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英国・ワイト島のオズボーン・ハウスへ行くまで

映画「ヴィクトリア女王 最後の秘密」(2017年 ジュディ・デンチ主演)を観た方の中には、女王が夏の離宮として使っていたワイト島のオズボーン・ハウスと、インドのタージマハールに一度行ってみたいなあと、思った人も多いのではないでしょうか。

イギリスのワイト島は、お決まりのツアーのコースには普通入っていないので、何か具体的な目当てがないと行かない所でしょう。

ヒースローに着いた翌日、英国滞在2日目に、さっそく行ってみることにしました。Google 経路のご指導に沿って、いくつもの交通手段を使い、半日以上かけてたどり着きました。日帰りにするのはもったいないと思いつつ、まだ9月で日もなかなか暮れないだろうから夜も有効に使えるので、弾丸日帰りオズボーン・ハウス・ツアーとなりました。

ワイト島はロンドン南西部ポーツマスの対岸の島

乗り物マニアの方は、ボーツマスからホバー・クラフトに乗ってワイト島に渡るという方法を取ると思いますが、今回はサウサンプトンから普通のフェリーで渡りました。

実は、ヴィクトリア女王は、ロンドンからオズボーン・ハウスへ移動する際には、蒸気機関車でサウサンプトンまで行き、船でワイト島に渡って、馬車でオズボーンへ行ったそうで、それとほぼ同じルートをたどります。

実際に行った経路を紹介します。

泊まっていたホテルは、ヒースロー空港直結のSofitel London Heathrow。なのでヒースローT5駅から出発です。

1)ヒースローT5 駅→ヒースロー・エクスプレス(約20分)で、ロンドンのターミナル駅の一つ パディントン駅へ

20分乗って25ポンド(5,000円弱)



2)パディントン駅 → レディング(Reading)駅へ (列車で約25分)

GWRという鉄道会社の列車でPaddington駅 →   Reading 駅

ブリットレイル・パスの1等をとったので、1st classの車両は1両しかないけど、空いていて快適。さらに、ワゴン車で、ソフトドリンクやスナックを無料で提供してくれます。紅茶とクロワッサンをもらいました。

パディントン駅の時計がクール
紅茶の他に、ペットボトルの水ももらいました
ドイツの高速鉄道ICEにも劣らぬ快適さ

列車内では、必ず「チケット・プリーズ」がきます。ブリットレイル・パスは、スマホに載せられるモバイル・パスの方が、紙のパスより安いし便利だと思います。


3)レディング駅 → サウサンプトン・セントラル駅へ (列車で約1時間)

Cross Countryという鉄道会社の列車で、Southampton駅へ

4)サウサンプトン・セントラル駅前 →   Red Jetフェリーの乗り場 
(バスで約5分だけど、駅からバス停までも、降りたバス停からフェリー乗り場までも10分かかった)
ここを歩くと30分かかると出たのでバスにしました。

5)Red Jetのターミナル →  ワイト島のターミナル (船で約30分)

「船の中のトイレは使えないので、このターミナルのトイレを使用してください」
見逃すところだった

ワイト島に渡るフェリーは地元の人ばかり。

6)フェリー・ターミナルから、徒歩25分で、次のバス停(Well Road)へ

  このルートをGoogle Mapの徒歩経路でみると、どう見ても海の上にルートがあり、航空写真の地図を見ても橋がかかっている様子はない、これは海の上をどうやって歩くのだろう、と不安と??を抱きながら歩いていくと、「Floating Bridge」という看板が見えました。

金属製の門扉から乗り場へ

Floating Bridgeとは、浮いている橋でなくて、ごく小さなフェリーだったのです。フェリーですから料金が必要です。片道1ポンド、往復1.5ポンドでした。乗る人は数人でしたが、自動車は10台以上が乗り込んでます。

Floating Bridgeが運行するのは、ワイト島の北部のカウズ(Cowes)からイースト・カウズ(East Cowes)で、フェリーの乗っているのは数分です。

幹線道路を結ぶフェリーらしく、20台近くの車が搭載しての運行です。

ただの小さいフェリーですが、これをBridgeと名付けたのには歴史がありそうです
1859年に蒸気船が運行開始したそうです。

このフェリーはチェーンフェリーとういうシステムで、フェリーが川の両岸に固定したチェーンがつながり、チェーンが動いてフェリーも動くとのことですが、見た感じでは自分のエンジンで動いているように見えました。

フェリーのエンジンとチェーンの両方で動いているのです。

7)バス停(Well Road)から オズボーン・ハウスのバス停へ (10分弱)
  オズボーン・ハウスというバス停からすぐに、入口の門がありましたが、そこを通っても建物は全く見えません。こんな経験はオックスフォード郊外にあるチャーチルの生家の宮殿「ブレナム・パレス」に行ったとき以来です。

いわゆる「drive」です。英国の私邸で、門から邸宅までの道を指す言葉です。

ヒースロー空港駅を午前9時過ぎに出発して、やっとオズボーン・ハウスに着きました。14時近くでした。列車3つ、バス2つ、フェリー2つと徒歩を駆使しました。

バス料金はコンタクトレス(Contactless)で支払いです。日本でいうタッチ決済です。クレジット・カードかスマホ(Apple Payなど)で、ピッとするだけです。現金を払って乗る人は、1割もいませんでした。

今回の旅行で「現金お断り」という店は地方でありましたが、コンタクトレスで支払えない所はありせんでした。

フェリーは窓口でチケットを買いましたが、コンタクトレスです。Floating Bridgeは、フェリーの乗り場に係りの方が立っていて、小さいコンタクトレスの受け器を持っていました。


オズボーン・ハウス見学記は、次回の記事にします。

ここに来るまでに老体には疲れました。でも、7つの公共交通機関を利用しましたが、ほぼ時刻通りでした。これは、偶然なのかどうか、英国全体に一般化することはできませんが、ストレスなく乗り継ぐことができたのはよかったです。

最後に、今回の訪英で気づいたことですが、10年前に英国来た時と比べて、自転車専用レーンが格段に増えました。特にコロナ以降、自転車のインフラへ整備の予算が大きく増えたそうです。

列車内で自転車専用のストレージがありました。

予約が必要、とのことです

日本で自転車通勤や専用レーンが増えないのは、雨が多いからですか。それとも都市部で電車が便利に利用できるからでしょうか。

この自転車の固定ラックは、大型スーツケース置場でもあります

やはり、CO2排出量を非常に意識して交通手段を選択する時代になっていると感じました。

1時間の飛行時間の飛行機に乗る、自家用車(ガソリン車)に乗って長距離移動するなんて、もってのほか、という時代です。

オズボーン・ハウスとバッキンガム宮殿の訪問記はこちらの記事です。

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