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#15 乳牛の栄養管理について考える!
飼料設計時の栄養濃度について考えてみます。
乾乳編!
栄養管理の基本
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乾乳は一群管理が良いと思っています。牛は変化を嫌う動物です。私もそうですが。
乾乳後期で飼料の濃度を高めるのは分娩後の飼料への移行をスムーズにすること、分娩後の乳量を狙うなど、理にかなっていると思いますが、作業として煩雑で頭数が少ない場合は…
無事に分娩させることが乾乳期の飼料給与の目的です。目的が果たされているかを確認することが大事です。若い時は二群管理を進めていましたが、実際に一群で周産期疾病が非常に少ない酪農家さまを多く知りあ合うことが出来ました。事例があるので一群管理をオススメしています。
エネルギー
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乾乳にTMRを給与する時、オススメは低エネルギー、高センイのTMRです。だからと言って濃厚飼料を入れるなとは言っていません。エネルギー濃度の基準は牛の太り具合を見て微調整するのが良いと思います。大体の目安がありますが牛の状態で微調整していきます。
タンパク質
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これが最も重要と思っています。
ここの項目についてはCPMやAMTSという飼料計算ソフトを用いて計算するのが良いと思います。
周産期疾病がある場合は、まず泌乳期のCa、Mgを確認して低いようであれば、Ca1.0%、Mg0.3%とした後、乾乳の配合飼料のCP源を確認しCP20%以上でなければ、バイパスタンパク質を500g程度追加します。大豆粕、菜種粕ではなく、バイパスタンパク質。
500gは我が師匠がタンパク源の反応を見たい時に使う最低量で今もそれを守っていま
す。当然、その分、配合飼料は落とします。太り気味の牛群は特に。
その後、設計ソフトにて代謝タンパク(MP…ルーメン微生物由来のタンパク質+給与したバイパスタンパク質)を確認します。その時の基準は1,200g。上手く行かないときは採血し代謝プロファイルテストでアルブミン、BUN、γ―GTを中心に給与タンパク質の状況を確認します。
脂肪
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特に脂肪酸は追加しません。この時期はインシュリン分泌量が多いと思っているので…
ミネラル
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MGを0.4%以上とします。Caはイオンバランンスを計算する時は0.7%程度…!?イオンバランスを気にしない場合は0.4~0.5%程度…!?曖昧です。はっきりしていません。どなたか推奨値を教えてください。
乾乳一群管理を推奨しているので、Caはカットしません。
ビタミン
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NRC2001の推奨値よりも確実に高めますが、牛に聞いてみます。
以上、私見でした。
周産期疾病が多い時は栄養よりも【カウコンフォート】が最優先です。設計は3番目。2番目は…なんでしょう??
牛の健康と笑顔溢れる牧場を共に…