見出し画像

僕達のライブハウス

中学1年生の初めに古いアコースティックギターと出会った。ギターを弾き始めたのは父の影響だ。それからすぐにライブをするようになった。
歌を歌うことは昔から好きだった。声変わりする前は、どんな歌の上手な歌手の歌を聞いても、自分が1番上手いと思っていた。初めて買ったCDはサザンのTSUNAMI。
父の影響でフォークソングをひたすら聞いていたが、アコギに触れるようになってゆずにハマった。
ゆずのコピーをするユニットを結成し、オリジナルも作るようになった。とにかく爽やかなフォークデュオだった。ライブハウスにも行くようになった。
高校で歌の上手い同級生とバンドを始めた。ELLEGADENに出会ってエレキギターを弾くようになった。それからはしばらくバンド、バンド、ライブハウス、ライブハウス。お酒も先輩も後輩も、ライブハウスで覚えた。県外にもライブに行くようになったが、しばらくして解散することになった。バンドでは作詞作曲はしていたが、歌は歌っていなかった。
1人になって、1人で歌ってみようと思った。エレキギターをアコースティックギターに再び持ち替え、曲を書いた。
ライブハウス育ち、バンドの仲間が多かった。対バンは基本的にバンドが多かった。バンドに混じって1人だけ弾き語り。それも僕は嫌いじゃなかったし滾った。だけど、曲が弱いなと思うようになった。バンドに負ける、埋もれると思っていた。
1人でも突き抜けていけるような強い曲を書きたいと意識して書いたのが、「シングルマザーの子」という曲だった。覚悟を決めた。
「替わりに全部、話してあげる」というタイトルのCDをリリースした。自然としっくり来た。誰かが言えない事とか、内緒にしていることを替わりに歌ってあげたいと思った。だったらまずは自分からと、自分の事も全部歌うことにした。
ヒグチアイという最高のシンガーと出会った。アイちゃんが弾き語りのシーン、僕の知らない新しい世界に連れて行ってくれた。そこで全国旅するミュージシャン達に出会って、弾き語りの凄さを知った。JAPAN FORK SPIRIT、GO AROUND JAPANに呼んでもらえるようになった。狭い世界だけだった僕には、本当に刺激的だった。
色んなあんたのことを歌うようになって、色んなあんたから相談とか話しを聞かせてもらう機会が増えた。
親が片親でライブハウスの音楽が全てだった子もいるし、独立資金を貯めるために風俗で働いてるけど辞めれなくなった子、明日死のうと思っていたけど、たまたま入ったライブハウスで僕のライブを見てもう少し生きることにしましたと言ってきた子もいた。
東京のライブハウスで、僕強くなりたいんですけど、どうしたらいいですか?と声をかけてきた高校生。少し酔っ払ってた僕は、格闘技とか柔道、スポーツなんか始めてみたら?心も身体も強くなるよ。と少し適当に答えてしまった事があった。数ヶ月後同じライブハウスで、松葉杖をついて父親と現れた彼、父親から、お前が柔道始めたらなんていうから息子が怪我をした、どうしてくれるんだ?と言ってきた。色んな人がいる。
中でも1番多いのが不倫だ。不倫のカミングアウトが昔から何故か多い。先日も、今日一緒に出てたバンドの〇〇と実は不倫してて、とその日の対バンの方との不倫関係をお初のお客さんからカミングアウト。とりあえず詳しくと、じゃあ歌わせていただきますと、ライブハウスにはたくさんドラマがありますね。
そんなこんなで新しい曲を書きました。
全てのバンドマン、ツアーミュージシャン、不倫にどっぷり浸かってるあんたに捧げます。

火種は隠して/ウチヤマコウタ

いいなと思ったら応援しよう!

ウチヤマコウタ
よろしければお気持ちお願いします。

この記事が参加している募集