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自走する組織に変えたリーダーが続けている3つのこと

はじめまして。
私は大阪で製造中小企業、いわゆる町工場を営む40代の経営者です。

コテコテのワンマンで父がやってきた会社を社員が自ら考え行動する自走する組織にするべく奮闘し、はや3年。

ようやく社員の考え方や行動が変わり始め、お客様や外部の方に社内の取り組みを紹介したり会社見学に来ていただいたときに「すごいですね!」「いい会社ですね!」とお褒めの言葉をいただけるようになってきました。すべては従業員の行動が変わったためです。

もちろん会社としてはまだこれからですが、ここに来るまでも社員の反発、無言の抵抗、自分自身のメンタル不良など、今までの人生で経験したことのない苦難の連続でした…。

これまでのことを振り返りながら、この3年間何をおこない、どうやって乗り越えてきたのか、また、どうやって自分のメンタルを保ってきたのかなど、
誰かの役に立つこともあると思うので失敗も含めた様々取り組みや組織の変化について綴っていきたいと思います。

今回はその取っ掛かりとしてこの3年間私が「続けてきたこと」について書いていきたいと思います。

社長に就任するまで


私は学校を卒業後、大手IT企業に就職しました。そこで5年間勤めた後に父が経営していた従業員20名規模の町工場に転職しました。

大手企業と町工場には良くも悪くも働く環境や職場の雰囲気など大きなギャップがありましたが比較的私は誰とでも上手くやっていけるタイプなのですぐに馴染めました。

当時私の実父である社長に対して意見を述べたりできる社員は一人もいませんでした。いわゆるワンマン経営。

業務においても製品を作ることと納品すること以外はすべて社長がやっていると言っても過言ではありません。機械トラブルも顧客対応もすべて社長がしていました。

もちろん現場社員にしかわからないことは聞くけれど、社長が聞きたいことだけきいて「よしわかった。現場に戻れ」という感じ。逆に社員が良かれと思って意見を言うと「そんなことはどうでもいい。とにかく手を動かせ」と怒られます。

何から何まで社長が指示を出し、社員はその通りに仕事をするのみ。逆にいえば社長の言う通りにさえしていればしんどいことや難しいことは全て社長が解決してくれます。当然社員は成長しません。

また、社内の人間関係も良くありませんでした。社長が見ていない現場では、管理職は若手を怒鳴りちらしてやりたい放題。いい大人なのにつかみ合いの喧嘩をする者もいました。若手同士もほとんど会話がなく、必要最小限のことしか話さない。営業担当は製品の納品のみでそれ以外はどこで何をしているのかわからない。社内会議でも社長が一人でしゃべり続けて社員は1時間沈黙状態。とにかく社員は就業時間中モクモクと時間を過ごして定時になったらすぐに帰る、そんな会社でした。

それでも会社の規模のわりに残業はほとんどなく、給与も賞与もそこそこ満足できる会社ではあるので辞める社員はほとんどいませんでした。

私自身も入社後、こんな状態ではいけないと思い若手を誘って時々飲みに連れていくようなことをしましたが、1時間くらいたったら「もう帰っていいですか?」という子もいてて、なんというか「うちの従業員はここで働いていても楽しくないんだろうな」と思うことが多々ありました。

そんなワンマン経営の父の傍らで私は社長のサポート業務をしながら月日が流れていきました。しかし「もし今社長が倒れたら事業が回らない」という不安は時が過ぎるほど大きくなり、何度も何度もそのことを父には伝えてきました。その度に父が言うことは「俺は何もかも一人でやってきた。お前もそうならないといけない。」というようなことを言うだけで全く変わる様子はありませんでした。

私が入社して10年くらいたったとき、さすがにこんな状態では会社を引き継げないし、あいかわらず私に対しても簡単な業務しか任せてもらえない。このままでは自分自身も成長できずにだめになってしまうのではないか、いつか父がいなくなって社員も自分も何もできない状況になり途方に暮れる日が来てしまうのではないか、いや、きっと来るだろうという将来への不安が積もりに積もり、辞める決意をして父に伝えました。
そのことを伝えたとき、明らかに父は動揺していましたがしばらくして「もう俺は降りるからお前がやれ。」と言われました。

