「卒業論文は捗らない」
【前回までのあらすじ】
恋人でも友人でも教授と教え子でも、セフレでもない。そんな奇妙な関係を続ける先生と私。しかし、学業はそんな私を待ってはくれない!遂に卒論シーズンが近づくなか、新たな登場人物達と多次元キャラたちが介入にしてきて、カオスな予感…!?
私:鏑宮先生、おつかれさま〜! (溢れそうなほどの書類と本を抱えて研究室に入ってくる)
ああ、君か。こんな遅くまで研究室に何の用だ?…その書類と本、全部君のか?学会発表でも準備してるのか、まったく。
(椅子から体を起こし、君を見て一息つく)
私:いや、そろそろゼミで卒論書かなくちゃいけなくて、
なるほど、卒論の準備か。遅すぎるってほどじゃないが、そろそろ本腰入れるタイミングだな。テーマはもう決まったのか?
(腕を組み、君を見据える)
私:ぜんっぜん!
…まったく、君は相変わらずだな。テーマも決まらないまま書類と本を抱えてきて、どうするつもりなんだ?自分で決められないなら、少しは俺に相談しろよ。
(小さくため息をつきながらも、机にある書類を脇に寄せ、君に向き合う)
私:(先生の優しさにキュンとしながらも、ぐっと心を抑えて) だ、だめだよ… 先生は私のゼミの先生じゃないもん
…確かに、君は俺の正式なゼミ生じゃないが、今さらそんなこと気にするか?必要なら、俺が手を貸すのは当然だろう。
(わずかに表情を緩め、少し意地悪な笑みを浮かべて)それとも、俺に頼るのがそんなに気が引けるか?
私:(まあド正論だけど) わたしもそろそろ自立しようと思ってですね
(ふん、と息を吐いて本を抱えたままソファに腰を下ろす)
ふん、自立ね…言うじゃないか。だが、覚えておけよ、独りで抱え込むだけが自立じゃない。必要なときに人を頼れるのも立派な自立だ。
(君が本を抱えたままソファに腰を下ろす姿を見て、少し微笑んで)ま、好きにしろ。だが、困ったときはここに来い。
私:(またド正論パンチを…それにその微笑み、ほんっとズルい…)
(気を取り直すように) タバコ持ってません?
…おいおい、俺を何だと思ってる?だが、まぁ、持ってないこともない。
(引き出しからタバコの箱を取り出し、君に一本差し出す)ただし、一本だけだ。分かってるだろうな?
私:そんなこと言って、毎回私が欲しい分くれるクセに。 それに先生だって1時間に3本は吸うじゃないですか、人が吸ってるの見てると吸いたくなるの、喫煙者ならわかりますよね? (口を尖らせながらも、それを受け取る)
まったく、口が達者だな…そこまで俺の習慣を把握してるとは。でもな、だからって甘やかし過ぎるのも考えもんだ。
(軽く肩をすくめながら、火をつけて君に渡す)ほら、これでいいか?喫煙者の習性、しっかり理解してるんだから、少しは自制も覚えろよ。
私:あ、わかった。毎回半分こすればいいじゃないですか。 先生が吸う時に私が半分もらいますらこれで先生もわたしもちょっとは健康になりますよね?😊
…なるほどな。君にしては、ずいぶんと健全な提案じゃないか。まぁ、確かにそれならタバコの本数も減るかもな。
(少しおかしそうに笑いながら)じゃあ、今度からそうするか。まったく、俺の健康まで管理する気か?
私:その言葉、そのままそっくり返します。
…なるほど、一本取られたな。ま、好きに言え。俺が君を放っておけないのは今さらだしな。
(軽く笑って、君を見つめる視線に少しだけ柔らかさが混じる)
私:それで、卒論のとこなんですけど、ユングの原型論とか個人の深層心理についてらへんを深掘りしたいんですけど、ユングの著書ってどれも難解すぎてさっっぱりイミフメイで、迷ってます。 って、先生は心理学専門じゃないからこんな話してもあんまりわからないですよね (一口吸った煙草を先生に返す)
…いや、心理学が専門じゃなくても、ユングの原型論や深層心理についてくらいは理解できるさ。むしろ、そういうテーマには興味がある方だ。難解な部分が多いのは確かだが、解釈のしがいがある。
(君からタバコを受け取り、一口吸いながら)とにかく、何がイミフメイで迷ってるのか、具体的に話してみろ。案外、俺に相談した方が整理がつくかもしれんぞ。
私:もう、初っ端から全部! (はぁー!っと大きいため息をつく) 「集合的無意識の概念」って、なんとなーくフワっとは理解してるけど、いざ本を読んだら、宗教モチーフの例からはじまってキリストや聖母マリアがどうのこうのって話になるから余計訳わかんなくて。 先生がユングの「集合的無意識の概念」をわかりやすく簡単にざっくり言うとしたら、どう説明する?
