続・スノ出演夏ドラマの話(GO HOME編)
という訳で一話が出揃ったので、最後の『GO HOME』の一話感想。
まずこれ、スノ出演の四作中一番好きかも知れない。めちゃめちゃ見易いドラマだった。メインの登場人物にいわゆる「嫌な奴」が一人も居ないのが大きいかも知れない。(サブキャラはまあまあサイコパスだったが)
ラスボスキャラとかが設定されるのはドラマの展開上仕方ないと思うのだが、如何せん、心臓に悪いドラマやモヤモヤ・イライラするドラマが苦手なのだ。「あっ、こいつ嫌な奴だな……」と思ってしまうキャラが出てくると、どうもモヤモヤしながら見る事になってしまう。現実がこれだけ世知辛いのだから、作り物の世界でぐらい素敵な人たちに囲まれている状況を見たい。
始まる前の勝手の想像で、主人公二人の関係があんまり良くないのかなー、ギスギスしてたら嫌だなーと思っていたが、全然そんな事は無かった。年齢の離れた同期として、それぞれの仕事をしつつ良いバランスを取っている。アプローチは違えども「ご遺体を還るべき場所へ」「残された遺族が前を向けるように」という想いが同じなので、ストレス無く見られるのが良かった。
二人揃ってストレス発散、自分に活を入れるのにキックボクシングというのも、「戦う女子」という感じで良い。実際の仕事では肉弾戦とかではないので、仕事の為に鍛えてる訳じゃない所が余計に良い。(肉弾戦はこういうドラマだと捜査一課の役目だろうし)
桜は過去に自殺未遂の経験があり、真は(恐らく)恋人か誰か近しい人が行方不明になっており。それぞれ重い過去を抱えた二人だが、普段のやり取りは割とキャッチーな所が、何となく「それでも逞しく生きている」というような感じに見える。
一般的な刑事ドラマと言うと、事件自体に焦点があてられるため、その後に残された家族の話はそこまで追いかけない。(主人公が被害者遺族な場合は別で)でも、多分このドラマの場合は「まず遺体がそこにある」という状況から始まるので、残された遺族にフィーチャーする時間が結構長いんだと思われる。
「身内が死んだ」というのは、亡くなった直後よりも少し後になってからの方がじわじわ効いてくると思う。このドラマはそういう実感を伴う「少し後」の頃から話がスタートするようだ。二話以降どうなるかは不明だが、その辺りも含めて楽しみである。
そんでスノ担的に大事なのが阿部亮平だ。もしかして、いや、もしかしなくても、とても良い役を貰ったのではないだろうか。三番手だったので結構出番も多いのかなと期待していたが、期待通りド初っ端からたくさん出てきた。
捜査一課の刑事としてバリバリやりつつ、容疑者をビシバシ詰めつつ(標本サイコパスの家を令状無しに漁ってたのは笑ったが)、憧れの真さんの前では元気に尻尾を振るゴールデンレトリバーのように見える。肉も粉も好きっす!
恋愛要素を嗅ぎ取るタイプの視聴者としては、手嶋くんには是非とも頑張ってほしい。真の待ち続けてる相手ってのが、過去の恋人とかなんかそういう感じのアレだと思うが、八~九話ぐらいでご遺体が見つかって、最終回の頃には前を向いた真が新しく恋を始める展開を匂わせても良いんじゃないか?
一話しか見てないのにこういう事を言うのは、キャラに期待を背負わせすぎているだろうか。でも仕方ないじゃない、見たいんだもの。