インバウンド客のお困りごと ランキング第1位は? イギリスで○○を見かけたら、通報してください
2024年のインバウンド客(訪日外国人観光客)の数は、3600万人を超えた、というニュースが最近流れました。米国人旅行者が、“日本の物価はアメリカの半分です“、とインタビューで言っているのをテレビで見たことがあります。
テレビでは、日本のすごいところばかりが強調されているような気がしたので、訪日客が、日本でどんなことに困っているのか、調べてみました。観光庁が、2023年11月〜2024年11月にかけて調査した結果です。
訪日外国人に聞いた、日本のお困りごと ランキング
困ったことがない、と答えた人が30%近くもいる、というのも驚きです。
第1位の「ゴミ箱の少なさ」ついては、私もたまに不便を感じることがあります。駅などで小さなゴミを捨てたいと思っても、駅にはまずありませんね。家に持ち帰るべきなのでしょう。
街中にゴミ箱がない国
日本のように、街中にゴミ箱が見当たらない国は、他にあるのでしょうか。
シンガポールは、かなり少ないと言われています。政府が、ゴミのない社会 “Zero Waste Nation”を目指していますが、私は、残念ながら行ったことがないので、肌感覚がわかりません。東京23区とほぼ同じ国土ですから、ごみゼロを目指すのは、当然のことなのでしょう。
ヨーロッパの観光立国スイスも、街や景色がきれいなイメージがありますが、実際には、街中にけっこうゴミ箱がありました。
場所にもよりますが、ゴミ箱があるにもかかわらず、散らかっているという風景にも出会いました。ゴミ箱あるからといって、街がきれいになる、というわけではないですね。
アメリカのカリフォルニア州に45年間住んでいる日本人で、昨年、18年ぶりに日本に一時帰国したYouTuber(桑港たかし)さんの動画を見たのですが、街中にゴミ箱が少ないことに驚いたと言っています。
また、あるフランス人のYouTuberは、街にゴミ箱がないのに、なぜがゴミが落ちていないの? と疑問を呈していました。
なぜ、いつからゴミ箱は消えたか?
日本の街からゴミ箱が大幅に消えたのは、おそらく1995年のオウム真理教事件がきっかけだったと思います。公共の場のゴミ箱が、テロの標的になりかねないと指摘されて一気に消えていったように思います。
ゴミ箱ないのに、ゴミが散らかっていない!
加えて、日本人は、小学生の時の遠足などで指導された、
「ごみは持ち帰りましょう」
「来たときよりも、きれいに」
という教えが、かなり定着していることも、大きな要因でしょう。
サッカーW杯での日本人サポーターが、試合後に席周辺のごみを集めてから帰る、ということが注目されたことで、日本人のきれい好きは海外でも知られるようになりました。
さらに、3RやSDGsなどの環境意識の高まりも、影響していると思います。
不法投棄は罰金ですよ、と注意書きがあるのに、ゴミ箱のそばに大きなゴミを捨てる、というかなり挑戦的な行為ですね。
日本だって、散らかっていることあるよ
日本でも、ゴミ箱ゴミがあふれている風景に出会うことはありますね。
九州の太宰府天満宮に行ったときのことですが、参道は日本人や外国人の多くの観光客で賑わっていました。食べ歩きをしている方も見かけましたが、参道にはゴミはほとんど落ちていませんでした。
食べ歩きの食品を提供しているお店には、ゴミ箱が設置されていますので、そこに捨てるのがマナーですね。
駅近くの公衆トイレに入ったら、そこに設置されたゴミ箱には、食べ歩きで使った容器や近くのファーストフードの容器などのであふれかえっていました。日本でもこんな風景に出会うことがあるんだ、とちょっと残念な気持ちになりました。
おそらく、参道で食べ歩きをして駅にきて、容器を持って電車に乗りたくないので、数少ないゴミ箱に集中してしまった、ということでしょう。
ゴミ箱のゴミがあふれないようにするには
このような事態が起こらないようにするには、1つには、ゴミ箱を設置した人や組織は、責任をもってゴミ箱のゴミの片付けもすべきですね。また、食べ歩きをする人は、ゴミは買った店のゴミ箱に捨てるか、持ち帰るべきでしょう。
さらに、公共のゴミ箱に捨てる場合でも、ゴミがあふれている場合は、その周辺に捨てない、などのマナーを守るべでではないでしょうか。
日本は、自販機だらけ
前に触れた、桑港たかしさんは、18年ぶりに日本に一時帰国して、街中の自販機がふえたことにも驚いていました。缶やペットボトルの飲料水の自販機のそばには、たいてい専用のゴミ箱が用意されています。たまにそのゴミ箱があふれかえっている風景を見かけることがあります。やはり、自販機のごみ箱についても、設置者が責任もってゴミ処理をするべきです。
訪日外国人のお困りごとの第1位が、「ゴミ箱が少ない」ということであっても、これ以上、街中にゴミ箱を増やす必要はないと思います。もし、新たにゴミ箱を設置する場合は、設置者が責任をもってゴミ処理も行う、ということを徹底すればいいと思います。
日本にはない、イギリスのゴミ箱
最後に、日本では見かけたことはないけど、イギリスには公園などで、かなり見かけるゴミ箱が、下の写真のようななゴミ箱です。
“Dog Waste Only” や “Dog Waste Bin”と書かれているゴミ箱ですね。
さすが、愛犬の国ですが、このゴミもきちんと処理されているのでしょう。でもどのように処理されているのでしょうか。
犬のフンは、どう処理される?
ちなみに、私の住む自治体のゴミ分別で、「犬のふん」の捨て方を調べると、“トイレに流す“ ということでした。犬の散歩中に出たものは、持ち帰ってトイレに流す、ということです。
調べてみると、イギリスの犬のふんのゴミの多くは、一般可燃物として焼却処理されているようです。
また、バイオガスプラントに送ってメタンガスを発生させて、発電に利用したり、堆肥(コンポスト)として再利用しているケースもあるようです。
イギリスの犬のふん処理事情を調べていて、驚いたことがあります。
犬のフンを放置すると、罰金!?
これは、ウォーリック城があることで有名は、ウォーリック行政区のHPです。
飼い主が、分の処理をしない場合には、裁判所で起訴されて、最高£1,000(約192,000円)か定額罰金が課せられる、ということです。
さらに、びっくりしたことが、犬のフン処理罰金のあとに、書いてあったことです。
犬のフンを放置すると、通報される!?
もし、ふんの処理をしないで、公園などにそのまま放置する人を見かけたら、通報してください、とあって、メールと電話番号が書いてあることでした。
日本には、このような通報するというやり方は、なじまないような気がします。
イギリスには、動物虐待の通報制度があるということは、知っていましたが、このような“糞処理違反の通報制度“が、実際にはどのように運用されているのか、知りたいところです。