赤いキツネはどこへいく
赤いキツネのCMが炎上している。わたしも男性として長く生きていきたので、あの手の表現は各所で見慣れてしまっていて「えっこれで炎上?」と思ってしまった。
だが、見慣れていると言ってもアニメやマンガの中で、しかも男性の登場人物がこうした仕草をみて喜ぶというシーンだ。
このCMでは女性ひとりしかいないので、視聴者の眼差しは、登場人物を通してではなく、物語の外から介入する窃視者のものになる。それは嫌悪感を抱くのも当然だ。
このしくさがエロいとかセクシーとか、異性を性的なまなざしてみることは日常的にはあることだろう。
だが、そのまなざし圧倒的に男性から女性に向けられるている。それが当然のような認識を持つ男性もいて、言動として女性を傷つけ抑圧することになる。
趣味志向の性的コンテンツとして消費することも、女性蔑視の強化につながるので、非難されてしかるげきものを、表層的なものとはいえ公共放送のCMで流すのは、ジェンダー格差の認識がなさすぎる。
こうした論理展開は真っ当で揺るぎない正当な主張だと思う。初見でぼんやり受け入れてしまい反省する。
だが、こうしたフェミニズム的な動きに懸念することもある。攻撃すればするほどバックラッシュが酷くなる。アメリカがトランプが当選した要素にはポリコレに対するバックラッシュの影響もある。
正当な主張をすることは大切だ。だが、それは相手の意識を変えるためでなければ、敵対するばかり。戦争を始めるのではなく、交渉をするような対話によって、こちらの有利な状況を飲ませるような、そんな議論でありたい。
という理想論を書いておく。残念ながら、もうずっと前からの戦争が始まっている。