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【映画感想】ルーム


心のゆとりが出来たことで
大好きな映画鑑賞の時間が
取れるようになって嬉しい。

気になってはいたが
観れてなかった作品を観た。

壮絶なヒューマンドラマ
『ルーム』


『ルーム』(Room)は、2015年にカナダ、アイルランド、イギリス、米国で製作されたドラマ映画。フリッツル事件を基に書かれたエマ・ドナヒュー(英語版)の小説『部屋(英語版)』を原作としている。
7年前から施錠された部屋に監禁されているジョイと、彼女がそこで出産し、外の世界を知らずに育った5歳の息子ジャック。部屋しか知らない息子に外の世界を教えるため、自らの奪われた人生を取り戻すため、ジョイは全てをかけて脱出するが……。

監督:レニー・エイブラハムソン
脚本:エマ・ドナヒュー
キャスト:
ジョイ:ブリー・ラーソン
ジャック:ジェイコブ・トレンブレイ

下記ネタバレ有り


なんとも胸が痛くなるストーリー。

5歳の男の子ジャックは、ママと一緒に6畳の「部屋」で暮らしていた。
最低限の設備と高い天窓だけある部屋は、ふたりの全世界。
日曜日の夜に差し入れを持ってくる謎の男性。
もちろん差し入れだけで終わるはずはなく、
男が来る時はクローゼットで寝かせられるジャック。
差し入れも十分ではなく栄養が足らないジャックは、5歳になってもなお母乳を飲む。
この時点でもう心がギューっと痛い。

5歳になったジャックにママのジョイは、外の世界があることと17歳の頃誘拐されてそれから7年もの間監禁されていると。
そこから、脱出を試み、ヒヤヒヤしながらもなんとか成功する。
ジャックとの会話をヒントに監禁されていた場所を特定した婦人警官が優秀すぎる。
監禁男を捕まえママが助かり一件落着かな?
と思いきやそこからのマスコミや現実世界への適応などのリアルな問題が。

こんな過酷な運命は、まさか実話...ではないよね?と調べるとフィクションではあるものの
実際にあった「フリッツル事件」というものを
基に着想を得たとのこと。
しかも、「フリッツル事件」は、この映画よりタチが悪く最低。
24年間実の父親に自宅の地下室に監禁され、
父親との子供を何人も出産していた。
しかも、母親はその事実を知らずに養子の子として育てている。恐ろしすぎる。

とにかく胸を痛める内容だが、単純な脱出劇ではなくその後の現実をしっかり描けているのが刺さる。

と、ジャック役の子役の繊細な演技が素晴らしい。階段を知らないから、上り方下り方の不自然さとか。ありえない嫌だと感じながらも適応していく純粋な感じとか。
逆に7年間、隔離されていたことで現実に適応できないママの心の壊れ方もリアル。

ハッピーな映画ではないけど、観てよかった作品のひとつ。



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