ロッテルダムのキューブハウス訪問
オランダ第2の都市ロッテルダムは、第2次世界大戦中ナチスドイツの激しい攻撃で壊滅的な打撃を被りましたが、戦後の復興の中で独創的なデザインの建築物がこの都市の中に点在しています。
キューブハウスもその一つ。設計者はピエト・ブロム(Piet Blom)(1934-99)です。1戸あたりのキューブの大きさは、100平方メートル、400立法メートルで38戸あるのとのこと。敷地内には緑の植栽もあり、私は子供の頃に作って遊んだ、秘密基地のつもりのツリーハウスを連想しました。
キューブの内部がどうなっているのか、見たいものです。実は公開されているキューブハウスもあるので、見学してみました。3ユーロです。
立方体のような住宅が斜め45度になって並んで建っているようですが、実はもう少し傾いた53.5度とのこと。中に入ると屋根裏部屋のような感覚もありますが、コンパクトで機能的にできていてすぐに「住めば都」となるような気がします。
内部では意外と違和感なく過ごせるような気がします。斜めの壁や天井をうまく利用していて、すべて家具は埋め込み式です。天窓のようなガラス天井の外からの掃除はどうなるのかという質問には、雨を待てとのこと。
キューブハウスからは、隣のブラークタワー(Blaaktoren)も見上げることができます。ピエト・ブロムによる設計です。もちろんキューブハウスとの調和を考慮した、五角形のペンシル型です。
発射台に設置されたロケットのようにも感じられ、気に入りました。
オランダのヘルモント(Helmond)にピエト・ブロムによる元祖キューブハウスがあるそうです。そこへは未訪問です。
キューブハウスの下は、トラムも車も通過します。このように常識を覆す発想やデザインができる建築家のことは、奇才と言ってもいいのではないでしょうか。