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#13 尿石症…過去の失敗と現在の対応

考えるのが最も嫌な病気…
尿石症…について…考えてみます…

若かりし頃この病気が出やすい配合飼料を作り、多くの生産者さまにご迷惑をおかけしました。そして、牛さんたちにも…
この場を借りてお詫び申し上げます。

その時に作った配合飼料です。
① CaとPの比率を1.5:1.0程度にする
② Pの軽減を図る
③ ビタミンA濃度を上げる

教科書にこんなこと書いていませんでしたっけ?純真だったあの頃…真面目に教科書の推奨に従い配合飼料を作りました…ひどい目にあいました…


なぜ、尿石症になったのでしょう?


尿石症の多くはリン酸アンモニウムマグネシウムの結晶が固まり石になったものです。何となくリンとアンモニウムイオンとマグネシウムが関係していそうです。
私見ではありますが、尿石を作る要素として、尿のアルカリ化が大きな原因と思っています。

配合飼料のCaはどこから来るでしょう?主に炭酸カルシウムですね。配合飼料の中には炭酸カルシウムの入っていいないものもあります。尿石症の発症はどうでしょう?炭酸カルシウムは何性ですかね…?


人口哺乳中、あるいは離乳直後の尿石はどうでしょう?
私は琉球大学卒業後、宮崎県の農場で働いていました。この時、子牛を担当し、この問題を抱えたことがあります。当時の獣医師は明確な回答をくれずに困ったことがあります。


今、私が話すならば…
①尿pHを測定します。アルカリ性でないでしょうか?
②代用乳の脂肪量(エネルギー)とタンパク含量を調べます。
③子牛の出生から離乳までの日増体量を調べます。体重測定です。

この3つをまず確認します。
WCS対策を行う事もこの時期の尿石症を減らすと思っています。


寄り道して、尿のアルカリ化を防ぐ資材であるカウストンについても考えてみます。
塩化アンモニウムが含まれる鉱塩です。摂取してくれると尿のpHは弱酸性に傾くはずです。

酪農における乾乳のイオンバランスを整えるDCAD(低カルシウム血漿対策)においても、塩化物や硫化物を給与し、尿pHを確認したりします。酪農ではこれらの添加剤は嗜好性の良いものでありません…
カウストンならばどうでしょうか?

乾乳牛の固形塩として塩化アンモニウム入りのものに変えた場合、尿pHに影響を与えるほど摂取するのでしょうか?また、乳熱の発生割合はどうなるでしょうか?どこかで、調べたいものです。


牛の健康と笑顔溢れる牧場を共に…

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