全庁的なDXの取り組みをUdemyでサポート!公務員として求められるゼネラリストを育成する|埼玉県新座市のUdemy活用事例
埼玉県新座市では令和4年に新座市DX推進計画を策定し、全庁的なDXを推進する目的で令和5年度よりUdemy Business(以下、Udemy)を使った研修を開始しました。
庁内でDX推進に取り組まれる山口里沙さんと、実際にUdemyを利用している福田宙史さんにお話を伺いました。
全庁的なDXを推進する「DX推進員」を選出、Udemyでの研修を実施
―はじめに、お二人が担当しているお仕事について教えてください。
山口:情報システム課とデジタル市役所推進室を兼務しています。情報システム課ではシステムの管理やセキュリティの維持、デジタル市役所推進室では全庁的なDX推進の働きかけや各所属におけるDXのサポートが主な業務です。
福田:人事課にて、主に職員採用などを担当しています。
―新座市のDXへの取り組みの背景と、施策の概要について教えてください。
山口:全庁的なDXを進めるには指針となる計画が必要であるため、令和4年に新座市DX推進計画を策定いたしました。
計画を進めるにあたり、全庁横断的に施策に取り組むには中心的な役割を担う職員が必要です。そこで「DX推進員」を全ての所属から102名選出いたしました。
DX推進員に関しては、デジタル技術やIT知識が豊富な方に限定せず、所属の問題点を洗い出して意欲的に解決したいと考えている職員にお願いしています。
とはいえ、DXに対して何の基礎知識もないままでは進められませんので、DXの定義や基本的なデジタル知識の習得機会を設けようと、令和5年度から動画研修という形でスタートしました。
―福田さんが今回研修に参加された理由を教えていただけますでしょうか。
福田:DX推進員の選出時に、人事課の中で「やってみてはどうか」といわれたのがきっかけです。
現在は人事課として主に職員採用業務を担当しておりますが、全業務のうち9割くらいが内部の事務業務です。研修によって、内部事務をDXで改善するヒントが得られればと思い、「よし、やってみよう」ということで、参加しました。
自治体向けコンテンツの充実に注目してUdemyを導入
―今回Udemyを導入いただいたきっかけは何だったのでしょうか。
山口:DX人材の育成に取り組むにあたり、ITツールのスキルだけではなく企画立案や考える力を身につけてほしいと考えていました。その中で、ベネッセが実施した「ベネッセによる行政DX人材育成 実証研究結果」の結果を目にする機会がありました。回答結果で「Udemyでの学習によってDX施策検討につながった」というコメントの割合が高かった部分に注目して、導入を決定しました。
Udemyは自治体向けのコンテンツが充実していましたし、コンテンツのアップデートが頻繁なところも魅力的です。
Udemyは学習のペース配分がしやすく取り組みやすい
―どのような講座を受講されましたか?
福田:「DX基礎を学ぶ」「企画立案を学ぶ」の2つのラーニングパス(※)が必須となっていたので、まずはそこから学習をスタートしました。
「自治体DX基礎研修【初心者向け入門講座】」及び「自治体/行政デジタルトランスフォーメーション(DX)入門講座 2023年度版 これからDXに取り組む職員に最適!」ではDXの基礎として幅広い情報が含まれていたので、これからDXに関わっていくために必要な知識を得ることができました。
これまで職員として研修を受けてきた中で、デジタル技術に関する専門的な研修の機会は少なく、例えば庁内ネットワークに関して必要最低限の仕組みを知るといったものでした。このような状況で、Udemyを活用することでDXやITを学び、触れる機会が増えたのはよかったと思っています。
▼福田さんが受講された講座はこちら
※Udemyではラーニングパス(目標と講座等を設定した学びの道しるべ)を受講生に割り当てができます。
―どのような時間に学習を進められましたか?
福田:土曜、日曜を使って、自宅で受講しています。
研修の受講に関しては、「勤務時間中に視聴してよい」というルールはあるのですが、そこは仕事とは時間を分けて自主的に学ぶ機会が必要だなと思い、あえて土日に時間を取るようにしました。
動画では1コマの時間がきちんと示されていたので、学習のペースや量も調整しやすく、それほど大きな負担にはならないなという印象はありましたね。
Udemyを辞書代わりに使い、異動先でも活躍できるゼネラリストを育てる
―Udemyで学び始めて、変化はございますか
福田: Udemyの講座を受講してからは「DXで業務を変えられるのでは」という当事者意識を常に持てるようになりました。
市役所の仕事は、前例踏襲が多いものです。たとえば、これまで紙でおこなっていたアンケートを電子申請システムに移行して、書類を減らそうという声掛けやアイデア出しをする。そうすれば、別の係からも「電子申請システムを使ってアンケートを取りたいが、どうすればよいか」と声をかけてもらえるケースも増えました。
自分自身ではDXの旗を掲げているつもりはないのですが、受講後は部署内の業務について、何か別の方法はないかという視点や意識を自然に持つことができていると感じています。
―今後はどのようなことを学んでいきたいですか
福田:庁内では定期的に人事異動もありますので、異動先でもDXを推進し、デジタル化されているものでもさらに改善を加えられるように、DXの知識をより深めていきたいです。
山口:違う部署への異動は、転職に近いイメージですね。新しい部署にどう適応するかも大切で、そこで役立てるための勉強や資格取得をするのが公務員の宿命だと感じています。
逆に、色々な仕事を経験できるのが、公務員のいいところです。どの部署へ配属されても活躍できるゼネラリストを育てるという意味では、Udemyを辞書代わりに使って広範囲の知識を得てもらう学び方もよいのではないかと感じています。
ただのデジタル化ではなく、トランスフォーメーションに取り組む人材育成を目指す
―今後の展望について教えてください。
山口:学習時間をどうやって作るかが当面の課題ですね。
市民対応が多い部署では、窓口や電話対応と並行して学習するというのは、環境的に難しい部分があります。受講環境の整備は今後も考えていきたいです。
福田:「時代に取り残されない公務員になる」のが大切かなと思っていますね。
民間企業に比べると、地方自治体では時代の変化に乗り遅れてしまう部分はどうしてもあるのかなと思っています。だからといって、時代の流れは無視できないですし、無視した結果として市民サービスに影響を及ぼす可能性もあります。どこの部署に行ったとしても、時代の流れに対応できるようUdemyの動画でヒントをもらいながら業務に取り組んでいきたいです。
山口:DXの定義やマインド、なぜ今DXをやるのかということをもっと考えていく必要があると思っています。ただのデジタル化ではなく、その先のトランスフォーメーションの部分をどうしていくのかを含めて、DXを推進していく力を身につけてほしいです。