OLA革命-自分度の広げ方 12「「つくらない建築」という計画」
企業遺産の再利用計画の依頼
関西地方に建つ、使わなくなった約1万平米(100m×100m程度)の保養所の再利用計画についてです。
新しい事業主が既に取得しているのですが、その有効利用の相談がボクにありました。恐らくボクが、「つくらない建築」というテーマを追いかけていることを調べて来たのかと思います。
「つくらない建築」といっても、まあ、比喩であり、全く設計もしないとなると、生業として成立しなくなりますから、具体的には木造で作る、もしくは、コンバージョン(建物の用途を変更し再利用すること)するくらいまでを「つくらない建築」の目安にしてきました。
環境負荷を最小限に抑えた、「つくらない建築」をイメージしてきたわけです。
しかし、今回は本当につくらないんです。まあ実を言うと法的に新たに建設できない敷地なんですが、そういう案件については、設計事務所も建設会社も動きようもないですからね。
たまたま企業の古くなった寮を、コーポラティブハウスにコンバージョンしたことで大臣賞をいただいた経緯があるからかもしれません。そういう相談があり、本当に「つくらない建築」が実現することとなったんです。
前述のコーポラティブハウスのコンバージョンは、古い建物をかなり改装して作り直したケースなのですが、今回は、本当に建築をつくらずにコンバージョンしようとしているんです。
広い敷地の前庭を利用して
広い敷地の前庭(約100m×30m)を利用して、その部分を駐車場に変更し、保養所の建物そのものは全く触らないんです。その保養所は4階建てで、3層のアミューズメント空間(図書室や映画室)があったんですが、それらのうち、1-2階部分を地域の人たちが使える商業空間として利用することにします。
保養所の立地としては、優良な住居地域で商業施設を建てることができないエリアなんです。まさに、地域のニーズに応える商業空間として利用できるようなコンバージョンをめざしています。
また商業運営側、保養所利用者の方々の意見も取り入れつつ、プログラムと内装を決めていきたいと考えています。まさに、コーポラティブハウスのような作り方をやっていきたいと考えています。
ですので先行する工事は、この広い敷地の前庭部分だけなんです。ここは先にすすめます。完成したら話題の施設になるかと思っていますのでお楽しみに。