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BTS花様年華ドラマ『BEGINS≠Youth』もすごい〈序〉

 皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 散々事前告知してきましたが、お待たせしました。

 14日に『花様年華』を始めとしたBTSの楽曲の世界観を基にしたドラマが全12話公開となりました。


 ネトフリでもアマプラでもありません。謎プラットフォームでしかも有料です。全話購入1万円越えということで躊躇している方々も多いことでしょう。

 まず結論から申しますと、私の人生でTOP3に入るほど好きな作品になりました。最初のMV公開から9年、もうファンに丸投げしたまま終わらせるんだろうと正直思っていたコンテンツを期待以上に仕上げてきた制作陣には感謝しかありません。

 改めてこのシリーズの始まりとなったI NEED UのMVを貼っておきます。ドラマ観終わってこれ観ると情緒が大変なことになります…

 ただ、これを皆さんに声高に勧めていいのかどうかは正直分かりません。

 話は一旦変わりますが、昔、鬱病で休職することになった友人に「もし気力が湧いたらやってみて」と私が大好きなゲームをオススメしたことがあります。後に彼女は「あの時この作品に出会えて良かった」と言ってくれて、職場復帰もしたし、OSTのオーケストラコンサートまで行ってました。それを聞いて私も嬉しかったのですが、後からこのゲームを知る他の人に「いやいや、鬱病診断された人にあれを勧めるなんて正気の沙汰じゃないw」と言われました。そういえば『鬱ゲーの金字塔』と言われていたんだった…(ゲームが気になる方はこちらを見て察して下さい)。

 私もそこで、たまたま彼女と相性が良い作品だったから良かったけど、これが逆に作用してたら責任を持てなかったなと反省しました。感情を強く揺さぶる作品は人によっては劇薬になるかもしれないので…。

 世の中のエンタメは総じて『現実を突きつける系』と『夢を見させてくれる系』に分かれると思っています。こういう辛い作品を見て奮い立つ人/絶望する人、逆に幸せな作品を見て元気になる人/憂鬱になる人、どちらも一定数いますよね。花様年華は自分がどちらなのか理解した上で足を踏み入れることをオススメします。

 今回のドラマは AMYGDALA が12時間分ある感じって言えば、一番分かりやすいんじゃないでしょうか(作中のメッセージも含めて)。

 「AMYGDALA」は、アーモンド模様の脳の構造の一部である扁桃体を意味する単語だ。扁桃体は、動機、感情、恐怖、不安に対する学習や記憶に重要な役割を果たす。SUGAは、この楽曲を通じて、取り出したくないトラウマと記憶について解き明かした。SUGAはMVで、記憶とトラウマに蝕まれないよう、扁桃体に似たアーモンドを途中途中で飲み込む。MVはこのようなトラウマに直面したSUGAと自らを救おうとする話を盛り込んだ。

KBS WORLDの記事より

 花様年華は、ストーリーは韓流ドラマの王道を行くようで、私たちの身近にある家庭の問題、社会の問題にスポットを当てています。MVはまだスタイリングや演出でアイドルと分かる感じでしたが、今回は派手さもなく全て現実寄り。前日譚なので、タイムリープというファンタジー要素もほとんどなく、キャラ設定にも無理がありません。だから7人のこととしても現実社会のこととしても感情移入できてしまう。

 主人公たちはただ良い子ではないし、彼らを苦しめる親兄弟や大人も絵に描いたような悪役ではありません。例えばジョアン[テヒョン役]の父はアル中DV野郎ですが、優しい父親の顔を見せる時があります。父子の愛情を感じるシーンもしっかり描写されているからこそ残酷。完全に嫌な奴であれば憎むだけですむのに。

 また、今回のドラマでは親世代も大きな鍵を握ってるんですが、おそらく世代的に40〜50代だと思うので、自分と同世代なのも刺さった理由だと思います。残念ながら時々大人側の言い分も分かってしまうんだ。

