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『パラダイスキラー』(2021年のゲーム)の世界観解説
(アナログモデムの通信音と共に、あなたの意識は"パラダイス"へ送られる。そこはパラダイス 第25号島。あなたは 第24号島で発生した"パラダイスキラー"事件を振り返る)
*「結局、パラダイスは救われたわけだろ」
*「ああ、レディ・ラブ・ダイが全ての事実を明らかにした」
*「じゃあ、これからはパーフェクトな25号島になるのかな」
*「どうだろうな、事実と真実は同じではないからな」
『パラダイスキラー』はKaizen Game Worksが手掛けたヴェイパーアクション探索裁判ゲーム。探索パートと裁判パートに明確に分かれた本作だが、強烈な世界観とキャラクターによって接着されて唯一無二の体験を生み出している。
私は18時間プレイをして、ひとつの結末に至ったが、おそらく真実と事実は異なる。再び(数千年の追放刑の後に)パラダイス24号島へダイブして捜査を再開することになるだろう。なお、全ての遺物を集めるようなプレイをしなければ10時間程で完了すると思う。
難解な設定や用語が多用されており、オープニングの文章はほぼ理解できなかったので、理解を助けるために記事中に用語解説を行いたいと思う。世界観の咀嚼ができてくるとこの上なく魅力的な世界に浸れると思う。(とはいえ、私も完全に理解しているわけではないので、あくまでヒントとしてご利用ください)
以下に、この世界で最も信頼すべきゲーム天狗であるアロハ天狗氏のツイートを引用する。この要素が琴線に触れるのであれば、試してみるのも悪くない。(ただし3D酔いには気を付けて)
パラダイスキラー、Vaprowave、コズミックな多神教、夏の夕暮れ、奴隷制、大量虐殺、荒木飛呂彦、死、不死、隠れた愛、謎、資本主義、終わる世界、意志と決断、嘘、自由、放浪って感じのゲーム。
— アロハ天狗 (@Aloha_Tengu) August 22, 2021
パラダイス第24号島。無期追放刑で隠棲中の捜査官レディ・ラブ・ダイは、三千年ぶりにパラダイス島へ召集される。シンジケート議会の議員が皆殺しにされた事件の捜査のためだ。
【レディ・ラブ・ダイ】
かつて処刑捜査官としてパラダイスを駆け巡っていた。寝食よりも捜査を優先する"捜査オタク"。ある神の策略によって、パラダイス島を危機に陥れた罪によって無期限追放されていた。本作では彼女を操作してパラダイス島の陰謀に立ち向かうことになる。
【パラダイス島】
このゲームの舞台。天国と呼ばれる島。様々な要因で島が保たなくなるごとに新たな島へ次元転居し、より美しく再生する。第24号島が崩壊したことによる第号25島への転居作業中。
【シンジケート】
パラダイス島の永久住民。不老不死であり、パラダイス島が崩壊するときにも次のパラダイスへ転移して生命活動を繋ぎ続ける。
【シンジケート議会】
パラダイスの運営を司るシンジケートの代表者。議事堂は多重の結界によって封印されており、議事堂へたどり着く方法を解明することが捜査の大きな目的となる。
レディ・ラブ・ダイは、判事に召集を受けて配流地を脱出して時限ワープを行う。配流地の小さな池のほとりに遺物を発見した。「焼き鳥の巨匠になる決心をした元ギャングスタ―に関する本」である。初回プレイ時は意味が分からなかったが、この遺物は三千年の間、レディと共に過ごした監視者が読んでいた本だと思われる。彼は庶民であり、生贄の儀式に捧げられたのであろう。
【遺物】
神々に捧げられて死亡した「庶民」が残した生活の痕跡。主に彼らが最後に過ごした場所で発見される。殺人事件とは関係ないので証拠にはならず、世界観のフレーバー要素のみ。焼き鳥屋にも会えない。
【庶民】
現実世界から拉致されてパラダイス島へ送られた労働力。庶民向けの団地や文化住宅に住む。自我を希薄化する鎮痛剤を投与されている自殺率を抑えることはできずシンジケートは労働力の確保に苦慮している。パラダイスの転移には連れていけないので、24号島に住む3000名余の庶民は全て生贄として殺処分済である。
【生贄の儀式】
パラダイス島が崩壊する際に庶民の血を神々に捧げる儀式。老若男女例外なく全住民が殺処分されるが、シンジケートはその犠牲を一顧だにせず、当然の作業だと考えている。
レディは遺物を収集すると、上空数千メートルの流刑地からパラダイスへ堕天していく。判事と再会したレディは愛用の拳銃を取り戻し、断罪者としてパラダイス島を駆け巡ることになる
うおおお!!!
