肋骨

間違えたやってしまったよ
帳は卸すべきじゃないよ
掴む鋏で留めておかなきゃ
卸(おろ)した帷(とばり)の中の鳥
卸す事で核を出す様な
もう二度とやらないあんな事

鎌鼬(かまいたち)が運んで来る
風邪が生む傷跡の絵
そこには幽かに沈む者が有る
背後霊は万能薬になった

人外の日蔭者
慣れたのか忘れたのか
蝕みの呪い行方は不明だ

鳥籠とも言えた骨さ
このその区別がつかないな
考えてみると
何処までが僕なんだ
この文にさえ迷うんだ
なぞり書きをしてるんじゃないかって

鎌鼬はやってくる
天才と名高いなんて考える僕の素(もと)
事実そうなんだよ駆けなくて良くなる
形に描き出すつもりが増えていく
呪いとなって蝕んだ

いくら投げ出してもね
首輪付きの鳥は逃げられない
落ち着いてまた元に戻る
天才であり続けるために
護ると言わんばかりに
柱は一本と言わんばかりに

治すのが此奴背後霊
酷いよね全くこの薬
延命が毒になるのかな
こういう時僕は思った
僕には見えてる
例え一枚布越しでも

肋骨の様な鳥籠
死に損ないを飼っている
心でさえも滑舌はあった
意識すると悪くなるんだ
戸張を卸すのは開いた証拠
そんなこと僕には出来ない
だから身代わりの僕を前にすーる

自分でも分からなくなる
衝動は紛いなのか八つ当たりなのか
妙竹林が完成する
でも従う方が身の為と思った
苦しくても可笑しくても
水平線を歩いた方がいいのか
例え波だらけでも
なぞり書きだとしても

僕はどうすればいいの
何処からが僕なの
誰に従えばいいの
何が正解なの
無視するのが怖いんだ
枝分かれの芽を踏みたくないよ
自分が正解なんじゃあ
決めつけないで欲しいなそれすらも
全部自分なんて嫌い
背後霊がくっついてるよ
僕だけの僕が居ない僕は
僕が見られる僕は阿婆擦れの様
誰一人入れない鳥籠を持つんだ僕は
鎌鼬のお蔭で完成 眼前後退

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