#2研磨
カンカン、音がなる。熱い鋼を何度もたたき鍛錬を繰り返し、刀身を磨き上げる。良いものを作成するには相応の時間が必要だ。これは「刀」に限った話ではない。
コロナ禍で教育の機会を確保するために九月入学案が浮上した。なんと国際標準になることで留学しやすくなり、受験期の交通障害や感染症のリスクを下げられるというおまけ付きだ。
しかし、メリットばかりに夢中になり周りが見えなくなってはいないだろうか。優先すべきは、学習機会を取り戻すことであって九月入学にこだわる必要はない。実効性のある措置が必要だ。実際オンライン授業の効果は感じているし、むしろわかりやすい科目もあった。夏休みを短縮することで時間は確保できる。九月入学を今回慌てて採用する理由はない。
切羽詰まった状況でこそ、一歩引いて物事を俯瞰する能力が必要だ。九月入学だけが解決の手段ではない。付け焼き刃にならぬよう、「刀」は慎重に打ちたい。
今回の文章は前回とは反対意見のものです。
多種多様な価値観があるので、一方的な意見はいけませんね。
是非前回の文章もご覧ください。