「業務の可視化」から効率化の実現をめざす!自治体DXの機運を後押しするUdemyの学び
札幌市では、2023年度に市役所・区役所職員のデジタルスキル向上を目的とした研修を実施しました。
研修は、Udemy Business(以下、Udemy)を活用したオンライン学習と、ワークショップ中心のオフライン学習を組み合わせたハイブリッド形式です。
研修への参加によって訪れた心境の変化や、今後のデジタル関連の取り組みに対する意気込みを取材しました。
前編の今回は、札幌市南区役所の仁井さんにお話を聞きました。
紙ベースかつ手作業の多い業務を効率化したい…そんな課題意識が学びの意欲を生んだ
―仁井さんが今回の研修に参加した理由を教えてください。
私は札幌市南区役所の市民部総務企画課に所属し、公用車や会議室などの管理業務と、役務契約・物品購入契約およびその支払い処理を担当しています。
普段の業務ではまだまだデジタル化が必要な領域が多く、特に契約事務では紙ベースの業務が色濃く残っています。
指定の様式があるにもかかわらず毎回情報を個別入力する必要もあり、かなり手間だと感じていました。
加えて、物品購入の支出額や郵便物の数を集計する担当者がいるのですが、この作業もかなり煩雑で「数が多すぎてどう集計すればいいかわからない、部署を超えた集計作業が難しい」という声も聞かれます。
この課題をなんとかしようにも、私自身があまりデジタルに詳しくなくて困っていたところ、研修が実施されることを知り参加を決めました。
―紙ベースの業務をデジタルに移行したいという課題意識があってご参加いただいたのですね。今回のワークショップ研修を受けて、どんな感想を持ちましたか。
「業務の可視化」の話題では、特にたくさんの学びがありました。
これまでを振り返ってみると、自分がどんな業務を抱えているのか、実際にどんな手順でそれを進めているのか、実はきちんと棚卸ししたことがなかったと気づきました。
研修で実際に言語化してみると、自分が思っている以上に作業をやっていると感じたり、作業内容を一つひとつ確認していくうちに「この業務にはツールを使ったら楽になるのでは?」というアイデアが見えてきた気がします。
業務でどうしても紙ベースでなければならないものと、紙でなくてもいいところを切り分けて、どのようにデジタル化を進めていくかが今後の課題です。
―研修の内容をもとに、実際の業務で着手していることや「ここからなら始められそう」と目星をつけていることがあればお聞かせください。
研修の中で印象に残った内容として、「自分の業務に余裕を持たせ、心にも余裕ができてこそ、業務改善などの新しいことに取り組める」という話がありました。
これが私自身にも必要なことだと感じています。
今までの自分の感覚では、そこまで業務を詰め込んでいるつもりはなかったのですが、今回の研修で業務を可視化してみると「思った以上に余裕がなかったんだな」と気づきました。
今後やっていきたいと考えているのは、どのツールを使うか検討を始めることです。
ただ、あまり難しいツールを導入しても浸透しないため、誰でも使いやすいExcelやWord、またはノーコード・ローコードツールなどがいいのではと考えています。
Excelなら関数やVBAなどのプログラムを使い、今まで手入力していた業務を簡素化できればいいですね。
Udemyでは、ツールの使い方・時間管理術・キャリアデザインと幅広い学びを実践
―ワークショップ研修の事前学習課題としてUdemyを受講いただきましたが、それによって研修への理解は深まりましたか。
事前に指定されたUdemy講座を受講してからワークショップ研修に臨みました。
Udemy講座内ではワークショップ研修で予定されているプログラムのほとんどが紹介されていて、「研修当日に講師の方が話すことがなくなるのでは…」と心配するほど充実した内容でした。
ワークショップ研修を実際に受けてみると、事前のUdemy学習のおかげですんなり理解できたのはもちろん、座学よりも手を動かすワークに重点を置いた内容でした。
事前学習で得た知識をアウトプットする場があったことで、ますます理解を深められました。
―ワークショップ研修後も引き続きUdemyで学んでくださっている仁井さんですが、これまでどんな講座を学びましたか。
VBAやExcelなどのツール活用法の講座に加えて、効率的に時間を使うための方法も学びました。
というのは、ワークショップ研修で学んだ「まずは自分の業務で時間を作る、余裕を作ることを優先すべき」という話が強く心に留まり、私もできるようになりたいと思ったからです。
時間配分の仕方やタスク管理を効率的にするための講座を学んで、まずはデジタル化に取り組むための余裕を生み出すことに取り組んでいます。
せっかく手に入れた学びのチャンスをぜひ有効活用したいと思い、Udemy講座は業務の空き時間ができたときに見たり、運動や家事をしながら耳活として学んだりする使い方をしていました。
講座を聴く中で気になる発言があれば、後でもう一度ゆっくり見て理解を深めるなど繰り返し見られるのがUdemy講座の良いところだと感じています。
―特にこの講座が良かった!と思うものがあれば教えてください。
ミニアニメでDXやIT用語を解説してくれるシリーズがわかりやすいと思いました。
デジタル関連の用語は英語の頭文字のものが多くてなかなか覚えられないのが悩みでしたが、アニメーションのおかげで印象に残り、理解できるようになったのは嬉しかったです。
それから、キャリアデザインの講座も非常に多くの学びがありました。
個人的な悩みとして自己肯定感が低い傾向があり、「私の持つ強みや能力って何?それを仕事に活かすには?」と聞かれたとき、毎回答えに詰まってしまうことを課題に感じていたんです。
しかしUdemyでキャリアデザインを学んでからは、私自身が持つスキルへの向き合い方や、それらを仕事に活用する方法がわかりました。
これまで苦手意識のあった業務上の目標を立てる作業も苦ではなくなったと思います。
▼仁井さんが受講した講座はこちら▼
庁内のDX推進には「一人ひとりの気づき・学び」が不可欠
―仁井さんが所属する部門や庁内においてDXを進めるうえで、今後乗り越える必要がある課題は何ですか。
やはり職員の意識を変えることが必要だと思います。
現場では「確かに手間はあるけど、今のやり方でも回っているから問題ない」とか「変化させて業務が回らなくなると困る」といった考えもまだまだ多いように感じます。
また、費用の面だけ見て必要性を疑問視したり、効果が不透明だからとやる前から諦めてしまったりすることも少なくありません。
新しくデジタル化を進めたいという人がいても、実行できる環境がないせいで機会が消えてしまうのはもったいないです。
デジタル化の必要性を現場にどう浸透させ、いかにみんなで取り組む方向に持っていけるかが今後最も重要な部分であり、課題点だと思います。
―最後に、今後の学びへの展望や期待があればお聞かせください。
今回の研修を通して、Udemyのようなオンライン学習とワークショップ形式の学びを併用すると、どちらか片方を受講するよりもさらに学びが深まることを実感しました。
私が常々考えているのは、人はそもそも自ら気づいたり「やりたい」という意欲があってはじめて行動が起きるということです。
誰かの指示でやらされるよりも、自らやりたいと思う意欲、主体的に取り組む姿勢が少しずつでも職員の間で広がると良いなと思います。
それぞれの職員が得た小さな気づきから庁内にDXの風が吹き込み、何かの取り組みにつながっていけばいいなと感じました。
研修協力会社:みらい株式会社
https://go-mirai.jp/