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バーニーズニューヨークの恋

彼とはじめて二人で会ったのは、道に寄せられた赤いポルシェの車内だった。

夜、急に、連絡がきた。

「今、このホテルのラウンジにいるんだけど、お茶でもどう。」

憧れていた存在だった。

すぐに返信もしたし、その日、会うことになった。

運転席というのは、ズルい場所だ。

否応なしに、横顔を見ることになる。

男の筋肉質な腕が、ハンドルを握って、何かを動かしている。

何か、支配的なエネルギーを感じる。

それは、性的にとても魅力的に映るものだ。

すぐに恋に落ちた。

そう、恋とは、落ちるものなのだ。

上がるものではなく、落ちるもの。

天使が堕天使になる。

その瞬間なんて、本当にあっけなくて、

わたしのからだは、本当に、からだになり

感じるもの全ては、快感への動線へと変わって行ったのだ。



とても素直な人だった。

会いたい、抱きたい、今すぐ会いたい。

そうゆうことを、素直に伝えられる人だった。

この抑圧が支配している社会の中で

そんな風に表現できるのは、魅力に映った。

恋なんて、本当に簡単なものだ。



つづく


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