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日曜日のクルーメイト #0045 キョウから始まる2022年!!

ハッピーニューイヤー! クルーメイト!
仕事始めの一週間、はたまた冬休み終盤、いかがお過ごしでしたでしょうか? 初詣に七草がゆなど、意外にイベントが多いのがお正月。

冲方は人混みを避けて期間差で初詣をして参りましたところ、めでたくも「凶」が的中!🎯 やったぜ! 素敵!

かつて、デビューした年に「大凶」を引いて以来、冲方は凶を悪いものではないと思うようになっております。

凶を嫌がる方が多いと思いますが、「あらかじめ警告されてよかった」とか、「ここが底なら、あとは良いことばかりなのね」なんて気分にさせてくれますので、むしろ引いて一番嬉しいクジかもしれません。

逆に「大吉は油断するとひどい目に遭いそう」と、つい警戒してしまいます。天邪鬼か。

クルーメイトが引いたおみくじは、いかがでしたか? 
もちろん、おみくじを引く習慣がない方もおられると思いますが、日本の年末年始は盛り沢山。
イエスの誕生日を祝い、寺の鐘の響きを味わい、そして神様を詣でる。日本の歴史がもたらした鷹揚によって、すでにして得ている多様性、今後もゆるゆると続いてほしいものです。

余談 初詣の小話

ちなみに『天地明察』で取材をさせて頂いたり、イベントを催させて頂いて以来、毎年、渋谷の金王八幡宮を詣でるようになりまして。
干支の土鈴を買って帰るのがここ数年の習慣となっております。

今年は虎とあって、ちょっと顔が強気です。
背景はワインボトル飾りに、「一年安鯛おみくじ」のマスコット。
冲方の仕事場では、定番の年始セットとなっております。「やきいもや」のお札、は行きつけのお店で頂いた焼酎のおまけ。

聖者の行進ならぬ、干支の行進(現在三分の一)。
ある年から「干支の土鈴をコンプリートしよう」と思い立ち、毎年一つずつ増えていくのが楽しみになりました。
お浄めで返納するのが普通ですが、可愛くてつい、とっておきたくなってしまった次第。
そのうち十二年分を、いっぺんに返納するかもしれません。

そして今年最初で最後の、少人数による新年会に繰り出さんとするや、いきなりの大雪です。
さすが凶。
綺麗ですね。
きっと今年はこの調子で、彩り豊かな障害が引きも切らず押し寄せてくるのかもしれません。おら、わくわくするぞ。

さておき 今週の宣伝 四誌掲載

『マルドゥック・アノニマス』第40話 SFマガジン
『骨灰』第6話 野性時代
『マイ・リトル・ジェダイ』第3話 別冊文藝春秋
『剣樹抄』第15話 オール讀物

先年のクリスマス記事にて『マイ・リトル・ジェダイ』第4回と書いておりますが、それは書き上げたほうで、掲載されるほうではありませんでした。大晦日に4回のゲラをやっていて、はて、なぜ今、掲載されたはずのこれのゲラをやっているのか? と、気づきました。
うっかりです。謹んで訂正いたします。

どの雑誌も月の下旬に刊行されるため、やや月をまたいでのご紹介となっております。
SF陰謀アクション、現代日本の乾燥ホラー、ハートフル・ファミリー・ゲーム物語、江戸の諜報チャンバラ。
お好みのものがあれば、ぜひお手に取って御覧下さい。

宣伝トピック1 剣樹抄「かまりの里」扉絵

剣樹抄 第15話 扉絵 画・遠藤拓人

今週はトピックとして、扉絵をご紹介。
こちらは、了助が舟に乗って、暗がりへと連れて行かれるシーン。
月夜なのに、木々に遮られて、見渡す限りの、ぞっとするような暗闇が広がっております。
寒々とした水の音や、凍てつく葉擦れの音が聞こえてきそうです。素晴らしい。

遠藤拓人さんには、『麒麟児』のカバーも手がけて頂いております。
こちらは燃え上がる江戸が大迫力ですので、ぜひ御覧になってほしいと思います。

宣伝トピック2 マルドゥック・アノニマス40話 扉絵

マルドゥック・アノニマス第40回 扉絵 画・寺田克也

そしてこちらは、新登場の三人をさっそく扉絵にして頂きました!
担当さんと、カバーやイラストは、どん風なのがいいか、と話すのですが、最終的には「寺田さんのチョイスにお任せしよう」が結論となります。

さて、新登場のエンハンサー三人を、軽くご紹介。

ハンター配下のエンハンサーにして、人捜しのプロ〈スネークハント〉のメインメンバー。

年配の男は、トランス状態で脳を肥大化させ、都市中の端末に侵入する「トランストラッカー」こと、バリー・ギャレット
ダンディでスマートなイケオジですが、いつも息子の暴走を心配している苦労人でもあります。

若い男はその息子、アラン・ギャレット
失認シグナルを発することで、誰も自分を認識することが出来ない「ヘイズマン(おぼろな人)」と化す、見えざる追跡手。
戦時中のトラウマから、拷問の加害者を追うことに異常に執着し、わざわざ敵のど真ん中に歩み入って挑発するといった破滅的な行動をとるため、お父さんを心配させることしきり。

女性は、自分の体液を使って芽殖孤虫(がしょくこちゅう)という凶悪な寄生虫を相手にうつす、天真爛漫な殺し屋「スピットバグ(虫吐き鳥)」こと、ミッチェル・キャッシュ
ハンサムなアランにべたべたしたがるため、アランが虫に喰われるのではと、これまた「バリーお父ちゃん」を心配でたまらなくさせます。

そして、ミッチェルが持っているのが、彼女の唾液と寄生虫の卵がたっぷり詰まった断熱タンブラーカップ
カップに書きつけられている言葉は「THE BEST KISS NEVER BEFORE!!」
本編では「かつてない最高のキス!」としか書いていないのですが、わざわざ訳して絵に付け加えて下さっています。
こうしてキャラクターのアイコンをさりげなく入れてくるのがさすがの一言で、文庫版では、しっかり文言にルビを振りたいと思いました。
ぜひ、彼ら〈スネークハント〉の活躍を御覧下さい!

