【読書徹底解説】「HELLO,DESIGN 日本人とデザイン」を読み解く
今回は石川俊祐著「HELLO,DESIGN 日本人とデザイン」について、徹底的に読み解いて自己流に再構築して理解を深めていきたいと思います。このNoteを通じて皆さんの理解や整理に役立ててもらえればと思います。
【読書徹底解説】シリーズではただの要約や読書ログではなく、本の持ってる価値をより引き出せるように、自己流に解釈して再構築してまとめたものになります。本を読んでない方も読みたくなり、読んだ方はより一層の理解を深められるようにパワポを利用してまとめています。
キースライド
デザイン思考の概要
マインドセットと行動の相乗効果
デザイン思考の4つのプロセス
デザイン思考とIDEO社
著者が勤務していてデザイン思考の生みの親とも言えるIDEO社ですが、1991年に3つのデザイン会社が合併してカリフォルニアで生まれた会社です。
2000年代に入り生産拠点が人件費の安い国へ移ってく中で、IDEO社は大きな転機を迎えます。
この流れの中でIDEO社は、あらゆる業種業態の企業から相談を受けていきます。そして、この中でデザイナーの思考メソッドをビジネスに応用できると気付きます。
IDEO社のデザイナーのアイデアの出し方をビジネスに応用します。
「ビジネスデザイン」という領域で自分たちの思考メソッドを概念化、ビジネスにおける「デザイン思考」というメソッドに仕立て上げます。
そんなIDEO社ですが、2023年11月には業績不振、人員整理、オフィス閉鎖などが報じられます。2023年末までに全世界で従業員25%を解雇し、ミュンヘンと東京のオフィスを閉鎖するとのことです。
以下のNoteでは著者の石川俊祐氏がIDEOのレイオフに触れて、デザイン思考の今後についてコメントしています。
アートとデザインの違い
アートとデザインの違いについて目的や起点で説明すると、アートは自己の衝動を起点とし自己起点の強い思いと主張が込められています。
一方でデザインの方はに人の抱える課題を起点として、課題の発見と解決が目的となります。
アートとデザインは何かをカタチにしてアウトプットするが、その動機の根源となる起点は違います。
デザインの人の抱える課題を起点として、課題の発見と解決が目的とする部分は、デザインのベースとなる概念となります。
アートとデザインの境界が曖昧になっている
テクノロジーの進化により、これまでより低コスト・短期間で色々なことを実現できる部分が拡がっています。こうして実現のハードルが下がる中で「課題」から始まるデザイナー的な考え方と、「こういうモノをつくりたい」というアーティスト的な考え方を持つ人が出てきており、アートとデザインの境界が曖昧になってきてるとも言えます。
現在、ビジネスで活躍してるデザイナーの共通点は「優れた主観をもっていること」です。この主観は「こうしたい」というアーティストの考え方に近いものです。アーティスト的な主観を持ったハイブリットなデザイナーがますます活躍していくことを予想しています。
アートとデザインのビジネスへの応用
デザイナーの考え方をビジネスに応用してデザイン思考が出てきたように、アーティストの考え方を応用してアート思考といったものも出てきています。アーティストやデザイナーの活躍の範囲が広がったとも言えるかもしれません。
デザイナーの役割とその理解
ここまでデザインやデザイナーという言葉を使っていますが、デザイナーがどのような見方をされてるかというと、日本では長らくビジュアル・見た目を整える人といったイメージでした。
一方で世界的な見方は、参加したプロジェクトでどのような課題を解決するかの「問い」を考えるところから、ビジネスフェーズまで、プロジェクト全体に携わる人です。
デザイナーは、いつも人のことを考え、課題に対してどんなソリューションを提供できるか・ありえるかを企てます。本書ではデザイナーという職種ではなくても、このような視点を持っている人はデザイナーであると説明しています。
デザイン思考の概要
デザイン思考の概要は以下のようになります。
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