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【コラム】文体練習と改変コピペと大喜利と
親譲りの習い性でコピペ改変ばかりしている。
夏目漱石(2019)
よく来たな。
今日はお望月さんの笑いの基礎部分を公開してみようと思う。笑いと音楽のツボは性的嗜好を公開することに等しいので、とても恥ずかしいけどちょっとやってみようか。
『文体練習』
1つの出来事を100の文体(フォーマット)で書き記した奇書。
倒置法にしたり視点が固定されたり、同じ内容なのに思いもよらぬ展開が生み出されて非常に楽しい書籍。これを読んだ人は間違いなく実践をしている。読まなくても本棚に置いておくだけで作家的に箔が付くので見えるところにさりげなく置いておきましょう。
お望月さんは「文体練習」を学んだおかげで上手な換骨奪胎をみると興奮するし、オマージュ・パロディをとても歓迎する。
例)アリュージョニストを読むのがつらかったので思わず夢枕文体になった回
『改変コピペ』
特定フォーマットの中身を様々な要素に入れ替えたもの。
古くは嘘業界の嘘ニュース(それっぽい文体でアホな記事を書く)が代表選手であり、インターネット発明後は2chガイドライン板によって統治されてきた。
「全選手入場!」等の長文大作から、名言の差し替えまで幅広く、改変に伴う不自然さや元ネタを悟られないほどしっくりくる不思議さが魅力となる。改変の雑さも味わいの一つだ。
例)魅力的なキャラクターが多数出現するとすぐ全選手入場をさせたがる回
インターネット大喜利
広義には、特定テーマについてオモシロを募る、あるいは自然発生的に生まれるおもしろサバイバルデスゲームを指す。狭義には、それらのうち「あまり面白くない回答」を揶揄する際に使用される。
これらには世界一のオモシロ人間が多数参加しており、現在も多数の大喜利が生み出されインターネットは腐海に沈んだ。この世界では面白すぎる(尖っている)ものが評価されにくい空気があり哀しい。バズるためには角を丸めないといけないのはとても哀しい。
なので我々はインターネット大喜利から距離を置いている。
しかし、「文体練習」と「改変コピペ」は「インターネット大喜利」を守備範囲に含み技巧的に広く重なるものだ。これらは相反するものではないのでうっかり同時に実行され得ることに注意されたい。我々は本能的に大喜利ネタに反応してしまう体質なのだ。
親譲りの習い性で子供の頃からコピペ改変ばかりしている。小学校にいる時分文体練習を二十本ばかり試して二週間ほど唸っていた事がある。
— お望月さん (@ubmzh) March 14, 2019
なぜこんな無闇な事を、と問われても別段深い理由はない。インターネット大喜利に乗っかってつまらぬことを書くやつと囃し立てられるのが我慢ならぬからである。
つまり、お望月さんが訳の分からないことを急に言い出すのは、大喜利ではないし、誰に頼まれたわけでもなく勝手にやっていることなので、もっと深いなんかなのでご安心ください。
「それでゾンビオイルがさ!」「そういうのがあるの?」「ないよ!それでね……」
おわりです。
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