ノイシュヴァンシュタイン城に行ってみた
世界で最も有名な城の一つ「ノイシュヴァンシュタイン城」(ドイツ)に行ってみました。
多くの日本人は、日本からの団体ツアーに参加して、あるいは現地発の日帰りツアーなどを利用して訪れる人が多いと思います。
ゆっくりと自分のペースで、ノイシュヴァンシュタイン城やその周辺を楽しみたいと思い、城の麓の村シュヴァンガウのホテルに2泊する計画を立てて、ホテルも城も飛行機も個人で予約してみました。
【 ノイシュヴァンシュタイン城の予約 】
最も予約が集中していて、見学の日程や時間が限定されるのが、ノイシュヴァンシュタイン城だと思われます。特に8月などのバカンスの時期は、1ヶ月先まで埋まっていることもあるようです。城の公式サイトから予約してみました。
ノイシュヴァンシュタイン城の公式サイトのリンクはこちら ↓
【 ホテルの予約 】
シュヴァンガウ地区のホテルでオススメは、ホテルミュラー(Hotel Müller)です。ホテルの前に、ノイシュヴァンシュタイン城に行く馬車の停車場があります。ホテルでノイシュヴァンシュタイン城のチケットや、馬車の手配もできるとのことです。
ホテルは、トリップドットコムなどの旅行サイトからも予約ができます。
【 飛行機の予約 】
私の場合、飛行機はまず直行便でミュンヘンに入りました。ミュンヘンに2泊してミュンヘンの街を観て、ミュンヘン中央駅から列車でノイシュヴァンシュタイン城の最寄駅のフュッセン駅へ向かいました。列車に乗っている時間は、2時間半くらいです。フュッセン駅からは、路線バスでホテル近くのシュバンガウのバス停までは15分程度で行きます。ミュンヘンからホテルミュラーまでは、全部で約3時間の所要時間です。
飛行機のチケットは、SkyscannerやGoogle フライトなどのサイトから、安い便を見つけることもできるし、ANAやJALなどの公式サイトからも予約ができるし、Trip.com(トリップドットコム)や Booking. com(ブッキングドットコム)などの、OTA(オンライン・トラベル・エージェント)も、百花繚乱のようにWeb上にあります。
【 ノイシュヴァンシュタイン城へ 】
シュヴァンガウ村からノイシュヴァンシュタイン城までは、徒歩で上り坂を約40分か、バス10分か、馬車で20分の3つの方法があります。
私は貴重な機会なので、馬車を選択しました。ホテルミュラーに手配をお願いしました。馬車といっても乗り合い馬車です。
私にとって、もしかしたら、これが人生初めての馬車体験だったかもしれません。
私が馬車に乗った途端に、左側の馬がウン◯をしました。これは強烈でした。間近かに見てしまったのです。ドライバーさんが、きちんと後始末していました。ウン◯を受けるバケツが、お尻の下に下がっているのですが、半分くらいがこぼれ落ちていました。
ノイシュヴァンシュタイン城までは、坂道ばかりです。馬車はゆっくりパカパカと、木々に囲まれた山道を登っていきました。
城の正面が木々の間から見えてきたら、到着です。陽の光が城壁に眩しく反射していました。
空の青、城壁の白、周囲の木々の緑、この3色の組み合わせを、城を建てたルートヴィッヒ2世は、計算していたのかもしれません。
入場は時間帯指定です。見学者は、まさに世界中から集まっているという印象でした。
城内部の見学は約1時間。内部の撮影をするには申請する必要があります。許可されるかどうかはわかりません。
城の内部に入ると、ルートヴィッヒ2世が考えていた、現実とも空想とも判別つかない異界に足を踏み入れることになります。城の内部というより、別世界を旅しているんだと自分に言い聞かせると、彼の考えていたことが少し理解できるかもしれません。
では、城を出て絶景ポイントのマリエン橋に向かいましょう。道案内に従って徒歩15分です。回りの見学者も同じ方向へ行きますので、迷うことはありません。
マリエン橋へ向かう途中にも、絶景ポイントがあります。
マリエン橋は、混雑の時期には入場制限があり、待つこともあります。この吊り橋は、高所恐怖症の人には、少々キツイかもしれません。
城の中からマリエン橋を見ると、下の写真のようにこんなに小さくしか見えません。いかに城が大きいかが分かります。
【 ノイシュヴァンシュタイン城と姫路城 】
マリエン橋から、ノイシュヴァンシュタイン城を見ていたら、日本のある城が思い浮かびました。ノイシュヴァンシュタイン城を、ドイツの白鷺城と呼んでもいいなと感じました。調べてみると、ノイシュヴァンシュタイン城には、白鳥城という別名があるということが分かりました。
観光資源として2つとも大きな価値がある、ノイシュヴァンシュタイン城と姫路城には、大きな文化的な違いが1つあります。
姫路城は、1993年に法隆寺とともに、日本で最初に世界文化遺産に登録されました。
それに対して、ノイシュヴァンシュタイン城は2024年現在、世界文化遺産には正式登録されていません。
でも、ドイツ観光局の発表によると、ノイシュヴァンシュタイン城を含むルートヴィヒ2世のお城(リンダーホーフ城やヘレンキームゼー城など)が2024年2月に、世界遺産委員会に登録申請されたそうです。
来年2025年に正式登録の可否が、世界遺産委員会で審議されることになります。
でも、なぜ今ごろになって、登録申請したのでしょうか?
ノイシュヴァンシュタイン城の周辺で、ゴルフ場や複合商業施設の建設計画が持ち上がったことが、きっかけのようです。
こんな美しい景色を見ると、ゴルフ場を作りたくなるデベロッパーがいるでしょうね。
ノイシュヴァンシュタイン城から麓のシュヴァンガウ村に降りてきました。
アルプ湖畔を歩いて、北海道の支笏湖や十和田湖を思い出しました。
朝の6時前にも湖畔を散歩したのですが、泳いでいる人が数人いました。水、冷たくないですか、と尋ねたら、毎朝、泳いでいるから慣れている、との返事でした。水に触ってみると、かなり冷たかったです。
日帰りツアーだったら、こんな早朝散歩もできないですね。
麓のシュヴァンガウは、日中は日帰りツアーの観光客で賑わっていましたが、夕方になると、駐車場に数多く並んでいた観光バスもいなくなり、村は静けさを取り戻していました。
シュヴァンガウの広場に立っているメイポールをゆっくり眺めてみました。
メイポール(Maypole)は、「五月柱」とも呼ばれ、樹木には農作物を育てる力が宿るという信仰に根ざすものだそうです。
「狂王」という異名を持つ、ルートヴィッヒ2世が残した、ノイシュヴァンシュタイン城。世界遺産に登録されなくても、人類が滅びない限り、おそらくこの世から消えることはないでしょう。
でも、バーミヤンの巨大仏像は、タリバンに破壊されました。ロシアによるウクライナ侵攻や、イスラエルによるガザ地区への過剰攻撃を見ると、ノイシュヴァンシュタイン城が破壊されることは絶対ない、などとは言い切れないかもしれません。
人類は、破壊や虐殺、戦争を大昔から繰り返してきました。人類は少しも賢くなっていないと思います。
シュヴァンガウのホテルミュラーに2泊して、ゆっくりノイシュヴァンシュタインを観た後は、フュッセンから、オーストリアのインスブルックに列車で移動しました。
インスブルック滞在については、また別の記事で報告します。
2度、冬季オリンピックが開催され、ハプスブルク家の王宮があり、神聖ローマ帝国の中心都市の一つで、チロルの山々と街並みの取り合わせが美しい街です。