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遺言執行者の重い責任

 大まかに言うと、遺言書に書かれている内容を実現する(遺言書に書かれた財産の分割についての事務を執り行う:例えば遺言書の金融資産を銀行等に解約を依頼し、指定された相続人に振込するなど多岐にわたる)のが「遺言執行者」です。

遺言執行者って何のことよ😳

 自筆証書遺言や公証役場に遺言者ご自身が相談に行って作成した場合、遺言者のご家族を指定するケースが一般的でしょう。その作成時に遺言施行者に指定するご家族(配偶者や子供さんなど)に「遺言執行者に指定する」ことを遺言の作成時にお話ししてあれば、そのご家族も心構えができるのでしょうが、時には話しておらず、「遺言披露」の時に初めて知るケースも多いようです(もっとも遺言作成をご家族に秘密裡に行った場合は、その件を話すと藪蛇になるケースもありますからね、、、悩ましい)

 遺言執行者になることを生前に話したか否かに限らず、身内だけでの遺言執行となると、民法に書かれている手続きを端折ることもあるようです。
民法を紐解くと、第4節 「遺言の執行」 第1004条より事細かにその内容が記載されています。

例えば、その任務として、第1007条の2項では、「~任務を開始したときは、遅滞なく、遺言の内容を相続人に通知しなければならない」とあります。
例えば、相続人の中に遺言書で受益しない方がいた場合(二男の相続分は0だった場合など)、受益者兼遺言執行者である長男(このケースでは、遺言で大半の財産を長男に相続させるとして、また遺言執行者を長男に指定)は、なんとなく気まずいですよね。自分が多く貰う内容の遺言書を他の相続人に通知するなんて、、、尻込みしてしまいます。

また、遺言者が独身者でその兄弟姉妹や代襲の甥姪たちだったり、子供のいない夫婦で相続人が配偶者自身と遺言者の兄弟姉妹・代襲の甥姪たちだった場合、面識のない方もいたりして、どうやって連絡をとったらいいのだろうと途方に暮れるケースも出てきます。でも法律通りにやるなら「通知が必要」なのです。

また第1011条では「相続財産の目録」を遅滞なく作成して、これまた、相続人全員に交付しなければならないのです。

もちろん他の相続人がこういったことに頓着しない場合は端折っても、文句が出ないケースもあるでしょう。しかし、法律に詳しくてあまり自分とは縁のない相続人がいた場合、「まあまあ、ぼちぼち」では済まされないケースも出てくるでしょう。

そうこのタイトル通り、「重い責任」があるのです。

「そんなこと言われてもどうしたらいいんじゃい!!」という時は、信託銀行の商品で「遺産整理業務」というものがあり、場合によっては信託銀行が「遺言執行者の履行の補助者として」お手伝いしてくれるケースもあるようです。

執行は経験した者でないと分からない世界です。事務手続き一つとっても、慎重かつ迅速性が求められる時も出てきます。(特に相続税の納税期限が迫っている場合など)
 不安のある場合、遺言を作成する時は弁護士さんや信託銀行等に相談をして、執行を第三者にお願いするパターンを検討すると良いでしょう。

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