— お望月さん (@ubmzh) August 22, 2021
『パラダイスキラー』
オープニングテーマが流れる瞬間がすごすぎる。思考と操作が一致した瞬間に最高潮の音楽が流れ始める。
(体験してほしいので動画は伏す) pic.twitter.com/BMa1WRu4AO
パラダイスを駆け巡って証拠を探し、会話をすることでシンジケートとの関係を深め、証拠品を突きつけてアリバイを崩し、容疑者を絞り込んでいく。
この人はドスケベ・クン・ラオこと、建築士秘書のユーリ・ナイト。傲慢で完璧な肉体と美貌を誇る優秀な男だ。(シンジケートはほぼ全員が過剰にセクシーである)
【容疑者】
登場人物のほぼすべてが容疑者となる。彼らと接しながら証拠を集め、【判事】から有罪を勝ち取っていくのがゲーム全体の流れとなる。
【聖なる封印】
パラダイスの議事堂に仕掛けられたセキュリティゲート。議事堂へ入り込んだ犯人の足跡を追い、封印の謎を解くことがゲーム全体の主要な流れとなる。
パラダイス島には神が住むとされている。ピラミッドは、やがて外宇宙から降臨する彼らのための空の玉座だ。
レディは、かつて、神【忌々しい調和】に騙されパラダイスを崩壊へ導いたことがある。神々の調略は巧妙で、まるで自分がそのように行動しようとした、ように人々を操り破滅に導く。
登場人物【嘆きの怨恨】
— お望月さん (@ubmzh) August 29, 2021
パラダイス島の主神の一柱。ピラミッドに隔離され、たまに肉をグラムいくらで切り分けられている。
回避できぬ悲劇を予見しては涙を流してお気持ちしている。通称:つらくてね像が島の各地で涙を流している。 pic.twitter.com/l4hfOGeOtg
パラダイスには、悪魔も住む。外宇宙から訪れる悪魔は、人々を唆しパラダイス島を崩壊させる要因となった。悪魔達は軍部と悪魔祓いによって駆逐されたはずだが、なぜかシンジという悪魔(青くて股間を何かで隠した何か)
シンジは魅力的な隣人だ。長い付き合いとなるだろう。
【神々】
外宇宙から飛来したエイリアンで、人々に祝福を与える。人を唆して行動させることも。
【悪魔】
外宇宙から飛来したエイリアンで、人々に呪いを与える。人を唆して行動させることも。
これで世界観説明は終わりだ。思う存分、パラダイス島を捜査してほしい。パラダイスには、あらゆる場所にオブジェクトが眠っている。貴方が「これは」と思った場所の探索が無駄になることは少ないだろう。
最後に、世界観の一部を紹介しよう。
完璧な庶民エリア
神像大名古屋ビルヂングちゃん。
様々な場所に積み重なり活用されているビールケース
壮大でヴェイパーな夕暮れ
聴きごたえがある音楽とライナーノーツ
一緒に夕日を見ましょう。海の音を聞きながら最後に一度だけ。夕日は全てを癒してくれる。<"夕日の歌"のライナーノーツより>
完璧な未来へ
退屈で長い夏休みの夕暮れの時間を過ごした後は、裁判の時間だ。世界を楽しみ、証拠を突きつけて、全ての事実を明らかにさせよう。あなたは拳銃を握っている。健闘を祈る。
『パラダイスキラー』変なゲームで、とてもおもしろい。
プレイ記録はこちら。
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