ベルサイユのばら

宝塚を観劇し始めて幾星霜。
ひと公演1~2回とゆるっと観劇し続けて、初めて観るベルサイユのばら!
実は宝塚と言えばベルサイユのばら!のイメージだったのでいつかは観たいと思っていた作品(実際はロミオとジュリエットとかエリザベートの方がはるかに上演回数は多い)
運良く大劇場のチケットも取れたので、7月に1度観てるはずなのに、朝美オスカルの美のインパクトが強すぎて、初見みたいな気持ちで東京宝塚劇場で観てきました。
原作強火担としては、ストーリーにはもの申したいことは数あれど、フェルゼン編ということと、限られた時間内でストーリーを終わらせるという条件下なのでまあ仕方ないかな、と。もし原作読んだことない人は是非原作読んで色々補完していただくと、より理解が深まると思います。
そして久々にこれでもか、と暴力的な迄に「美」でぶん殴ってくる作品でした。
どの場面もとにかく美しい。ストーリーの不満など全て許せるこの美しさ。
2部構成なのですが、個人的には第二部が断然アツイ!
この第二部を盛り上がらせる為に第一部がある。
第一部で物語の主軸となるフェルゼン&アントワネットの出会いと別れ(フェルゼン帰国)再開に向けてフランスへ。
オスカルとアンドレの結ばれるまで。
第二部でフランス革命。
アンドレとオスカルの死。
フェルゼンとアントワネットの再開と永遠の別れ。
フィナーレ。
ざっくり話すとこんな流れ。

まず、アンドレとオスカルの死で泣きます。すすり泣きめっちゃ聞こえてきます。
そしてフェルゼンとアントワネットの別れでまた泣きます。
どうしても愛する人の命を救いたいフェルゼンと、愛するが故に逃げずにギロチンの露となりたいアントワネット。
ここでアントワネットがフェルゼンと逃亡してしまった場合、国と子供を捨てて逃げた無責任な女(王妃としての義務を果たさなかった)と不名誉な歴史の刻まれ方をしてしまい、それは故国オーストリア、夫であったルイ16世、子供達、そして愛する人フェルゼンの恥にもなる(国を捨てるような王妃を嫁がせた、そんな女を妻とした等々)
だから、フェルゼンを含め愛する人全ての為にアントワネットはフランス王妃として立派に死にたい。
フェルゼンはわかっていても、愛する人が殺されるのを見過ごせないし、諦められない。
この葛藤を見せつけられるわけですよ。
本当にこのやり取りからの断頭台にのぼるラストシーンは素晴らしかった。

で、フィナーレ。
今回はショーがないからこのフィナーレが長め。
でもサヨナラショーかな?って思うくらい愛に溢れてました。
特にアカペラで組子が歌うセラビ▪アデューと、そのあと彩風さんが銀橋で踊るとこ。
もうねセラビ▪アデューの歌詞がそのまんま彩風咲柰と組子&ファンの気持ちなんですよ。(と推察)

私の中にあなたは生き続ける
あなたの中に私は生き続ける

この歌詞聴きながら、彩風さんが本当に舞台の隅々にまで視線を送るんですよ。
限られた時間、2000人いる観客の一人一人の顔を見るように。
会場が一体になって歌声聴きながら彩風さんと視線を交わすこの時間が一番ジーンときて心に残りました。
特別雪組ファンってわけじゃない自分がこんな風に思うくらいだから、贔屓にしてる方々からしたら号泣ものなんじゃないかと思います。
またね、銀橋で踊る彩風さんが本当に楽しそうで幸せそうなの。
この「フェルゼン」が大好きなんだな、と感じました。
素敵なトップさんだな、また次回作観たいな、って思わせるんですけど
本公演で退団です(泣)
良さに気づいた時には退団っていうパターンが本当に多いのが宝塚。
いや、でも御本人の集大成というにふさわしかったと思います。
時間は山ほどあるし、もう一度観たいけどチケットがない。
何度観ても満足しないんだろうけど、また観たいって思う作品でした。
千秋楽まで元気に走り抜けて行って欲しいと思います。

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