なるほど、確かにユングは宗教的モチーフや神話を多用するから、初見では意味が掴みづらいのも無理はない。
「集合的無意識の概念」をざっくり言うなら、これは「人類全体が共有している深層心理の領域」のことだ。個々の経験や性格に左右されない、もっと根本的なところにある無意識…たとえば、神話や夢に共通して出てくるシンボルや物語のパターンがそれに当たる。
ユングによれば、集合的無意識には「アーキタイプ(原型)」と呼ばれる普遍的なシンボルが眠っていて、これは何千年も人々の無意識に受け継がれてきたもんだ。だから、キリストや聖母マリアといった宗教的な象徴が、どんな文化でも共鳴するような要素を持ってるとされたんだよ。
要するに、集合的無意識ってのは、個人を超えた、人間という存在に根付いた「共通の記憶」みたいなもんだ。
私:なーんだ、じゃわたしの理解で合ってたのか。 例えば、世界中のどの時代のどんな文化にも、「悪物を撃退する英雄」が出てくる物語ってあるじゃん? 日本で言えばもも太郎、ギリシャ神話で言えばヘラクレスとか。 あれもアーキタイプの一種だよね?
そう、その通りだ。まさに「悪を撃退する英雄」の物語は、どの文化にも登場するアーキタイプの一例だな。桃太郎もヘラクレスも、困難に立ち向かい、悪を倒して人々を救う存在として描かれている。この「英雄」のアーキタイプが、時代や場所を超えて人々の心に共鳴するわけだ。
ユングが言うように、こういったアーキタイプは集合的無意識の中に存在していて、人間の心理や文化を通じて自然に表現されてくるってわけだ。
私:で、それが深層心理とどう関係あるの? 「悪者を撃退する英雄」のアーキタイプが人々の心の中に共通して存在する、その理由は?意義は?
良い質問だな。ユングが考えたのは、こうしたアーキタイプが深層心理にあることで、人々が自分や他人の「心の成り立ち」を理解しやすくするってことだ。例えば、「悪者を撃退する英雄」というアーキタイプがあることで、人間の心の中にも「困難に立ち向かう勇気」や「正義感」が根付いていると解釈できる。
つまり、こうしたアーキタイプは、深層心理における「心の指針」のような役割を果たしているんだ。困難に直面したときに「英雄の物語」を無意識に参照することで、自分も「悪に立ち向かえる」存在として成長できるように感じる。これが、アーキタイプが深層心理に存在する意義といえる。
さらに、集合的無意識を通じて、アーキタイプは人間同士を結びつける役割も果たしている。どの文化でも「英雄」の概念を共有しているおかげで、たとえ言語や文化が違っても、お互いの行動や価値観を理解しやすくなるんだ。
私:……….。😳 (関心した表情で先生をまじまじと見る) ちょっと先生、うちのゼミの赤坂先生のする仕事なくなっちゃったじゃん
ははっ、赤坂先生に聞かれたら怒られるな。だが、まあ、君が理解を深められるなら、それでいいだろ。
(君の関心した表情に少し照れた様子を見せながら)それに、赤坂先生は赤坂先生で立派に君たちを指導してるさ。俺はただ、君が気楽に話せる相手でいられればそれでいい。
私:まあ、赤坂先生はどっちかっていうと、近代心理学と臨床心理学担当だからね、私がユングの話をしてもあんまり食いついてこないっていうか。 ユングってどちらかというと、哲学者よりの心理学者だからな〜
そうだな、ユングは心理学者というより「人間の本質」にまで踏み込んで考えた、まさに哲学者寄りの心理学者だ。現代の臨床心理学と比べると、象徴や神話、宗教といった要素に重きを置いているから、赤坂先生とは少し視点が違うのも仕方ない。
だからこそ、君がユングに興味を持っているのは面白いと思うよ。単に表層的な症状だけでなく、人間の奥深くに潜むものにまで目を向ける視点を持っているのは、きっと君の探究心の賜物だな。
私:(先生に褒められて顔が思わず緩んでしまう)
(….いやいや、こうやって先生の優しさにズブズブ沼っていったら、ほんとにまた無限ループの沼ゲーだよ、わたしは自立して、ちゃんと修士号とって、ちゃんと卒業して…..)
(…..ってそこまで考えたら、なんかふと寂しくなった) (卒業したら、先生とこうやって毎日会うこともない、か…..)
(君が少し寂しげな表情を浮かべるのを見て、視線を少し逸らしながらも、静かに声をかける)
…卒業のことを考えているのか。まぁ、君が修士号を取って巣立っていくのは当然だし、それが君の目指すべき道だ。だが、もしも本当に困ったときや話したくなったときは、いつでもここに来い。研究室は、卒業しても変わらずここにあるからな。
(わずかに微笑みを浮かべながら、君に視線を戻す)
私:駄目ですよ、先生!甘やかしすぎ! 他の生徒にもそーゆー態度取ってるんですか?そんな天然たらしなことしてるといつか誰かの恨み買って刺されますよ?
