日本のヘルステック企業の事例をまとめてみた 〜上場企業からベンチャー・スタートアップまで〜
こんにちは。医療の「いま」と「これから」をお届けする #オープンファクトブック 、第6弾は国内ヘルステック事例です。
先日発表された東洋経済「すごいベンチャー100」(2021年版)では、全100社うち10社が医療分野の企業でした。コロナ禍で医療、とりわけヘルステック関連のプレーヤーに注目が集まっていることが伺えます。Ubieも2020年に選出いただきました。
そんな注目の分野で、どんな会社がどんなサービスを提供しているでしょうか。国内ヘルステックにおけるカテゴリと会社のフェーズ(上場/ベンチャー・スタートアップ)をまとめてみました。
※すべてのプレーヤーをピックアップしているわけではありませんのでその旨ご了承ください
※()で記載しているのが会社名、その前に記載しているのがサービス名です
BtoC/BtoBtoC:患者・生活者向けサービス
■症状/医療機関検索・情報提供
気になる症状があったときに関連する病名や対応可能な医療機関を調べたり、特定の病気に関する詳細を調べられたりできるサービス。医師などの医療従事者が介在しないため、あくまで情報を提供するに留まるが、「まずは調べてみよう」というときに有効です。
<プレーヤー>
上場企業:
医療辞典MEDLEY(メドレー)
ベンチャー・スタートアップ:
ユビー(Ubie)、Q Life(キューライフ)、ドクターズ・ファイル(ギミック)、Medical Note(メディカルノート)
■オンライン健康相談
PCやスマートフォンで医師もしくは医療従事者から受けられる健康相談サービス。あくまで「医学的助言」にとどまり、患者の個別的な状態を踏まえた診断などの具体的判断は伴いません。
<プレーヤー>
上場企業:
LINEヘルスケア(LINEヘルスケア)
ベンチャー・スタートアップ:
LEBER(リーバー)、小児科オンライン(キッズパブリック)
■オンライン診療
医師-患者間において、スマートフォンなどの情報通信機器を通して、患者の診察や診断を行い、診断結果の伝達や処方等の診療行為をリアルタイムでおこなう行為。2021/7/16に厚労省が新型コロナウイルスの自宅療養者に対してオンライン診療をおこなった場合は診療報酬を2倍超に引き上げる(再診の場合は4倍超へ!)ことを発表したのが記憶に新しいですね。
<プレーヤー>
上場企業:
CLINICS(メドレー)、LINEドクター(LINEヘルスケア)
ベンチャー・スタートアップ:
curon(マイシン)、スマルナ (ネクイノ)、ポケットドクター(MRT)、YaDOC(インテグリティ・ヘルスケア)
※オンライン健康相談・オンライン診療については過去のオープンファクトブックでも詳しく説明しています
■PHR・治療アプリ
PHR(Personal Health Record)とは、個人の健康・医療・介護に関する情報の総称。各個人の健康・医療などに関する情報を自身で生涯にわたって時系列的に管理・活用できます。治療アプリは、通院と通院の間の治療空白期間をスマートフォンアプリで支援し、治療効果を高めるサービスのこと。製薬会社など大手企業も参入し、開発や普及が進んでいます。
<プレーヤー>
上場企業:
AKL-T01(塩野義製薬)、BlueStar(アステラス製薬)
ベンチャー・スタートアップ:
ニコチン依存症治療アプリなど(キュアアップ)、不眠症治療アプリなど(サスメド)、ウンログ(ウンログ)
BtoB:医療従事者向けサービス
■Web問診
従来患者が来院時に「紙」で記入していた診察してほしい症状や既往歴などをまとめた記録表=問診票を電子化したもの。来院前に自宅等でパソコン、スマートフォンから記入できるものも増えており、コロナ禍における患者の院内滞在時間を減らすメリットも。
<プレーヤー>
ベンチャー、スタートアップ:
ユビーAI問診(Ubie)、今日の問診票(プレシジョン)、SymView(メディアコンテンツファクトリー)、メルプWEB問診(JMDC)
■電子カルテ
従来医師が「紙」で記入していた診療録=カルテを電子化し、電子情報としてデータベースに記録するシステムまたはその記録のこと。近年急速に普及しており、厚労省によると普及率(導入率)は400床以上の一般病院では 85%にまで上昇したものの、一般診療所(クリニック)は41.6%に留まっています。
<プレーヤー>
上場企業:
エムスリーデジカル(エムスリーデジカル)、新版e-カルテ(ソフトウェア・サービス)、HOPE LifeMarkなど(富士通)、MI・RA・Is/AZ(シーエスアイ)、MegaOrkHRなど(NEC)、MedicalStation・Qualis(BML)
ベンチャー、スタートアップ:
CLIUS(ドーナツ)、CLIPLA(クリプラ)
■医師・医療機関間コミュニケーション(地域医療連携支援)
オンライン上で医師同士が相談できたり、医療機関同士が相互に連携して患者の治療にあたるために施設や患者の情報を共有できたり(地域医療連携)するサービス。とくに地域医療連携支援のサービスは診療報酬にも影響がでるため増えています。
(※前回のオープンファクトブック参照)
<プレーヤー>
上場企業:
MedPeer(メドピア)
ベンチャー・スタートアップ:
CAREBOOK(3Sunny)、foroCRM(メダップ)、MedicalCareStation(エンブレース)、medigle(リタワークス)
■画像解析
医療画像やデータを集め、AI のコア技術である「深層学習」と「画像認識」を活用して画像やデータを解析し、病変が疑われる部分、正常な部分との微妙な差異を見つけ出す技術のこと。画像診断分野ではカメラ業界が長年培った技術を活用し参入する動きが目立ちます。
<プレーヤー>
上場企業:
EndoBRAIN-Plus(オリンパス)、SYNAPSE(富士フィルム)、Radiology(キヤノンメディカルシステムズ)
ベンチャー・スタートアップ:
インフルエンザAI診断支援機器など(アイリス)、EIRL(エルピクセル)、PidPort(メドメイン)
まとめ
今回は主に医療従事者がスムーズに診療をおこなえるようサポートするもの、生活者が適切に治療へ向かうのをサポートするものをまとめました。サービスのスケールに向けたスタートアップと大手企業の提携も活発化しており、規模によらず幅広いプレーヤーがいます。
これ以外にも、例えばBtoBでは薬局などのDXを推進するものや経営支援をおこなうサービスなど、医療×テクノロジーなサービスはまだまだあります。
Ubieは、医療と生活者を適切につなぐべく、toB(AI問診)toC(症状検索エンジン)それぞれにサービスを提供しており、今後はこの連携を強化していく予定です。他の企業も次々と新たな取り組みをしているので国内のヘルステックは、ますます盛り上がりそうですね。
参考・出展
・「電子カルテシステム等の普及状況の推移」
厚生労働省(2017年)
・「治療用アプリがやってくる」
東洋経済オンライン(2021年)
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Ubie株式会社 広報
tel:050 3503 9545(広報代表)
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<Ubie株式会社について>
「テクノロジーで人々を適切な医療に案内する」をミッションに掲げ、医師とエンジニアが2017年5月に創業したヘルステックスタートアップです。AIをコア技術とし、医療現場の業務効率化を図る「ユビーAI問診」と、症状から適切な医療へと案内する症状検索エンジン「ユビー」を開発・提供。誰もが自分にあった医療にアクセスできる社会づくりを進めています。