GWとカエル
私は、農家の家に生まれた
小学生の時から、5月の連休はゴールデンな週とは言えない
なぜなら毎年、田植えの時期がGW(ゴールデンウイーク)なのだ
週明けになると周りの友達は、両親と遊園地へ出かけた話、デパートに買い物をした話、親戚のうちへ遊びに行った話で盛り上がる
私はというと、毎年田植えの手伝いをする
というか、家族皆田植えをするので子供も一緒に出掛けるとしたら
そこは田んぼしか選択の余地はない
それが嫌で嫌で仕方がなかった
3月の雪解けの時期から準備を始め
ビニールハウスをきれいに直し、土を箱に詰める流れ作業
そしてそこに種をまく
暖かいビニールハウスの中の温度調整を毎日気にしながら
大事に大事に育てる
青々と生い茂り、GWの時期がやってくる
そう、田植え記念日だ
横目で、何度も何度も見てきたが
一生懸命に見て覚えたわけでもなく
またやってるんでしょ的な感じだ
重たいし汚れるし楽しいと思ったことは一度もない
大人になったら絶対にしないと思っていたが
気づいたら農家の家に嫁いでいる
人生こんなものかと、納得させる
田植えをすると、川から沢山の水を送る
するとカエルの合唱が始まるのだ
窓を閉め切ってもとにかくあちこちで
精一杯の生命力を発揮して歌ってくれる
若い時は、またかうるさいと思っていたが
今では、風物詩と感じるようになり
そう思っていた自分を懐かしく感じる季節なのだ
私も年をとったのだ