染屋浄水場からの塩田方面への全量供給は20年後!?~2024年6月議会③~


水道事業広域化について明らかになった重要なポイント

(斉藤達也君) 次に移ります。水道事業の広域化について、この1年の一般質問等の答弁で明らかになったポイントを整理しますと、3つに絞ると以下の3点だと認識しております。1つとして、水道事業の広域化について、令和6年度中には上田市として結論を出していくこと。2つ目、広域化した場合と単独で経営した場合の上田市独自の財政シミュレーションについて、今年秋頃には公表する予定であること。3つ目として、染屋浄水場と諏訪形浄水場を結ぶ連絡管を新たに整備することにより、染屋浄水場の水を諏訪形浄水場内にあるポンプ施設経由で県営水道区域である塩田地域及び小泉・仁古田地区に送水することが可能であること。
 一方で、明らかにならなかった課題もございました。それは染屋浄水場の水を塩田地域及び小泉・仁古田地区に送水することについて、本来は広域化の検討とは別に、長野県と上田市の協議によって決める問題であるという、そういった指摘がありましたが、市からは明確な答弁が得られておりません。これに関しては、令和5年9月議会、尾島議員、令和5年12月議会、井澤議員が質問しています。

過去に県営水道の上田市等への移管が検討されたが、不調に終わった理由とは?

 これに関連して、令和5年12月議会における井澤議員の質問に対する答弁では、このような答弁がありました。平成21年度に県営水道事業移管検討会が設立され、平成25年度までの5年間、県営水道の分割移管について検討を進めてきたこと、水道法において水道事業は原則として市町村が経営するものとされているため、県の発案により各事業体へ県営水道を移管できないか検討したものであったが、協議が調わず、平成26年度に県営水道として事業を継続していくことが確認され、この検討会は休止となりましたという、そういったことが分かりました。
 そこで、染屋浄水場の水を塩田地域及び小泉・仁古田地区に送水することについて3点伺います。
 1点目として、平成25年度までの5年間、県営水道事業移管検討会において、県営水道の上田市等への移管について検討された結果、協議が調わず検討会は中止されたとのことだが、県営水道を上田市に移管できなかった理由は何か。
 2点目として、染屋浄水場の水を県営水道区域である塩田地域及び小泉・仁古田地区に送水することは、本来広域化の議論とは別に長野県と上田市との協議によって決めるべき課題であると考えられるが、どのような協議が行われてきたのか。
 3点目として、染屋浄水場から県営水道区域である塩田地域及び小泉・仁古田地区に給水するために必要な染屋浄水場と諏訪形浄水場を結ぶ連絡管の整備について、その工事の内容や工事期間、工事費等の見込みはどうか。
 以上3点お尋ねし、第3問といたします。

上田市と県との間で県水移管に関する個別協議は行われていない

上下水道局長(宮島裕一君) 初めに、県営水道事業を上田市に移管できなかった経過、理由等についてご説明申し上げます。
 県営水道事業につきましては、長野市、千曲市、上田市の一部と坂城町全域を供給し、このうち3市には市営、県営水道それぞれの給水区域が併存する状態となっております。このため、県営水道を行政区域ごとに移管し、料金やサービス水準の統一や利便性の向上、業務の効率化を図ることが望ましいとして平成21年4月に県企業局と関係市町で組織いたします水道事業移管検討会が設立され、県営水道事業の分割移管について検討が進められてまいりました。
 ここでは、分割移管に必要となります新たな水源の開発や、浄水場の建設、用水供給事業方式について協議が進められましたが、千曲市及び坂城町において水質を踏まえた自前の水源確保が難しいことや、それぞれの方策などに多額の費用がかかること、さらには分割移管により水道料金が現状よりも高額になるなどの理由により、平成26年3月に県営水道の4市町への分割移管は現実的な選択肢ではないとの結論に達しまして、検討会についても休止されたところでございます。
 次に、県と市との協議についてでございます。県営水道事業移管検討会では、県営水道事業の全ての事業を関係市町へ移管することを前提として進められておりましたので、上田市と県との個別の協議は行われず、また上田市内の県営水道区域のみを上田市へ移管する議論はされておりませんでした。
 また、検討会の休止後は、同一の構成団体によりまして地域にふさわしい水道事業の在り方を研究するために、水道事業運営研究会が設置されました。広域連携の方策を検討する中で、圏域全体の水運用を見直すことにより、染屋浄水場から塩田地域及び小泉・仁古田地区への送水も可能との議論が進んでおりましたので、上田市と県との間で広域化を切り離した個別協議は行っておりません。

染屋浄水場と諏訪形浄水場を結ぶ連絡管の整備は、整備延長3㎞、工事費用は6億円、工事期間は5年間を見込むが・・・

 次に、染屋浄水場と諏訪形浄水場を結ぶ連絡管の整備についてでございます。染屋浄水場から塩田地域及び小泉・仁古田地区への安定的に給水をするためには、染屋浄水場と諏訪形浄水場を結ぶ連絡管の整備が必要となってまいります。現在の常田新橋の添架管を経由いたしまして、染屋浄水場と諏訪形浄水場を結ぶ新たな送水管を整備するものでございますが、諏訪形浄水場から先の塩田地域及び小泉・仁古田地区への給水については、県営水道の既存の管路や配水池等を利用して行うこととしております。
 連絡管の整備につきましては、令和3年度の試算ではございますが、整備延長として約3キロメートル、工事費用は約6億円、工事期間は約5年間を見込んでおります。なお、染屋浄水場から十分な量の水を送るためには、真田地域の滝の入水源を整備し、上田・真田地域の水運用を変更する必要もございます。連絡管及び滝の入水源の整備については、広域化した場合には、広域化に関する補助事業の活用が可能となってまいりますので、実施年度はともに補助事業期間であります令和16年度までの実施を検討してございます。

染屋浄水場からの塩田方面への全量供給は20年後!?

 また、これに並行いたしまして、染屋浄水場内の老朽化した施設の更新、耐震補強にも取り組む必要がございます。この整備については、通常の浄水処理を行いながらの施工となりまして、工事期間は20年間程度と見込まれております。染屋浄水場からの塩田方面への全量供給につきましては、これら一連の整備の完了後になるものと見込んでおります。
 以上でございます。

(斉藤達也) ご答弁いただきました。まず、平成25年度までの5年間行われた県営水道事業移管検討会においては、今の答弁からしますと上田市への移管に関しては、特に課題はなかったのかなというふうに理解しました。ただ、他の市や町に関しては、水源確保などの課題がありましたので、全てを移管する前提での話でしたので、そこは難しかったということが分かりました。
 あとは、染屋浄水場から塩田及び小泉・仁古田地区に給水するための連絡管の整備に関しては、工事延長としては3キロ、6億円、5年間の期間がかかると。ただし、水運用の変更が必要だということで、滝の入水源の整備などは少なくとも国からの補助期間である令和16年度までを予定していると。ということは、水運用の変更などを加味すると5年間という期間ではあったのですが、時期としては5年間ですぐできるというわけではないのかなというところが理解できました。

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