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進化する自治を構想する 15「行財政史から考える明日の大阪」

UCO講座「大阪の未来を構想する」行財政編

 「大阪の未来を構想する」行財政編は、明治から戦前・戦後を越えて、高度経済成長期を過ぎ、バブル崩壊を経て現在に至る150年弱の大阪の行財政を全5回に渡って敷衍する講座。次の大阪はどういう都市になるのがいいのか、どういう産業による発展を目指すべきなのか、また、今後少子化に向かう中、どのような行政を目指すべきなのかを考えるための礎となる基礎情報的なもの。

※各回のくわしい内容は末尾をご覧ください。

 明治維新以降、大坂が大阪と地名を変え、これまでの商業都市から工業都市への変わっていく中、財政面からどのように行政を整えていくか、苦心の歴史が見て取れます。
 大坂三郷から北区、東区、南区、西区の4区が誕生し、その後大阪市が誕生する中、コレラなどの疫病の蔓延、水害の発生などに対応する必要があった。衛生的な水を供給するための水道の整備、健康・保健などの分野への対策などを行う一方、商業都市、交易都市としてのインフラ整備、つまり近代的な港湾(大阪港・築港)の建設など、多くの事業が急務であった時代。この時代は、多くの事業が必要である一方、それに応えるだけの金銭的な余裕がなく、大阪市は、さまざまな公営事業を行いながら、市民サービスと税収を確保していくという、他地域にはない行政のスタイルをとっていった。
 工業発展とともに、戦前には人口が300万人近くとなったものの、終戦直後は、180万人程度という人口減から大阪市の戦後が始まる。新たな住宅建設をはじめとする復興期では、地方自治制度、大都市制度などの自治問題と、ここでも税収が少ないという問題に直面している。
 その後、高度経済成長時代を経て、大阪市の都市計画や大都市制度など、地方自治の問題を考える講座となっていきます。今後、こうした経済、産業の推移を見るとともに、地方自治の観点からこれまでの大都市制度の検討のあり方などを並行して考えながら、今後大阪市として、どのような都市計画、自治制度のもとに、産業のあり方、市民のあり方して、どういう都市の姿が考えられるのか、ということを考察していきます。

 過去、大阪市が社会福祉や公共インフラなど、さまざまな市民サービスを行う中で、数多くの事業を行ない、事業収益で税収としていく行政のあり方は、現代にそぐわないかもしれないが、社会福祉や市民サービスのあり方として、もっと検討すべきことがあるのではないかと考えさせられる。
 つまり、どのような税の使い方を考え、社会福祉など公共性の高い市民サービスには、どのような財政のあり方が考えられるのかなど、新たなアイデアも必要となってくるのではないか。
 
 明日の行政と市民生活を考える時、今後大阪市がかかえるであろう社会課題を前提として、どのような産業育成を行うのか、どういう都市を目指すのがいいのか、また大都市制度はどうあるべきかなど、考えるべき要素が多々ある。この講座を通して、市民としてどのような大阪市になればいいかを考える、一つのヒントになれないか、と思っている。
 大阪市の歴史は、産業発展をしていく中で現在のような大都市を形成してきた。一方で、今後少子化、高齢化を要因として、人口減少が加速していく。そういう中で、産業基盤や商業、中小企業の方向性、また住民の地域コミュニティなどはどのようにしていこうとするのか。インバウンドを引き込むだけでなく、開かれた「港」をキーとして、ヒト、モノ、カネについてどのようにしていくのか。 「大阪の未来を構想する」では、この5回を通して、今後の大阪市の方向性を発想したり、模索していく講座にしたい。

第3回は、11月23日に実施します。

UCO講座「大阪の未来を構想する」行財政編パート1
大阪市行財政の軌跡とその特質を考える
第3回 高度経済成長から転換期へ-都市問題への対応と財政拡充の取組み
講師 木村 収(元大阪市立大学教授・阪南大学教授)

日時 2023年11月23日(木・祝) 13:30~16:45(13:00受付開始)
会場 大阪市立難波市民学習センター 第1会議室(OCATビル4階)
「JR難波」駅上、地下鉄御堂筋線・四つ橋線・千日前線「なんば」駅下車
定員 12名
受講料 一般3,000円(税込) 学生1,500円(税込)

お申込みはこちらから
https://ucosaka.com/course_management03/


UCO講座「大阪の未来を構想する」行財政編パート1
大阪市行財政の軌跡とその特質を考える[全5回]

第1回 戦前期の行財政-1989(明治22)~1945(昭和20)-

第2回 戦後復興期と新たな地方自治制度の対応-昭和20年代(1945~54)の市政と政令指定都市制度-

第3回 高度経済成長から転換期へ-都市問題への対応と財政拡充の取組み-

第4回 安定成長期からバブル経済崩壊後まで(1980~91)-市制100周年(1983)記念事業の策定を軸とする市政-

第5回 低成長期と地方分権改革下で混迷する市政(失われた10年・20年・30年)
△財政非常事態宣言(2002)
△職員厚遇問題と市政改革
△維新市政と都構想(2度の大阪市廃止住民投票)
△府市一元化条例


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