見出し画像

染屋浄水場は震度6弱で壊れてしまうのか?~2024年3月議会②~


能登半島地震でも大きな課題となっている水の確保、断水対策について質問しました!

(斉藤達也) 次に移ります。能登半島地震でも大きな課題となっている水の確保、断水対策について、具体的には、上田市における浄水施設の被害想定と広域化検討における災害リスクの考え方について伺います。
 1点目として、上田市の浄水場と配水池の耐震化率は全国平均よりも低いが、想定される最大規模の地震が発生した場合、震度6弱と予測されている染屋浄水場をはじめとする主要な浄水施設の被害想定はどうか。また、その震度に耐えられるか否かはどのように判断しているか。
 2点目として、市内の基幹管路について、耐震適合率の現状、今後の更新計画はどうか。また、水道事業広域化を検討している他の構成団体の状況はどうか。これについてはちょっと補足させていただきますと、耐震適合率は耐震化率とはちょっと異なっていて、仮に耐震化されていなくても、その布設された地盤の性状等を考慮すれば耐震性があると評価できる管路を含めた割合のことです。
 3点目として、水道事業の広域化による施設整備計画では、千曲市の八幡、長野市の夏目ケ原及び往生地の3浄水場を老朽化により廃止する構想となっています。しかし、災害時の断水リスクを考慮すると、浄水場は地域ごとに分散していたほうが給水支援等を迅速・確実に行えると考えるが、見解はどうか。また、広域化検討の中で様々な災害リスクとその被害想定、復旧工事の優先順位や工事を担う事業者選定の考え方等は、どのように整理されているか。
 以上3点お尋ねし、第2問といたします。

耐震性能があるのは赤井浄水場と腰越浄水場の管理等のみ

◎上下水道局長(堀内俊克君) 想定される地震が発生した場合の主要施設の被害想定と、その震度に耐えられるかのご質問をいただきました。
 主要な水道施設の耐震診断は令和4年度に終了しており、その結果、主要な浄水場で耐震性能があるものは、赤井浄水場及び腰越浄水場の急速ろ過設備のある管理棟のみであり、染屋浄水場をはじめとするそれ以外の浄水施設は耐震性能が不適とされました。
 想定される最大規模の地震による浄水施設の被害の想定ですが、耐震性能が不適とされた施設は、構造物にひび割れ等が生じ、漏水が発生、地震後に早期の修復ができない状況を想定しております。想定する最大の地震に耐えられるか否かの判断は、当該施設の地質調査(ボーリング)を行い、地盤の支持層を調査した上で、構造物のコンクリート強度試験や鉄筋状況調査を実施し、地震によって発生する地震時の土圧、地盤変化、水道施設自体の自重による変位などを踏まえ、施設ごと構造計算し、水道施設がどの程度損傷するか判断しております。

上田市の基幹管路の耐震適合率は50.1%。千曲市は40.7%、長野市は未算出。

 次に、上田市内の基幹管路における耐震適合率、更新計画についてのご質問ですが、市内の資産として計上している上水道管路の延長は、令和4年度末の数値で1,034キロメートルほどありますが、このうち、基幹管路の延長は78.7キロメートルであり、この基幹管路延長のうち、耐震適合管の延長は39.4キロメートル、耐震適合率は50.1%となっております。今後の更新計画でありますが、基幹管路は水道施設の根幹をなす管路であることから、災害等により機能が失われないよう、限られた財源の中で、可能な限り早急に耐震化を進める計画であります。
 また、水道事業広域化を検討している構成団体における令和4年度末の基幹管路の耐震適合率ですが、千曲市が40.7%、長野県企業局が95.2%、長野市は耐震適合率は算出しておりません。

災害対策として「分散型」よりは「送水管の整備」を重視?

 次に、上田・長野間における水道事業の広域化による施設整備計画についてのご質問ですが、災害時において、浄水場が地域ごとに分散している場合は、議員ご指摘のとおり、被災した地域に被害を受けなかった浄水場から給水支援等を迅速に行え、大きな利点となります。
 しかし、人口減少とともに料金収入が減っていく一方で、将来にわたり、安全・安心な水道事業の持続を図るため、今後、いかに水運用の効率を図り、管路・施設等の更新費用の抑制を図るかについても大きな課題と捉えており、非常時の対応を見据えながら、どのような施設の統廃合やダウンサイジングが考えられるか、検討することが必要と考えております。
 現在、広域化の検討の中では、施設の統廃合に伴う危機管理体制の構想として、諏訪形浄水場から長野地域までの送水管の二条化の整備、またそれ以外の危機管理体制の強化として、上田市内においては染屋浄水場から諏訪形浄水場への送水管整備によって塩田地域への給水をするとともに、その送水管を非常時においては、相互の浄水場のバックアップ管路として機能できないか、また上田市以外の各浄水場間においても同様の取組の構想をしているところでもあり、整備費用等の精査を踏まえながら、今後、効率的な水運用と災害時等の危機管理を見据えた整備計画を再検討してまいります。
 続いて、広域化における災害時の復旧工事の優先順位や施工業者の選定についてでありますが、これらについては具体的な検討には取り組んでおりませんので、今後の検討課題として考えております。参考としまして、現在の上田市における被災施設の復旧工事の優先順位の考え方については、根幹をなす浄水場、ポンプ場、配水池や基幹の管路などが被災した場合、その復旧を優先すべきと考えております。

上田市における災害時の復旧工事の業者選定の考え方

また、上田市における災害時の復旧工事の業者選定の考え方ですが、上田市上下水道事業協同組合、丸子水道工事事業協同組合、上田市防災支援協会等との災害時における応急措置に関する協定を締結しており、この協定に基づき、各組合、協会の皆様のお力をお借りし、復旧工事に取り組めるものと考えております。このほか、日本水道協会中部支部、長野県水道協議会、また上田市の姉妹都市などとは災害時における相互応援に関する協定を締結しており、これらの協定等に基づき対応いただく体制を整えております。
 令和6年早期に設立予定の上田長野地域水道事業広域化協議会においても、災害時に迅速な対応ができるような体制づくりを協議してまいりたいと考えております。
 以上となります。

【再質問】染屋浄水場の近辺は最大震度6弱と予測されているが、耐震性能不適ということは震度6弱でも崩壊してしまうということか?

(斉藤達也) ご答弁いただきました。
 耐震適合率の現状について50.1%ということで、結構、単に耐震化率というよりは、この基幹管路についてここまで上げてきているのは非常にいいことかなと思うのですが、それを100%にしていくために早急に取り組んでいただきたいというのがまず1点と、あともう一つがあれですね、ちょっと1点再質問させてください。浄水場等の施設の被害想定について、上田で想定される最大規模の地震が発生した場合、染屋浄水場の近辺は震度6弱と予測されているのですけれども、耐震性能不適(=構造物にひび割れ等が生じ、漏水が発生、地震後に早期の修復ができない状況を想定)という話だったのですが、それって震度6弱でも崩壊してしまうというそういう理解でよろしいですか。その耐震性能不適の基準は震度幾つレベルでつくられているのかなというのを、そこが気になったので、そこは確認させてください。

染屋浄水場は震度6弱で耐震性不適・・・

◎上下水道局長(堀内俊克君) 再質問いただきました。
 耐震診断の震度の想定の関係でございますが、今手元に資料がございませんので、後ほど答弁させていただくということで、よろしくお願いいたします。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
先ほど染屋浄水場付近で最大震度6弱となっているが、耐震診断はその6弱として想定しているかということでのご質問でございましたが、そのとおり6弱としての耐震診断をしております。

いいなと思ったら応援しよう!