今日、書店に行って『推し、燃ゆ』を買った。読んだ。病んだ。
芥川賞だったり本屋大賞だったりと何かと話題だった『推し、燃ゆ』
推しがいる身としてはぜひとも読んでみたい作品だったが、今なら声を大にして言える。
「推しがいる人はぜっっっっっっっっっったいに読まないほうがいい!!」
そもそも『推し、燃ゆ』とは
一時期テレビやネットなどで話題だった『推し、燃ゆ』だが、もしかしたら知らない人もいるかもしれないので簡単に紹介する。
『推し、燃ゆ』は河出書房から発売されている小説だ。作者宇佐見りんさんの2作目であり、最年少芥川賞を受賞した作品でもある。
公式サイトにあらすじがあったので載せておく。
「推しが燃えた、ファンを殴ったらしい」
逃避でも依存でもない、推しは私の背骨だ。アイドル上野真幸を”解釈”することに心血を注ぐあかり。ある日突然、推しが炎上し――。
あらすじから見てわかる通り、この作品は主人公の推しが炎上したところから始まる。主人公の一人称視点で物語が進んでいくこともあってか、作品の雰囲気は終始暗い。
そしてネタバレにはなってしまうが、煮え切らないままでこの話は幕を閉じる。あえて言うならば、バットエンドだ。
そんな『推し、燃ゆ』をなぜ推しがいる人は読まないほうがいいのか。
次から理由をあげていこうと思う。
先に言っておくが、筆者の主観でしか書いてない。
推しがいる人が『推し、燃ゆ』を読まないほうがいい理由
仰々しい書き方をしているが理由がいくつもあるわけではないため、簡潔に書いてしまう。
主人公に自分、推しに推しを重ねて病むからだ。
推しが炎上したことがある人、炎上して病んだ人は特に気をつけてほしい。私は推しが炎上したことがあるし病んだこともある。
小説の中では、推しの状態と主人公の状態が同時進行で変化していく。その変化があまりにも自然で、あまりにも胃がキリキリするのだ。最後まで読み終わったあと、私は大学を早退した。
推しの音楽を聞きながらの帰り道は、一歩歩く毎に鬱になっていた。それほどまでにこの小説の後味は悪いし大いに残る。
今、家で推しの楽しい楽しい動画を流しながらこれを打っている。画面の中で推しが楽しそうに笑っているのを見て、ようやく気分が右下がりから横一直線になったところだ。
私の気分がだだ下がりしたのは半日にも満たない時間では合ったが、『推し、燃ゆ』は確実にこれから先の推し活に後遺症を与える作品だった。いい作品であることは間違いないが、いい作品だからこそ、私のようなファンは読まないほうが良い。これから先も楽しく推し事をしたいのであれば。