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アジア5ヶ国のクリエイティブカルチャーを振り返る Looking Back 2021 - 中国編 Eric Zhu

Looking Back 2021 は、アジアのクリエイティブカルチャーやマーケティングの最新の動向について、月イチで配信するubies Newsletterの年末特別企画。ubies Alliance Membersそれぞれの視点で、自国の2021年を振り返っていただきます。第一弾は、中国代表Eric Zhu

中国では2021年に入ってからも、パンデミックの影響で厳格な管理体制が続き、市場も未だ不確実な状態だ。誰もが長期的になることを見越し、この状況に順応するための新しい方法を見つけるべく動き始めている。

 このところ中国は、オフラインの活動やイベントを開催できる世界でも数少ない国のひとつとなっているが、中国本土のアートマーケットにおいてもかつてない程の注目を集めている。代表的な事例として、成熟した現代アート市場である上海で、多くの国際的なエキシビジョンやアートプロジェクトが開催されている。この流れは中国南部の都市、深圳にも拡大し、コレクターの注目度は高まるばかりだ。

 深圳と香港の通関が再開されたことで、大湾区(グレーターベイエリア)における都市間のつながりは、より緊密になるだろう。また、同エリアに大規模な文化施設が完成したことで、今後はエキシビジョンや交流の場がさらに増えていくはずだ。これはアート、クリエイティブ業界の誰にとっても朗報だと思われる。

 一方で、国境を越えた協力が難しくなるにつれ、中国のクリエイティブ産業は深刻な混乱に陥っている。良いプロジェクトが過剰に開発された結果、中国の今風なスタイルも収束状態にある。また、資本の力が大きすぎて、マーケットは合理性を失ってしまっている。

 2021年を振り返ると、NFTも無視できないトレンドとなっている。実務家たちはみんな、トラディショナルなアートのもう一つの出口として、このバーチャル市場に入っていくにはどうしたら良いかを考えている。

 14億人の市場は常に魅力に満ちており、開発途上国におけるカルチャー、クリエイティブ産業には常にチャンスがあるのだ。


📩 このコンテンツは、12月23日配信の ubies Newsletter vol.6.1 に掲載されたものです。

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