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行政が他人事になると、政治・行政は住民のほうを向かず、声の大きい人や身内の意見が通ったり、無駄な行政が増える~2024年9月議会①~
市政を自分事として考えることができる人はどれだけいるか?
◆16番(斉藤達也君) 今の上田市には、市政を、政治や行政を自分事として考えることができる人はどれだけいるでしょうか。我々議員や行政にもその責任の一端はあるかと思いますが、少なくとも私には、今の市政は市民から少し遠いもの、無関心なものになっている、そういう気がします。私は、自分たちのまちの未来は自分たちでつくる、そんなふうに市民の皆さんが感じられる上田市をつくりたいです。行政や議会だけにお任せではなく、国や県などから半ば強制されるような類いのものでもない、市民の皆さんが自分が関わっていると実感できる、そんな市政です。またそれは、シビックプライドが醸成された市政とも言えます。
自分事として考えることについて、共感できる文章がありましたので、少しご紹介します。一般社団法人構想日本が全国の自治体から依頼を受けて開催してきた自分ごと化会議の概要説明の一部です。ご紹介します。「民主主義の大前提は、住民が政治、行政を自分事として考えることです。その点、日本は他人事度が極めて高い国です。日本は過去半世紀以上、世界の中でも最も安定してよい時代が続いてきた国の一つです。しかし、世の中がうまく回っていると住民にとって政治、行政が他人事になりがちです。そうすると、どうしても政治、行政は国民のほうを向かず、声の大きい人や身内の意見が通ったり、無駄な行政が増えます。こんな状況が続くと、そのツケは結局、増税、汚職、財政破綻などの形で住民に返ってきます。」以上です。今の文章の中で、日本という部分を上田市に置き換えても同様のことが言えるかもしれません。
ごみ問題をより多くの市民そして議員及び職員の皆さんにも自分事として考えていただくために質問しました
本日は、令和5年6月議会及び12月議会に引き続き、3度目の正直で生ごみ堆肥化施設、いわゆる有機物リサイクル施設整備について質問させていただきます。いわゆるごみ問題を新たに建設する資源循環型施設の周辺住民の皆様だけでなく、より多くの市民の皆様に、そして我々議員及び市職員の皆様にも自分事として考えていただくために質問させていただきます。
有機物リサイクル施設整備の背景には、資源循環型施設建設候補地の一部の周辺住民の皆様から、資源循環型施設への負担を少なくしてほしいという要望と、上田市全体で市民が自分事として資源循環型施設建設について考えてほしいという要望があったことが過去の答弁からも確認できています。その後私は、平成28年に行われた資源循環型施設建設対策連絡会と上田地域広域連合及び上田市との意見交換会をはじめ、資源循環型施設検討委員会の全9回の資料、会議録、その他関係する資料等を改めて確認させていただきましたが、それらからは周辺住民の皆様の真剣な思いが強く伝わり、さきの要望に対して真摯にお答えしていくことは大変重要なことだと改めて感じました。一方で、様々な事実を確認すればするほど、当時の周辺住民の皆様からの要望と市の有機物リサイクル施設整備の現在の計画には乖離があることも分かりました。また、市の財政状況や生ごみが可燃ごみの4割を占めるという前提条件も崩れている中、現在の有機物リサイクル施設整備の計画がこのまま進んでいくことには大きな違和感を感じており、私は現在の計画に反対です。
生ごみ堆肥化施設整備は誰のために何のために行う事業なのか?