 私自身、この7人のうち3人の境遇をちょっとずつ組み合わせたような家庭環境で育ちました。だから中高の時に自分が抱いていた大人への絶望や社会への苛立ちを思い出して苦しくもなり、救いにもなりました。ドラマ鑑賞自体が認知行動療法のような役割を果たしたように思います。

 なので、決して万人向けとはいえません。もしかすると、それでメジャーなプラットフォームで流さないのかも?「BTSの楽曲が基になってるストーリーらしいよ!」って Dynamiteぐらいしか知らない人が軽い気持ちで見始めたら大火傷します。アイドルとしての彼らだけを観ていたい人にとっては、TLでネタバレが流れてくるのもダメージデカいはず。たとえ役名が変わっても辛すぎて耐えられない人もいるでしょうし、バンタンメンバーの名場面を別の人が演じているのに抵抗がある人もいるでしょう。今ぐらいひっそり盛り上がってる方が平和なのかもしれません。採算取れない気がするけど…。

 だから、正直なところ「作ってくれてありがとう!」と「よく作ったね?!」という気持ちが混在しています。でも私自身が今回ドラマを観て一番強く感じたのは、バンタンはこんな風に実社会で苦しむ若者たちに共感して、彼らの心の支えになる曲を作りたかったんだなということ。

防弾少年団 (BangTan Sonyeondan)の由来
『10代・20代に向けられる社会的偏見や抑圧を防ぎ、自分たちの音楽を守り抜く』

 バンタンの曲は劇中ではBGMとしてしか出てこないんだけど、今現在もこういう風に息の詰まるような日常を強いられている若者たちが、彼らの楽曲を通して LOVE MYSELF を知り、自分を認めて前に進めるようになるのなら、音楽は世界を変えられると言えるよなと思いました。

今後の展開?

 今回は序章なので大きなネタばらしはしませんが、ビックリしたのは「続ける気満々じゃないですか⁈」ってこと。ずっと楽しみだったけど、そんなグイグイ来られると、こっちが困惑するよw いくつか謎が解けたけど、その分新たな謎が増えたし、伏線しっかり貼ってきてるので、これをまた10年近く放置することはまさかないと思う…。

 でもこれをドラマとして今の俳優さん7人で続ける気なのか、BTSとして再結集後にアルバムで新展開を出してくるつもりなのか全く予測がつきません。

 これは完全に妄想なので、冗談半分で聞いてほしいですが、注目したいのは、今回のドラマの各エピソードのタイトルです。

  1. Am I wrong?

  2. Mama

  3. Lie

  4. Anpanman

  5. Mikrocosmos

  6. Cetomimidae

  7. Man in the Mirror

  8. 13th Apostle

  9. Asteroid 2019 OK

  10. Hide and Seek

  11. The Note

  12. Begins ∞ Youth

 お気付きでしょうか。5話まではバンタンの楽曲名なんです。6話以降は本編を観てもいまいちなぜそのタイトルなのか分からないものがいくつか。気になりすぎて、分からない単語はリサーチしてみました。

Cetomimidae

クジラウオのこと。深海魚?

13th  Apostle

13番目の使徒。イエスを裏切ったイスカリオテのユダのこと?
(ちなみにユダは12番目で、裏切った後にパウロが弟子になってるから13番目はパウロという説も。とにかく響きがかっこいいからエヴァンゲリオンとかでも出てくる名称)

Asteroid 2019 OK

これを調べるまで2019年に地球が危なかったことを知らなかった…

 ねぇ、ちょっと…どれもバンタンが曲のタイトルにしそうじゃない??
 でもそんな先まで作り込んでるかな?
 とにかく今後の展開が楽しみなことには変わりありません!

 次回からは主に自分が過去書いた考察が合ってたか外れたかを中心に検証記事を書いていきたいと思います〜。実は観終わっても全然内容消化できてないです。Note書きながら考えよう…。

 最後に、ドラマに関心を持たれた方はこちらのMVをどうぞ〜。

↓ 続きです!

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