内通し、反革命行動を取っていたのは事実なので冤罪で処刑された、と言うのもまた間違い。(証拠は後から出たけれども、パリ市民たちのその疑いには一抹の根拠があった)
つまり7月29日のポストは歴史的事実を知らない、とんと筋違いの軽率な発言なのだ。すぐに訂正のコミュニテイノートもついたが全く悪びれることはない。さらに悪いことに歴史的事実を指摘してたらインフルエンサーに「ミソジニー」だと名指しでポストされてしまいました。全くやってられませんわ。
そもそも、マリーの裁判での容疑は反革命だった、なんて高校入試レベルの社会常識というか、歴史教養以前の汎用性ある内容だと思っていましたが、それを知らない上に事実を指摘されたら嫌味を書いてくるって大丈夫なんでしょうか。池田氏に嫌味を書かれてからフォロワーがだいぶ減りました。つまり池田氏が苦情を言ってるのでこいつは悪いやつだ、みたいな脊髄反応でブロックしたりするんでしょうね。なんなんでしょうね。SNSって。
それにしてもパリオリンピック、フランスとパリ市の好感度を下げまくって誤審に染色体異常選手のボクシング、食事がまずいなどの悪評ふんぷんでやった意味よりやらなかった方がまだ良かったんじゃないかと思う珍しい回になりそうですね。もういらんわ。スポーツの世界大会をギリシャでやればいいじゃない。