新たな日々、新たな世界を、ともに生きる。
といろゼミ第1回のゲストは、造形作家やイラストレーターとしてご活躍されている加藤さんとそのご一家。
加藤さんは、学生時代から学生運動にも参加するなど、幸福で平和な社会のあり方を、生き様や実践を通して問い続けてきた方です。
お話の焦点は、「無所有・共用・共活」を原理にした共同体(コミューン)に、ご家族で入会され、そして退会に至ったご経験について。
世の中がバブル経済で浮き足立っている時代の中、まさに実践を通して、「幸せな生き方・共同体のあり方」を探究されました。
当時の大変な葛藤も含めて語ってくださり、 加藤さんご一家の物語から見えてきた生き方、コミュニティのあり方について、筆者なりにまとめていきます。
人と人が直接つながることが大切。
理念でつながる組織や、メンバーが固定化した共同体には、階層関係や同調圧力が生まれてしまいます。組織の枠組みではなく、人としてつながっている関係性が豊かに生きる基盤となるのでしょう。
幸せは、観念の中には存在しない。
「幸せであること」と「これが幸せ」という観念に囚われていることは違う。 誰かが“理想社会”を構想すると、「これが幸せだ」という観念を生み出します。しかし、その観念に基づいて生きることと自分が幸せに生きることはイコールにはなりません。では、幸せとは何でしょう。古今東西、色々な議論があります。一つには、世間や他者の観念に従うのではなく、自分なりに価値観を形作り、新しい環境や日々を体験すること、体験し続けること。そのプロセスに、人は生きる楽しみや喜びを見出していくのでしょう。
新しい体験を、ともに生きる。
そして、そのようなプロセス、新しい環境や経験を共にして喜怒哀楽を分かち合ってきた加藤さんご家族には、一つの幸せな共同体が垣間見えました。
「新たな日々、新たな世界を、ともに生きる。」
加藤さんご一家の物語から、そんな生き方やコミュニティを大切にしていきたいと思いました。
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