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大阪市をウォッチしよう!! 13 「夢洲で揺らぐ万博とカジノ」

 国土交通省が大阪IRカジノ計画について、9月22日、大阪府市が提出した実施協定書を認可した。この実施協定書(9月5日に骨子のみ公開が認可に値するものなのかどうか。
 大阪府市の提出からたった2週間程度で、この実施協定書の内容を、だれがどういう形で審査したのか、審査の過程が明らかになっていない。闇の中で審査され、われわれには、審査の結果だけが知らされる状況にある。
 カジノ事業者が事業実施について、違約金無しで解除権を3年先まで先送りできることなど、詳細な情報について審査したのか、疑問である。
 9月末までとした実施協定の締結期限から逆算して、いつ国へ提出し、いつ認可が必要なのか、国と大阪府市が内々で決めたかのようにか進んでいる。
 事業を実施するかどうかは3年後に決めるとしているのに、土地の利用契約は先に行うというようなことは、ふつう民間の場合はあり得ない。こうしたことに国がお墨付きを与えたこと自体が裁判などの争点としても問われると考える。実施協定が結ばれたからといって、それで終わるわけではない。
 9月22日に大阪市会の都市委員会が開催された。この開催に向け、私は、「実施協定の締結をもっと慎重に審議すべきではないか」という意図の陳情書を提出した。維新の会の議員が過半数の市会では、採決で反対の態度を示され、闇に葬られた。
 2025年春から、IRカジノの工事が本格的に始めるとされている。岸田政権は、いま2025年の万博に力を入れているという姿勢を見せているが、一方では、万博の開催と同時期にカジノの工事を始めると言う。国は、本気で万博をする気がないのではないか。
 ただでさえ、アクセスが脆弱と言われる夢洲で、万博の来場者が利用する道路を、カジノの工事車両が行き交うという状況が生まれる。こういうことを平気で大阪府や市が実施協定案として提出した。ほんとうに万博を成功させたいと思うなら、IRカジノについては時期をずらすなどの配慮があってもいいとも思える。国、大阪府市のそれぞれの本気度が明らかになって来たのではないか。

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