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日曜日のクルーメイト#0039 いざ水戸へ 『光圀伝』と『剣樹抄』
もうすっかり月曜日になってしまいましたが、皆様はどんな週末をお過ごしでしたか? 冲方は『光圀伝』から『剣樹抄』に至るまで、作品作りの閃きを与えてくれた水戸の地に久々に足を運んで参りました。
自由に移動できることのありがたみに感謝しつつ、当日の様子などをご紹介。
茨城県立図書館にて講演
なんとも大きな図書館です。
もとは議会のための建物だったそうで、実に立派!
入り口からしてひと味違います。ランプと像がホグワーツみたい、と喜ぶ担当たち。
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一階には星乃珈琲店が入っており、図書館内の図書を貸し出し手続きなしで持ち込めるとか。近所にあったら入り浸りそう。
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お洒落な総合カウンター。ここで図書を貸し出しするんですね。昔の銀行や駅の窓口のようなしっかりした造りです。お店などの描写の参考になりそう。
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今回、講演の会場となりましたのは、もとは議事堂であったという広々とした部屋。
二階には傍聴席があり、議員席ともども、今は客席となっております。
客席の配置が幾何学的で、壇上にいると、まさに議長席にいるという感じがひしひし。空間がいかに人の心に影響を与えるかを実感します。これまた描写の参考になりそう。
講演内容は「物語とは何か」ということについてお話させて頂きました。
経験や因果関係といったキーワードをもとに、物語にふれるとはどういうことかを、ご来場頂いた皆様とともに思案して参りました。
熱心にメモをとられる姿が至るところで見られ、学びに熱心な風土が脈々と受け継がれているのだなあと感心させられます。
司会進行はアナウンサーの鈴木もえみさん。
質疑応答にご参加下さった皆様ありがとうございました。
非常に楽しく講演させて頂きました。
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図書館員の皆様とアナウンサーの鈴木さん(中央)と記念写真。
大変お世話になりました。楽しいひとときをありがとうございます。
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帰り道で見た「らくがきバス」にびっくり。
みんな大好き、らくがき! 子どもらが大喜びで描きつけている姿が目に浮かびます。
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大人たちはこちらに大喜び。
「いい日旅立ち」に「汽笛」。旅情が満載。
窓の外の夕暮れ空を眺めながら、車中で一杯、なんてことができるのも久々です。この平和が続いてほしいですね。
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恒例の肉盛り宣伝。恒例と言いつつ最後にこういう写真を撮ったのはいつの頃であったか。
こうした会食も長いこと出来ずにいたんだなあ、と改めて実感。
どうかこのまま平穏な日々が戻ってきますようにと祈念しつつ、美味しいお肉を頂きました。
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最後に宣伝! 光圀伝、文庫版および漫画版です! 若き日から老年に至るまでの水戸黄門一代記。ぜひお手にとって頂けましたら幸い!
『剣樹抄』 連載&ドラマ
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こちらも宣伝!
『剣樹抄』の連載小説・第十五話「かまりの隠れ里」が、次号のオール讀物にて掲載される予定です。
ドラマは、速くも4話目。さすが毎週放送。もう折り返し地点です。なんという早さ。
スタッフブログが大変面白いです。
『光圀伝』で描かれた若き日の過ちが、どのようなドラマとして描かれるのか、冲方も興味津々で楽しみにしております。
コメント・トーク
今週は早くもコメントご紹介! いつもクルーメイトのコメント、ありがとうございます!
剣樹抄3話視聴。氷ノ介と吽慶の過去とか光國と頼重の兄弟の絆とか、光國の筋肉で全部すっ飛びました。鍛えてるとは思ってたけどすごい筋肉。「来い!」で胸筋動かすなww 「新選組!」で山口智充が胸筋動かしてたのうらやましかったんだろうか。 #日曜日のクルーメイト
— 森人 (@al4ou) November 21, 2021
光圀=山本さんは、トレーナーの資格をお持ちだとご本人から伺いましたが、しっかり作り上げておりますね!
何度か書きましたが、史料でも光圀の「体格の良さ」がたびたび語られており、まさにふさわしい適材適所ではないかと思わされました、相撲。
モザイクに関しては前々から不思議だったんですが、イラストでも局部モサイクは18禁で、局部は白抜きor画面外の性行為描写は年齢制限なしなのが謎です。秘すべきは局部ではなくむしろ行為だと思うのですが。 #日曜日のクルーメイト
— 森人 (@al4ou) November 21, 2021
これですね、海外とりわけアメリカですと、きっちりルールが作られていますし、常に議論が盛んですので、何がNGかそうでないか、規制は厳しいけれども、制作中に方針が崩壊して混乱することはほとんどないとか。
日本の作品づくりは、ルールではなく、主観と気分と、その場の状況次第という「空気」で決めているため、製作方針に疑問が呈されると、最悪の場合、収拾がつかなくなりますね。
#日曜日のクルーメイト
— Kei. (@ES45_earthes) November 21, 2021
「どこまで説明、種明かしするか?」
バランス取りが大変な時代だなと思います。
昨今では「鬼滅の刃」はきっちり説明する方向性が
ヒットの一因だと思います。
でも考察好きな層にとっては、「公式設定」や「史実」はあまり出来て欲しくなかったりと…
作中での説明は、これから最大の課題になるのではと思います。
とりわけ、国境を越えてエンタメを届けることに積極的ではない時期が長すぎましたね、日本は。
客層がはっきりしているローカルな作品ほど説明が省かれるので(説明しなくていいので)、いざそのコンテンツをより広く売ろうとすると、おかしなハードルにすぐぶつかります。
何をどれだけ、どんな層に説明すれば事足りるのか、というノウハウの蓄積がほぼないので、みんなが場当たり的に対処しているというのが実情。
また一方で、「説明のつかないことだらけ」の世の中において、エンタメくらい「せめてしっかり説明がついてほしい」というニーズが、どんどん強くなっているのを感じます。
「説明」を巡る議論が、これからの作品作りに大きな影響を与えることでしょうし、冲方も今後に備えるべく今から試行錯誤していかねばと思っております次第。
あとがき
さて。
11月~12月は、全連載の〆切とその他の仕事が集中し、まったく時間に余裕がなくなるため、今週の記事はかなりコンパクトなものになっております。
いよいよ師走が迫ろうとしているのを感じつつ、今年もそろそろ終わるのかと感慨深いものがあります。
皆様におかれましては、無事無難の年末となるよう、ぜひご自愛下さい。
冲方丁でした。