ちなみに寄生虫の説明動画がありましたので、ご紹介します。
グロではありませんのでご安心を。


コメント・トーク

さて、恒例のコメントご紹介! いつもありがとうございます!
それでは今週もさっそく参りましょう。

今日こそ明日から(とんかつ)さんからのコメントです!
あけましておめでとうございます!
スピンオフを制作する前から、「平和な」と約束するところがファフナーだなと思いました。
そして仰るとおり、平和だからと言って、戦いがまったくないわけではない。あるいは、平和にすることによって、かえって生じる問題もあろうと思います。
ロボットものなのに「平和」って! となりますよね。わかります。
どんな作品になるか、冲方も楽しみです!

森人さんからのコメントです!

実はそうなんです。読み手の中に、まったくないものや、かつてあったが今はなくなったものを刺激する何かを提供しても、読み手はぴんとこないんです。
逆に、読み手の中にあるものを、おかしな形で刺激すると、たちまち馬鹿げた何かがその人の中で生じたり、ミームと化して拡散したりします。
日本、海外を問わず、頭がおかしいとしか言いようのない何かが生まれるゆえんですね。

ちなみに「ドラゴンカーセックス」とはなんぞやと思って検索しましたが、すごいですね。ドラゴンが車と性行為をすることでした。

そしてなんと、YouTubeで見られます。https://youtu.be/3rwQxEi3q0U
あえて動画は貼りつけません。なぜかは御覧になるとわかりますが、くれぐれも音量にご注意を

コメントに「いったいどうしてか三年も削除されない動画」と書き込まれていて思わずうなずきました。
ありのまますぎる何かが、こんな風に表現されるとは。世界は広いですね。
ご紹介ありがとうございます、森人さん!

黒井真さんからのコメントです!
ありがとうございます!
若い頃は、十何時間もぶっ続けで書くのが当たり前で、徹夜なんかへっちゃらだぜ、などと思い込み、かなり体に負荷をかけてしまっていました。

ファフナー無印のときなんて、夕方のアフレコに立ち合ったあと、その場で打ち合わせをして、翌朝8時までに一本書く(16話)とか、今思うと、気持ちはわかるが、やってはいけないことを随分していたものです。

しかし負荷をかけ続けると、やはり体がおかしくなって、入院してしまったり、ギックリ腰が慢性化したりして、かえって執筆できない時間も多くなることを学んでおります。

今は、自分がわかっているといいますか、おっしゃるとおり「自愛」し、執筆のためのアイテムである自分自身をメンテナンスすることが肝要と心得ております。

無理なく、365日×あと数十年、継続できる執筆の仕方を心がけたいものですね。

薔薇肉船舶さんからのコメントです!
これは、冲方自身も、はたと気づいて、反省させられることが多々あります。
しばらく前まで、過激で独断的な何かが奇妙にもてはやされ(今でも一部そうですが)、好むと好まざるとにかかわらず、付き合わねばならなかったという影響が、だいぶ残っていると思います。

スマートホンが普及して、そろそろ十年。

ある商品やサービスを爆発的に広げるため、「量も表現も範囲も、可能な限り過剰にするという戦略的に用意されたニーズに押しやられ、省みられることがなかった様々な点について、企業レベルでは何もできなくとも、個人レベルではしっかり反省し、考える必要があるのではないか、と思います。

クルーメイトへのお題 (久々!)

さて。先日、新年会で出た話題がありまして。

「個性を手に入れるにはどうしたらいいですか?」

と、しばしば質問されるのだが、どう答えるといいと思う? 
と問われ、ふーむ、考えさせられた次第。

いわゆる「自分らしさ」「自分ならでは」といったことなのでしょうが、別にそれらが過剰に目立たなくとも、どうせ自分とまったく同じ人間などいないのだから、悩む必要などないのでは、などと冲方は思ってしまうのです。

しかし、「個性がないことに悩んでいる」人が多くいるのも事実。
そこで、クルーメイトにもお尋ねしようと思います。
個性って、どうしたら得られると思いますか?

もしこの話題にご興味を抱かれたら、
#日曜日のクルーメイト
こちらのハッシュタグをつけてツイートして頂くか、ぜひこの記事のコメント欄に投稿して下さい!

もちろん、他の話題も大歓迎! クルーメイトのコメント、お待ち申し上げます!

あとがき

なんと、この記事も、年をまたいで継続しております。
自分は飽き性だと思っていたのですが、同じことを続けるからこそ、小さな変化にも敏感になり、飽きが来なくなるという一面もあるのだな、と思わされました。
クルーメイトのコメントにも励まされ、ここまで続けることができました。
改めまして、今年も、そして今後とも、是非よろしくお願いいたします!

雪融けの日曜日、どうぞ清々しくお過ごし下さい!
冲方丁でした。

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