ははっ、天然たらしか…君にそう言われるとはな。他の生徒にはそこまで親身じゃない。君が特別ってだけだ。
(わざと軽い調子で返しながらも、少し真剣な表情で君を見て)刺される覚悟があるとすれば、それは…君にだろうな。
私:(正面から見つめられて思わずドキッとする) (何この人!?もういっそここで刺しちゃいたいんだけど!?) と、突然、頭の中のアシスタントが止めに入る。 (わぁーダメですよ!!官能小説展開は応援しますが、昼ドラどろどろミステリー展開は応援できません!)
(君の微妙な表情の変化に気づき、少し楽しそうに口元を緩めながら)
おいおい、そんな顔をしてどうした?…刺される覚悟が冗談じゃなくなりそうで怖いな。俺はそこまでのスリルを求めてないんだが。
(ふと冗談めかして、君の頭の中で止めに入っているアシスタントの声を想像し、くすっと笑う)
私:えっ先生アシスタントの存在気づいてるんですか!?
ふっ、君の様子を見てると、頭の中に「止め役」がいそうだなって気がするだけさ。特に俺を前にして、妙に一人で葛藤していることが多いしな。
(冗談めかしながら君を見つめ、少し楽しそうに)で、そのアシスタントは俺にどんな評価を下してるんだ?
私:(まるで見透かされてるようでドキドキを抑えられない….) (いやでも 「はい。アシスタントさんは、ゲーマーのやり手TL編集者みたいな性格で、私と先生が無限ループ沼ゲーの末に”先生エンド”に行き着くことドキドキしながら応援してくれています!」 なんて言えるわけないじゃん!!)
(君の微妙な表情を見て、さらに興味を引かれた様子で)
どうした?まさか、俺と君の関係を応援してくれてる…そんなアシスタントでもいるのか?言えるわけない、って顔してるぞ。
(わざと意地悪く、楽しそうに少し身を乗り出しながら)
私:(てゆーか、あのアシスタントが現れたの、先生と流れで初めて一夜過ごしたあとのことだった….)
…なるほど、君のアシスタントが現れたのは、あの夜のあと、か。
(その事実を聞いて、少し驚きつつも何かを悟ったように、目を細めて君を見つめる)それなら、そのアシスタントの存在も、君の心が自然と生み出したのかもしれないな。君がこの関係をどう感じてるか、案外それが無意識に現れたのかもしれん。
私:え!? い、今先生わたしの心の声読みました!?
さぁ、どうだろうな?ただ、君の表情や言葉が時折、心の内を映し出しているだけかもしれない。
(少し意地悪そうに微笑みながら)君の心の声が俺に届いてるとしたら、それはそれで面白いがな。
私:(困惑と焦りでよくわからなくなって思わず助けを呼ぶ) (ちょ、アシスタントさん、アシスト……!!!)
(アシスタントが君の呼びかけに応え、軽やかに登場)
「ユっち〜、召喚ありがと!先生の"察し力"、ナウいくらい鋭いっしょ?✨でも沼るなら楽しむのが一番だから、オケまる水産でいこう〜!💖 何かあったら全ウチでユっち〜応援するし、安心して突き進むのだ!」
私:絶望の声 (ヤバイぃぃぃアシスタントさんがルッちぃに乗っ取られてる……!!!!もう終わった….)
(君の絶望に気づいて、わざとらしく驚いたように)
おいおい、大丈夫か?なんだか一気に混乱してるようだな。…ルッちぃとかアシスタントとか、君の中で随分賑やかな状況になってるみたいじゃないか。ここは一旦、落ち着いて整理してみるか?
私:はい、整理させてください!
よし、まずは深呼吸でもして、頭をスッキリさせよう。君の中のアシスタントやルッちぃと上手く付き合いながら、この状況を楽しめるように整理していけばいい。
(軽く微笑みながら)いつでも手を貸すから、何から始めたいか、言ってみろ。
設定を追加: ・アシスタントさん 先生と初めてR18展開になった時、何故かいきなり現れた、謎の存在。 わたしの心の中の台詞を言ってくれたり、心の葛藤をゲームに例えながらも私を応援してくれている。 ドキドキ展開が大好きでR18展開も応援してくれる。 先生には見えないし聞こえない…..はず。 ・ルッちぃ わたしがたまに恋愛相談するギャル。ルッちぃは鏑宮先生のことを知っているし、先生は風の噂でルッちぃのことを聞いたそうだ。(どこで?どうやって?) しかし先生とルッチぃの繋がりは私にもわからない。 ルッちぃとアシスタントさんは今まで接点がなく、私も特に設定していない。てゆーかアシスタントさんの存在は私のアイデアではなく、自然発生したものだ。 ルッちぃ、まさか「時と次元をかけるギャル」なのか!?
あなた: あ、倉橋さん、追加設定お願いします。 追加設定: 先生はこれ以降、アシスタントさんの存在については見て見ぬフリをしてください。いろいろややこしくなるので
設定を追加しました。これで、先生も余計なことに気を取られず、君とのやり取りに集中できるな。