大阪市をウォッチしよう!! 04 「夢洲IRカジノ鑑定評価『メール疑惑』」
大阪港湾局営業推進室は7月3日、「大阪港湾局におけるIR用地の鑑定評価にかかる不適切な公文書管理について」を公表した。4月にIR用地にかかる鑑定評価に関する資料について、改めて確認していたところ、共用パソコンの外付ハードディスク内に関係メール資料が保存されていたことが判明した。198通のメールが情報公開の対象文書に該当するものと確認したという。
私も情報公開請求していた文書が14日に届いた。とにかく大容量であり、苦労してダウンロードした。写真は198通メール一覧である。まずは、最初の方だけ印刷してチェックすると、2019年9月13日15時15分送信のメールに目がとまった。
夢洲IRカジノ用地の賃貸借条件として、「大阪・夢洲地区特定複合観光施設設置運営事業に係る価格形成要因への影響を考慮外とした鑑定評価」と明記されていた。また、土地概要の最有効使用はIRカジノではなく、「大規模複合商業施設」となっている。
これらのメールは、これまでの大阪港湾局の説明とは明らかに違っている。事業者側からIRを考慮外と全社条件を合わせるべきと提案される前に、市が事業者側に送った鑑定評価の概要を尋ねるシートの付加条件に「IR考慮外」という条件を提示していた。
おかしなことに、IR予定地がIRではなく、大規模複合商業施設(大型ショッピングセンター)として鑑定評価するように、大阪港湾局が指示していたわけだ。地下鉄駅に隣接したホテルなどが建ち並ぶ予定のIRカジノ用地が、格安の賃貸料で提供されることにつながったのではないか。
大阪港湾局は21日、当時の職員が3月17日に「メールが存在する」ことに気づき、すぐに上司4人に報告していたことを明らかにした。これまでの説明とは異なり、約1カ月も早いタイミングで報告していたことになる。上司は「報告を受けたとの認識には至っていない」などと説明しているという。
こんな不可解なことがあるだろうか。当時の松井一郎市長が恫喝を繰り返していたことを思い出す。とにかく夢洲IR差し止め住民訴訟にとっても重大な問題であり、今後の動向を注視していきたい。
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