そこで伺います。1点目として、有機物リサイクル施設整備は、誰のために、何のために行う事業なのか。
2点目として、有機物リサイクル施設整備の背景として、資源循環型施設建設候補地の一部の周辺住民の皆様から、新たに建設する資源循環型施設の負担を少なくすること及び上田市全体で市民が自分事として資源循環型施設建設について考えてほしいという趣旨の要望があったが、現在の計画はその要望を満たすものになっているか。また、現実に即した市民益にかなう計画になっているか。
以上2点お尋ねし、第1問といたします。
◎市長(土屋陽一君) 有機物リサイクル施設は、生ごみを減量、資源化するだけでなく、ごみから資源に、処理から利用にシフトさせ、まちの活性化を生かす一連の循環の仕組みであります。そして、生ごみのリサイクルシステムの実現を目指すことであります。資源循環型施設の負担を少なくするためにも、これは大きな覚悟を持って取り組まなければならない大変重要な施設であると考えております。
市政の優先課題として、上田地域広域連合と取組を進めております資源循環型施設建設整備につきましては、地元の自治会及び団体の役員の皆様で組織されております資源循環型施設建設対策連絡会の皆様から、地元への負担を最小限に抑えた、コンパクトで安全安心な施設とするため、全市民がごみの減量に取り組むことが最も重要であるとのご意見をいただいております。私といたしましても、これに応えることが大変重要であり、心に強く感じております。
こうしたことも背景に、市では生ごみリサイクル推進プランを策定し、全市域での生ごみの自己処理の推奨と、自己処理が困難な地域でも分別等により資源化を図るとする、有機物リサイクル施設整備の検討を行ってまいりました。建設地は、資源循環型施設建設候補地の周辺でなく、丸子地域陣場地区とし、生ごみを堆肥化して、それを利用することで、農業だけでなく地域の活性化につなげたいとの強い思いを持っております。そして、過大な施設とならないよう、収集範囲は市街地を中心とした自己処理が困難な地域と建設地周辺を予定しています。
生ごみを焼却処理から堆肥化へ転換することは、SDGs未来都市に選定された上田市にとって、2050年ゼロカーボンシティ上田の実現につながるものと考えております。また、ダイオキシン類の排出量や最終処分量の削減による環境負荷の低減、さらには化成肥料に頼らない有機肥料の推進と、これらの地域内循環による経済効果も期待できるものであります。
有機物リサイクル施設整備は、生ごみのリサイクルを通じて資源循環型施設の負担を少なくすること、資源循環型施設建設を市民全体で自分事として考えてほしいという候補地周辺の皆様の思いに応え、生ごみ減量とリサイクルを全市的に推進するための計画であり、資源循環型施設を利用する市民全員のための事業であると考えております。生ごみのリサイクルは、焼却と比べて費用と手間もかかります。しかし、環境負荷の低減、資源循環、温室効果ガスの排出抑制などに結びつきます。生ごみが地域社会の中で有効的に循環利用ができ、将来にわたり次の世代につなげる持続的な仕組みづくりを形成するために必要不可欠であります。家庭からの生ごみの排出は、生活を営む上で避けては通れない問題であり、その処理は市民の皆様の日々の生活に直接関わってまいります。生ごみをリサイクルし、可燃ごみを減らすことは、市民一人一人にとって重要な取組であり、資源循環型施設の負担軽減にもつながります。こうしたことから、有機物リサイクル施設の整備は、現実に即した市民益と上田市の次世代につなげる循環型社会を実現にするための大変有意義で重要な計画であると強く感じております。
以上でございます。
◆16番(斉藤達也君) ご答弁いただきました。全市民がごみの減量に取り組むことが最も重要、そこはもう私も全く同感であります。ただ一方で、今市長が様々おっしゃっていましたが、過大な施設とならないようですとか、有機肥料の循環による活性化、あとCO2排出抑制等々ありましたが、過大な施設とならないようというところに関しては、これからの質問で明らかにしていきたいと思います。
有機肥料ということに関しては、今現在、今度はその原材料となる牛ふんに関しては、既に市場に出回っているものですよね、有機肥料として。それが一旦生ごみと混ぜることによって無償で配布されるということに関しては、活性化は逆に逆戻りしてしまうものだなというふうに感じておりますし、CO2の排出抑制、1,000トンの減量をすることによってどれだけできるのでしょうか。市内63自治会を中心に、トラックで生ごみを週2回回収して丸子の陣場台地まで持っていく、そのときの運搬に要するCO2の発生と比較した場合どうなのでしょうか。その辺りもいろいろ気になるところです。またその辺りは追ってお聞きしたいと思います。