文章って長ければいいってものじゃないのです。密度も重要なのです。
3,000字〜4,500字/件のライティング案件が多いようです。率直に言うと、「そんなに書かされるのか…」と驚きました。
私の場合は書くことは「大学の講義を受けて、何か書くこと」とほぼイコールだったので、無意識のうちに大学サイズの書き物を想定する癖があるようです。
世にはこんな人もいるんだな、くらいの参考にしていただければ幸いです。
書き手のスペック・工期概要
私自身はゆるふわ学生だったので半期で多くても24単位(12コマ)くらいまでしか講義を取らなかったので、半期末ごとに3〜4本くらいレポートを書いているスケジュール感です。
※ガチ勢のゼミ参加者や、25コマ全部講義で埋めるジャンキー、実験が必要な理系はもっと書いていることに注意
とある大学のレポート基準
2,000字…めちゃゆるい。仏と呼ばれる教官から出てくる課題。あまり考えず感想文レベルで書ける(私のnoteもこのレンジです)
4,000字…標準サイズ。講義の内容+1冊の文献読めば問題なく埋まる
8,000字…ガチ勢。美術館や劇場に足を運んだ上で、参考文献を2〜3本通読して初めてまともな内容が書ける
【究極の参考…卒論編】
3.6万〜4万字…卒論サイズ(私の出身学部)。1年近く大小さまざまな文献を読み(大学の図書室はもちろん、国会図書館にもお世話になった。CiNiiから論文pdf落としてiPadで読んだりとかも…)、日本語文献では足りないことに気づいて洋書読み読みしても着地点が見えず、提出直前は1週間くらい自宅にこもりつつ混乱しながら仕上げたサイズ。
一人で読み返すと確実に吐けるので、友達に読んでもらってロジックが怪しい点を教えてもらったりした。
8万字…東大文学部行動文化学科 社会学専修課程(当時)の卒論サイズ(これは正直外れ値なので敢えて明示)。実地調査データも含むのでこのサイズになるらしい。もう本書けるぞこれ。
webでおすすめの文章量
個人的にはこれくらいの分量の方がweb上では快適に気持ちよく読めると思います。
お役立ちtips:1ツイート(140字)〜1,000文字
真面目な読み物:〜2,000文字
書いている人そのものが面白い場合:♾
(ここまで来ると「存在・アウトプットそのもの」に価値があるので、長かろうと短ろうと瑣末な問題です)
つまり、大体の文章は2,000字も読めないよ!ということです。
これはメディア特性からも説明できます。スマホやPCのモニタで長い、入り組んだ文章を読むのは全く向いていないのです。
やはり、複雑な味わいの文章は紙で読むのが理解しやすく、楽しみやすいですし、知的生産の最後の段階の詰めは紙に書いて自問自答を繰り返した方が質が上がるのです。
事実、私も数値や企画をロジカルに扱わねばならない時ほど資料を印刷して、自席で赤ペンを握り、書き殴って格闘しています。IT系で8年ご飯を食べている人間とは思えない仕草ですし、思考がとっちらかってる時ほど、印刷した資料で机が豪快に荒れるのですが、これが一番しっくり来るんですよね…。ワイヤー描くのとかもね…。
SEOテクニックを疑え。ルールを作る側は常にその先にいる。
3,000〜4,000字の書き物を要求されるのはいわゆる「SEO対策」ゆえだと思われますが、そのルールはなぜ発生したのでしょうか。
それは、現時点では機械は「短く、端的な文章」の質を判断できないからです。単にそれだけです。
でも、そのうち標本データ単体(=各ページ)のボリュームなど関係なくなる日が来るでしょう。テクスト量に依存せず、「本質的で、情報密度が高いコンテンツ」を網羅的に評価する方法を彼ら、Googleの開発チームがなんらかの方法で見出したその日には、今崇められているSEO対策は即座に無用の長物になるのです。
であれば、そんな儚い蜃気楼のようなルールもどきに惑わされるよりは、メタファーとパラフレーズを駆使して自分なりに「ひねって」情報密度を上げていくことを考えるほうがより真理に近づけるはずです。
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