[Game][NintendoSwich] ヘッドライナー:ノヴィニュース 恣意的に世論を誘導したら
このところゲームは短期間のプレイタイムで遊べる、小規模の会社が開発しているインディーズゲームを遊ぶことが多い。
今回、遊んだのはNintedoSwithの「ヘッドライナー:ノヴィニュース」というゲーム。PS4やPC(Stream)でも遊ぶことができる。(定価1800円)
このゲームは政情不安定な架空の国「ノヴィスタン」の唯一のメディアの編集長になり、発信する記事を選ぶ、または、握り粒すことで世論を誘導するゲームだ。期間は14日で、選んだ記事により国も自分の周りの人々の運命も大きく変わる。
この世界では遺伝子改良により従来の遺伝病を克服しているが、その技術は隣国に独占されている。現首相は極右的な立ち位置で隣国に強い態度で挑もうとしちえる。また、原因不明の奇病が蔓延しつつあり、国民皆保険の導入が検討されている。また合成アルコール飲料が流行り始めている。若者は心のバランスを崩しカウンセリングを求めている人が多い。子供を持つ親は子供の教育費や遺伝治療費が払えるか心配している。
主人公である自分は、デスクが書いてくる記事をメディアで発信するか握りつぶすことができる。例えば極右的な首相を支持する記事を発信すれば隣国の感情が悪化し、隣国資本の大型小型店が焼き討ちにあったりする。
また、合成アルコール飲料を称賛する記事を載せれば町中がジャンキーだらけになる。しかし、否定的な記事を載せればメディアのスポンサーである合成アルコール飲料販売会社の逆鱗に触れ、減給になってしまう。
国民皆保険も難しい問題だ。国民皆保険法案が成立すれば、心に病を持つ定職が無い主人公の兄もカウンセリングなどの治療を受けられるようになる。しかし、それは薬の高騰と医療の質の低下(果てしなく長い病院の行列)を招く。それは高度な医療が必要な同僚(恋人候補)にとって致命的な事態を招く可能性がある。
町中にドローンが飛び回り人々を監視している。町中に警官がいるが凶悪な殺人事件が頻発する。
ゲームは架空の国だが、原因不明の奇病は新型コロナを思い浮かべるし、極右的なリーダーとその支持者は「アメリカvs中国」の争いを、町中に飛び交うドローンは防犯カメラとスマホによる監視社会の到来を思いださせる。一時期よく見かけたストロング系アルコールの健康被害の記事はどんな立ち位置だったのだろうか?
ノヴィスタンの人々は編集長である主人公が発信する記事で簡単に行動し、過激な世論を作り上げてゆく。では、ゲームではない現実社会はどうだろうか?さまざまな問題、メディアの報道、そしてそれを受ける一般市民たち。
そんなことをつい考えてしまうゲームだ。
ゲームは14日間で一区切りする。やく2時間程度の時間がかかる。そして14日間を何度もやり直すことで国や周りの人々の新たな一面をみることができるようになる。インタラクティブに物語に触れるという意味でゲームならではの表現方法だ。
インディーズゲームはこのところ「Return of the Obra Dinn (オブラ・ディン号の帰港)」、「グノーシア」と当たりゲームが多い。