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大阪市をウォッチしよう!! 12 「揺れ動く夢洲IRカジノと万博」

 9月も酷暑が続いたが、ようやく朝晩は秋を感じさせてくれる。また一つ歳を重ねて「後期高齢者」に仲間入りした。体力は弱り気味だが、気力は充実している。夢洲IRカジノ差し止め住民訴訟が、重大な局面を迎えているからだ。原告として、関係資料を精査してレポートにまとめ、情報発信につとめている。


第10回復首都推進本部会議 議事次第

 大阪府市は5日、大阪IRカジノ「関連協定(案)」を公表した。酷暑のなか大阪府庁で開催された副首都推進本部会議を傍聴し、IR推進局の説明を聞いた。府庁に行くと、どうも心身とも不調になる。関連協定案で大きく変わったのは、IRカジノ開業が2030年秋頃に、事業費が約1900億円増となったことだ。会議の説明ではよく分からなかったが、帰宅してから「実施協定」骨子などを読むと、「事業前提条件に基づく解除」として、次のように書かれている。SPC(事業者)は、本条件解除期限(2026年9月末)までの間、本条件(税務上の取扱い、カジノ管理委員会規則、資金調達、開発、新型コロナウイルス感染症、財務、重大な悪影響に関する条件)のうち、いずれかが成就していないと判断する場合には、本実施協定を解除できる。この規定が問題だ。
 この9月末のはずであった「解除権」期限、開業する最終判断が、3年先まで延ばしされた。大阪府市はIRカジノ事業者の要求により、こんな曖昧な規定をのまされた。実施協定や土地契約などは、私たちの住民訴訟に大きな影響を及ぼすので、2回会議を開いて意見交換した。11日に大阪市会議長宛、大阪IRカジノ「実施協定」締結を撤回し、慎重審議を求める陳情書、大阪・関西万博の中止・延期を含む抜本的見直しを求める陳情書を提出した。21日の都市経済委員会で陳情書の審査・採択が行われ、維新の反対により「不採択」となった。リアルで傍聴していたので、怒りがリアルに膨張した。
大阪府などは8日に「実施協定案」を申請し、国は2週間後の22日に認可した。事業者は事業前提条件が成就していない現状においては、最終的な事業実施判断を行うことのできる状況にないとして、3年先まで判断を先延ばした。これが実施協定と言えるのか。国土交通省は、こんな曖昧で不透明な協定案をよくも認可したものだ。岸田政権の責任が問われる。
 9月29日には、第6回期日が行われる。住民訴訟のゆくえが気になるが、裁判後に記者会見か予定されていて、原告団として報告する。30日のイベントでも、原告団の一人として10分ほど訴える予定だ。
 夢洲で開催予定の大阪・関西万博に暗雲が立ちこめる。海外パビリオンの建設の遅れは、改善の見込みはあまり見られない。それとともに、万博の会場建設費が450億円も上ぶれし、2400億円になる見通しとされる。2度目の上ぶれであり、相次ぐコスト上昇と、地元負担膨張の構図に批判が集まる。大阪・関西万博の開催延期、中止を求める声が、いちだんと高まるのではないか。

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