POC (People of Color 有色人種) のファンのパネル @ EHCon Canada

「ワイノナ・アープ」コンベンション、EHCon Canada(Earper Homestead Con Canada)がカナダにて2018年8月10日~12日に開催されました。まだ2シーズンを終えたばかりでこれからS3が放送開始という時期に、番組に特化したイベントを開催すること自体、ファンの増加と愛され度がお分かりいただけるかと思います。
パネルのラインナップは、キャストはじめ、番組音楽チーム、番組ライターチーム、POCのファン、ファンフィクション、そして愛すべき悪役たちによるパネルなど。発表の時点で、参加できる人がうらやましい限りでした。ワイノナ・アープでも、もちろんPOCを意識しているし、北米以外にもアジアからブラジルから世界中にいるEarperもインクルーシブ(包括的)なファンダムですが、白人層も非常に多い。ゆえに有色人種キャラへの反応やPOCのファンの居心地(肩身が狭いとか何を言われるか怖いからと、せっかく描いたファンアートを公開せずにいるとか)などの指摘もあるようです。またエミリーが「Wynonna Earp is for everyone」と示しているように、クィア層が大きいけれど、ドクに憧れる人も、シスヘテロの男性も、さまざまな番組ファンがいるわけです。

(パネル開始は24:43あたりから。いきなりプレゼント投げ入れから) 
MCはDiana Benitezさん(ダイアナさん、ファン)、パネリストは(左から)シャンテル・ライリー(Chantel Riley、S3からのケイト役)、NJ Nic(ニックさん、ファン)、Terran Pierola(テランさん、ファン・役者)、ヴァルン・サランガ(Varun Saranga、ジェレミー役)。25分あたりから始まります。

ダイアナ(D):パネリストだけじゃなくオーディエンスからも意見があったら発言してほしいです。これから各お名前と代名詞、子どもの頃憧れていたPOCキャラ、またはいたらよかったなと思うPOCキャラを教えてください。私はダイアナです。代名詞はshe/her。憧れのラテン系のキャラはいなかったので、「ワンデイ(One Day at a Time)」のエレーナがいてくれたらよかったなと思います。

シャンテル(C):シャンテル・ライリーです。代名詞はshe/her。私はX-MENのストームに夢中でした、今でも大好き。
ニック:ニックです。代名詞はshe/her。憧れていたキャラはクレア・ハクスタブル(「コスビー・ショー」)かな。私の両親はカリブの小さい島の出身で共働きだったので、働くクレアを見て育ったのは有色人種の女性としては大事でした。

テラン(T):テランです。代名詞はthey/them。幼い頃はPOCキャラの重要性に気付いていなかったので、いま自覚して知識もあることをふまえて、ダイアナと同じ答えです。「ワンデイ」のエレーナはあの年齢でとても自覚できていて、思いやりがあり、EQも高いので、あのキャラを見て育っていたら自分のことを理解するのにそれほど苦労せずにすんだかもしれないから。あとキューバの血も流れてるから。

ヴァルン(V):ヴァルン・サランガです。代名詞はhe/him。僕も同じく子どもの頃に尊敬していたインド系のキャラは1人として思いつきません。そんなキャラが登場しなかったから。必死に思い出そうとしても、いなかったから。今やっと登場し始めたわけで、自分にはいなかったのでそれを受け止めるのに苦労してきました。

D:最初の質問は、少し難しいかも。こういう表現はしたくないですが、真のPOCレプリゼンテーションとは何ですか?個人的にPOCの何が一番大事ですか?
C:本物のストーリーを伝えることだと思います。TVでPOCでいることはもちろん、チームにPOCの脚本家がいること。同じ体験をしている人がいることが大事だと思います。白人の脚本家には書けないということではなく、その方がより掘り下げることができ、私たちの気持ちが分かるとキャラもより真に迫ることができます。
N:まずスタッフにPOCの人材がいること。もしいなくても白人の脚本家がしっかり仕事をすること。リサーチして、自分より特定の分野に関してより知識がある人を探したり、POCの人にただ教えてもらおうとするだけじゃなく模索すること。303でドックについての印象に残った台詞があって、その台詞は実際エミリーが脚本チームで、黒人の商品化(commodification)について、リアルなこととしてよく話し合った結果とのことでした。だから、もしPOCがチームにいなくてもできるだけ正しく描写することが大事です。

T:扱い方が難しいですよね。バランスが大事で、1つはキャストに多様性がほしい。でもただいるだけのキャラではあってほしくない。POCキャラについては掘り下げず、出身や肌の色なんかについては触れないということではあってほしくない。一方で、ステレオタイプな扱いもすべきじゃない。彼らの文化や肌の色をピックアップして、登場させたことを知ってね、という具合に。脚本チームのPOCに自分たちに敏感になってストーリーに組み込んでほしい。そうすればその3次元のキャラがPOCとして画面に映るんです。でも、ただPOCとして映すだけの扱いはやめてほしいと思います。

V:みんなの回答に聞き入ってて質問を忘れちゃったのでもう一度教えてください(笑)同じ回答を繰り返したくはないんですが、僕が思うに、必要とされていることは単純なメディアよりも社会的な価値を大事にするということじゃないですか。お互いをどう受け取るか。それで相互に本当の自分でいることができれば、製作にも影響する。それが何より大事じゃないかと思います。たとえば日常において、相互にそれぞれの違いを歓迎し、相手を受け止めていくこと。そこからじゃないですかね、僕たちPOCを各人種カテゴリーで括ってしまうようないわゆるホワイトウォッシングや、性的志向やジェンダーなどで括ってしまうよりもやるべきことだと思います。今やっていることよりもっと深いところから始める必要があると思います。

(注:途中までですがアップします。残りは時間と余力のあるときに、できたら。)

 

嬉しいです。ありがとうございます