吸気口に換気扇を取り付けるにはどうしたらいいか? 【その3・気密スポンジ開発編】
【追記&お知らせ】
『かくり換気扇』はアマゾンで発売中です。
https://www.amazon.co.jp/dp/B08R63KZJQ
その2・アタッチメント導入編の続きです。
吸気口とファンを繋げる部品、気密スポンジの開発です。
↓の写真の通り、吸気口とファンの間がガバガバ。なんらかの方法で繋げて、空気がもれないようにしたい。でないと、効率的に換気できません。
『隔離・換気扇』の開発を始める以前から知っていましたが、給気口は様々なメーカー、形状が存在します。おそらく規格は存在しません。(吸気口を差し込む穴には規格があり、いわゆる内径Φ100パイプが使われることがほとんどです)
この形状の多様さが問題なんです。いや、形状が多様でもいいんです。形状を全部把握できれば、それに合わせた形状に作れることができます。
問題は把握できないこと
自分が調べた限りでは、メーカーは十を優に超えます。故に、形状が多様すぎて把握不可能。膨大な時間と費用をかければ把握できるかもしれませんが、それは無理です。
とにかくやるしかないので、吸気口の形状をできる限り調べました。すると、おおよそのサイズ感がわかり、形状に目星をつけることできました。
吸気口のおおよそのサイズと、基本の形状
丸型・吸気口のサイズは直径が130ミリ前後。プッシュ式(角型)も縦横130ミリ前後の正方形が多い。
このサイズ感は給気口を差し込む、壁側に設置されたパイプがΦ100ミリ規格にあると思います。100ミリの穴に差し込むから必然と吸気口の形状が130ミリくらいになる……と言うことです。
吸気口の形状は、↓この形状が基本形で、メーカーによりデザインは様々。
スマフォにも基本の形がある。縦の長方形で、やはり縦長のディスプレイ。上にスピーカー、下にホームボタン。どのスマフォも、この基本形があり、そしてデザインは様々です。吸気口も、これと同じです。
ということで――
先に書いちゃっていますが、給気口とファンをつなげる部品の素材にはスポンジを選びました。なぜスポンジにしたかは、このままお読み頂ければわかります。
設計図を書きました
ドーナツ状と説明するのがもっとも適切かもしれませんが、設計図の通り、上部にむかってスポンジの肉厚が薄くなっています。
これを『コロシアム型・気密スポンジ』と銘打ちました。う〜んマキシマス ローマビクター。なんかかっこいいw でも長いので、以下「気密スポンジ」と呼称します(笑)
コロシアム形状のポイントは、丸型・給気口、プッシュ式(角型)吸気口、両方に対応すること
両対応にしたのは、吸気口の形状やサイズを、特に気にする必要もなく使える商品にしたいから。自宅の給気口の形状を把握しているなんて、あまりいないと思いますから。あと、部品の数を減らし、コストを抑えたい。
機密スポンジは、コロシアムの観客席上部、スポンジが薄くなっている側を、給気口に押し付けて使用します。すると、スポンジが吸気口の形状に沿って潰れ(変形)、密着するという仕組みです。
これは特許出願書の図面の一部です。
↑このように、スポンジが潰れて吸気口と密着しているのが、おわかりいただけるかと。
設計図を現物にする!
早速、設計図を現物にしていきます。気密スポンジは梱包資材メーカーさんに製作を依頼しました。出来上がった気密スポンジがこちら!
この写真はコロシアムの鳥瞰写真といったイメージ。
写真だとわかりにくいので、動画(gif動画)でご覧ください。
コロシアム型にするまで苦労があったのですが、それはまた別のnoteに書きたいと思います。
実際に、ファンにコロシアム型・気密スポンジを組み込み、吸気口にあててみました。まずは丸型・給気口。
丸形・給気口は比較的簡単です。丸型はカルデラ(火山)ような形状をしているので、機密スポンジを押し付けると、スポンジが自然と外側に広がって、吸気口に密着する仕組みです。
密着部をクローズアップで見てみましょう。
バッチリ密着して、給気口とファンが気密スポンジで接合されました!
難しいのはプッシュ式(角型)
プッシュ式は角型(四角)なので、丸い気密スポンジを当てると四隅がはみ出すからです。それで見てみましょう。
プッシュ式は開閉部(シャッターといいます)の板を取外して使用します。
密着部をクローズアップで見てみましょう。
角型でもバッチリです。
このように、コロシアム型・気密スポンジなら、丸型・吸気口でも、プッシュ式(角型)吸気口でも、問題なし!
こうして、コロシアム型・気密スポンジがこの世に誕生いたしました!
次は、3Dプリンターによる、換気扇本体の設計です。
つづく!