いつかきっと

娘の入試のため普段とは違う時間に起床する。マイペースで予定時間よりも遅れ気味に行動する娘。無事に試験会場まで辿り着けるのかと、わたしがヤキモキする。

わたしが心配性なのは父譲りだから、どうしようもない。仕事をしていても気もそぞろだが、こんな日に限ってトラブル対応で細かく作業が発生。この年になっても電話が苦手なままなので、疲弊してしまう。

娘はわたしより先に帰宅していた。試験の手応えは教えてくれなかったが、機嫌は良いので悪くはなかったのだろう。その姿をみて、わたしがホッとする。

大学に入ってしまえば、わたしの出る幕もない。こんな風にかかわるのも最後だと思うと寂しいけれど、ひとりで生きていけるほど成長したのだと思えば喜ばしくもある。

わたしが大学に入った時、両親はまだまだ不安だっただろう。今の娘よりも頼りなく見えたに違いない。

最後まで子離れという意識のない両親だった。昔の人はそうなのだろう。親子でともに生きていく時代のほう歴史的にも長い。

わたしが死んだあとの娘の人生を考える。娘が幼い頃はいつまでも見守って助けてあげたいと思っていた。だが、あと10年もしないうちに、わたしが助けられる側になるかも知れない。

50代は子離れをするのが目標。それぞれの人生を。



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