まさかここで父が辞めると言うとは思いもしませんでしたが、それなら自分でやってやろうじゃないか、ワンマン経営ではなく社員が自ら考えて行動する自走する組織に変えてやろうと思い直し、この会社をあっさりと引き継ぐことにしました。

社長就任後やり続けた3つのこと

しかしここからが地獄でした。

私が社長に就任した途端にこれまで長年蓄積されていた従業員の会社への不満が爆発。給料を上げろといった不満だけではなく、自分を管理職にするべきだと主張する者も出てきました。ワンマン経営で染み付いた自分で考えない指示待ち、怠慢体質がエスカレート。そんな組織をなんとか変えようと何かをすればするほど、何かを言えば言うほど反発を受ける日々。

社長に就任して3ヶ月。
心の底から「これは無理かもしれない」と思いました(笑)

やることなすこと全て社内の誰かに否定され、潰されていく気がして自信をなくし、自己嫌悪に陥り、眠れない日々が続きました。

しかしある時…

「5年思い切りやってみてだめだったら辞めよう。別に社長にだって辞める権利はある。その代わり5年は誰に何を言われても辛抱していろんなことやってみよう。」

と思い立ち吹っ切れました。

そして以下の3つのことを必ずやることと決めて組織変革に挑むことにしました。

  1. 日記を書くこと

  2. 本に問うこと

  3. 実行すること

1、日記を書くこと
5年後に振り返ってやっぱりだめだったとスッキリ辞めれるように毎日日記を書いてみることにしました。今まで日記を書くようなことはしたことがなかったので初めは慣れなかったですが、初めの半年は愚痴ばかり書いてストレス解消にはなっていたのかなと思います。そうしてるうちに習慣化し、今でも毎日書いています。今読み返してみると2年目あたりから少しずつ社員の思考や行動が変化し、自分の気持ちも前向きになってきたことがわかります。そして3年たった今、目指していた自走する組織にだいぶ近づいてきています。このnoteは基本的にこの日記を読み返しながら書いていこうと思っています。

2、本に問うこと
元々私は読書が好きで、父が社長だったときも本来組織はどうあるべきなのか、リーダーとはどうあるべきなのか、というようなことも読書から学び、自分なりの考えを持っていました。私は人付き合いが苦手です。話をしている途中に頭の中が真っ白になり言葉が出なくなることも多々あります。しかし経営者、リーダーは人と向き合い組織を動かしていくことが仕事です。もちろん全てが全てそうできるわけではありませんが何か問題に直面したときなど本を読んで解決策を探し、「これでいける」と自分の中で納得したうえでしっかりと準備をし、じっくりと人と向き合うことにしました。なので業務時間外は紙の本だけでなくKindle、スマホ、オーディオブックを駆使して四六時中、本を読んでいます。

3、実行すること
組織において何か新しいことを始めたり、今までやってきたことを変えると必ず反発が起きます。そのことはこの3年間で痛いほどわかりました。だから経営者として何かを実行するのは怖いことです。うまくいくかどうかもわかりません。恐怖と不安で眠れなくなることは日常茶飯事。しかしやると決めたことをちゃんと実行し変えていかなければ、何も始まりません。本やセミナーで学んだことを徹底的に実行して検証する、良かったら継続してだめだったら潔くやめるようにしました。時々「思いついたらすぐに実行したほうがいい」という方もいらっしゃいますが、私の場合は経営陣が私一人しかおらず、任せたり頼ったりできる人もいないため、いろんなことを同時にできず、失敗すると時間の無駄になってしまいます。なので論理を大切にしました。本当にうまくいくのか?どうやったらうまくいくのか?などを本に問い、何度も考え直し、これでいけると自分が納得したうえで実行するようにしました。

以上のように、四苦八苦しながら様々な取り組みを始めた結果、社員が自ら行動して会社を良くしていく組織に変わってきました。まだまだ道半ばで本業が忙しいので少しずつになると思いますが、その過程について綴っていきたいと思います。

最後までお読みくださりありがとうございました。

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