身体を大きくしたい人への【増量バイブル】~多くの人が意外と知らないこと~
皆さん、こんにちは。
スポーツ栄養専門で活動している管理栄養士の吉村俊亮です。
今回も増量をするうえで、皆さんに知っておいてもらいたい内容になります。
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たんぱく質だけ摂っても…**
よく筋トレ愛好家の方やアスリートにもいますが、≪筋肉を付ける=たんぱく質を摂る≫という考えの方がいます。
しかし、実はそれでは効率が悪いのです。
筋肉を付けるためには、トレーニングを行うことで筋肉に微細な傷をつけ、それを回復させることで以前よりも強く大きな筋肉になります。
これがよく聞く『超回復』ですね。
筋肉をいち早く回復させるためには、たんぱく質だけでは足りず、たんぱく質と一緒に糖質の摂取が必要になります。むしろたんぱく質よりも糖質を大目に摂取することが大切になります。
通常の食事でたんぱく質を大量に摂取する選手もいますが、たんぱく質の摂取量が上がれば、同時に脂質の摂取量も上がるため、筋肉も増えるかもしれませんが、体脂肪が増えるリスクが大きくなります。
また、必要以上に摂ってしまったたんぱく質は、エネルギーとして利用もされますが、それでも余ってしまった場合は体脂肪として体に蓄積されます。
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全員がプロテインを必要なわけではない…**
数年前に発表されたプロテインサプリメントの研究データでは、1日の総たんぱく質摂取量が体重1kgあたり1.62 gになると除脂肪体重(脂肪を除いた体重のことをいい、筋肉量の目安になるもの)に対する効果が頭打ちになることが明らかになりました。つまり、普段のたんぱく質摂取量が体重1kgあたり1.6 g以下であった場合に、プロテインサプリメントの効果が見られるということです。
例)体重50kgの人がプロテインサプリメントを飲んで効果が期待されるかされないかの境界線は
50 × 1.6 = 80
体重50kgの人だと、1日当たり食事から80gのたんぱく質を摂れている場合、プロテインサプリメントを摂ってもプラスの効果はあまりなく、80g以下の摂取量の人であれば、プロテインサプリメントの効果を期待できるということです。
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プロテインを飲むことを考えるよりもトレーニングメニューの見直しを**
これも数年前に発表されたプロテインの研究データですが、除脂肪体重、1RM(1回挙上できる限界の重さ)の増加に対するプロテインの効果が除脂肪体重では0.30kg、1RMでは2.49kgであったのに対して、プロテインを使用せずにレジスタンストレーニングのみの場合だと、除脂肪体重では1.1kg、1RMでは27kgという結果が出ています。
これは除脂肪体重や1RMの増加にプロテインも効果を示すが、それよりもレジスタンストレーニングの方が大きな要因になっているということを示しています。
これはあくまでもプロテインについてのデータですので、トレーニング後に糖質+たんぱく質の摂取をしなくても良いというわけではありませんので、ご注意ください。
今回の記事で一旦増量についての内容が終わりになります。
全3回の増量についての記事にお付き合いいただき、ありがとうございました。
下記より、1回目・2回目の記事をご覧いただけます。
ご興味のある方は、是非お読みいただければ幸いです。