傍系相続(きょうだい相続)には伏兵が潜んでいる
こんにちは。
普段、金融機関で相続関係のお手続きをお手伝いさせていただいている関係で、「相続の現場」を何百件と見てまいりました。
亡くなった方が遺言書を遺していなかった場合、遺産分割協議を当事者どうしで行ってもらい、それをもとに、金融機関の預金や証券会社の証券口座の解約や名義変更のお手伝いを代行したり、アドバイスしたりもしています。
相続人の代表の方に、「遺産分割協議」は終わりましたか?とまず確認する事から始まるのですが、これがなかなか上手くいかないケースに時折出会します。(金融機関は弁護士法人では無いので、遺産分割協議の仲裁はできません。ただ経過報告を聞き、傍観するしか無いのですが。)
聞く中で、遺産分割協議が暗礁に乗り上げるケースは、肌感覚ですが、いわゆる傍系相続が多いように感じます。
独身の方や子供のいないご夫婦の片方が亡くなった場合。
こういったケースでは、兄弟姉妹や代襲の甥姪が相続人となりますが、そのお互いの関係性が希薄であるためにか、時折亡くなった相続人の財産分割を巡り、気迫のこもった議論が時として炎上🔥するようです。
相続人どうしが兄弟姉妹ならば、まだ顔が見えていて、お互いの気心が知れているのですが、代襲の甥姪どうしとなると、当人たちは、「いとこ」どうし。
いとこ。昔小さい頃は、夏休みや正月など親の本家に一族集まる機会に無邪気に遊んだ記憶がありますが、
成人になり、あれから幾星霜✨🌟。
今では殆ど交流の無い間柄のこともあるのではないでしょうか。
被相続人の兄弟姉妹であれば、お互いの性格も読めて、それなりに協議は進行するケースも多いと思いますが、厄介なのは、兄弟姉妹が亡くなっており、代襲の甥姪が登場するとき。(または、代襲では無い甥姪が、親である兄弟姉妹が高齢であり、代理人だとして、首を突っ込んでくるときもあります。)
そんな当事者が、亡くなったおじさんやおばさんの遺産を巡り、議論が白熱。
あるときは、数十年前の出来事を蒸し返し、
「◯◯(相続人である甥姪の一人)は、アメリカの大学に留学したとき、おじさんから援助してもらった筈。だから今回の遺産分割では俺はそれに相当する金額をもらう。法定相続分では、納得いかない!」
はたまた、子どものいない奥様が亡くなり、遺産分割協議をしようとしたところ、
奥様の相続人である長姉が、本家を継ぎ、長姉の亡夫と長姉の両親が養子縁組をしていたことが発覚!そして長姉夫妻には、実子が二人。(奥様から見れば甥や姪。長姉は存命なので、本来ならば代襲では無い。しかしながら、長姉の亡夫は、奥様の兄の身分であり、既に亡くなっているため、亡夫の代襲となる)
新たに発覚した相続人である甥姪。
穏やかな人柄ならば良いのですが、
一言居士な性格であった場合は、順調に進んでいた分割協議も波乱の可能性、、、。
このように独身や子供のいないご夫婦の場合は、事前に戸籍を取得して、推定相続人を調べておく方が良いかと思います。