異路同帰食材 第四の残
僕はどこに行こうと
黒い球体が内部にあることが
感触としてはっきり伝わる
黒い球体が基本形態ではあるが
澄んだ暗い森にも変化出来る所でもある
そこに僕は
住んでいて住んでいたい
一見意味の分からない文でも
言葉では表せない思考が感情として
浮かぶことがある
あくまで言葉は手段であり
自分の描きたい思いの設計図を
筆として自由になぞっているに過ぎない
あまりにも心の設計図を言葉として
なぞり描く力が上がったことに疑問を抱く
自分では無い誰かに移り変った様だ
それでも尚脳で喋る誰かと
魂で喋る誰かは
存在している
僕は感じたのでもしかすると
誰かも今の二節に対して
格好悪いと思ったかもしれない
分ける必要があったのかと
僅かな嘲笑と疑問を抱いただろうか
紙に言葉を書く上で僕は
自分から穴を開けてしまうことがある
全て自信の無い箇所だ
そこを埋めてくれるのが
認められた誰かの言葉である
その言葉を知ることで僕は
このトロッコは安全なんだと
トロッコの上ではあるが
言葉を書き連ねられる
僕は欲深い人間だ
暗い森が怖いことなんて解ってるのに
僕は墨汁を求める
そんな思いをしてまで
僕はもしかすると
紙に筆で描き続けたいのかもしれない
せめて筆だけは
走っていたいのかもしれない
面白さや興奮よりも
穏やかさや平穏を望む僕は
孤独であり年相応とは言えない
きっと嵐に疲れたのだろう
晴れの嵐も雨の嵐も
同じ嵐に過ぎないのだから
僕が知ってる範囲の人間は
ほとんどが己を犠牲にして
なんとか心を高揚させて奮い立たせてる風に
感じてやまない
それほど生まれた此処は
狂い呪われているのだろう
この世に大人なんて居るのだろうか
世間の言う大人は仏か何かだろうか
そんな人間は人間では無い
ほとんどが凝り固まった思考の
猿でしかない
人間の殆どは
知能という道具が使える
猿に変わりない
悩みが変わっただけで
パズルの色が変わっただけで
何ら変わりない
人間は心底下らない
潔癖症が生んだ反吐
僕は誰とも分かり合えない
君も誰とも分かり合えない