トウのトゥネットに挑戦!
曲木の椅子メーカー・トーネットの椅子は籐の座面がほとんどですが、これ痛むと直すの大変です。
曲木技術の椅子、トーネットやJJ・Kornの詳しいお話はこちら。
手作業で直せる人がどんどん減っているためです。
時間も手間もかかる作業なので経済的に割に合わない仕事になりがち。
最近では既に編み込まれて布のようになって売られているものを太めの籐ではめ込む形のものが主流です。でも本来オリジナルのスタイルは、細い等を手で1本ずつ編んで縁を縫ってあるものです。
うちの工房に来る家具は、4割が手編みのもの。6割が出来合いのネットをはめたもの。
どちらにせよ特殊な技術なので
籐座面修復は同業者の仲間のルッキーが担当してくれてます。ルッキーいつもありがとう。
めっちゃオシャレなルッキーのショップ。
いつかこういうのやりたい!!
籐が張られている家具はほとんどと言っていいほどトーネットの曲木の椅子が多いです。デザインがとても優れているので、座面が割れただけで捨ててしまうのはとてももったいない家具。ぜひともみんな修復して使い続けてほしいんだけれども、何しろ修復の費用が高いのでとても厳しい現状です。
トーネットの曲木の技術は、椅子のデザインの可能性を大きく広げ、また生産過程も革新的に変えました。
曲木の技術もさることながら、座面を自然素材である籐で編むと言う
こんなスタイルを思いついた人類はすごいなと思うので、ただひとつの家具の保存という意味だけでなく、そういった人類が進んできた道のりを忘れないためにも直していきたいと思います。
さて、昨年の春、わが工房には、やたらこのネットのロッキングチェアが舞い込んできていました。ときには等の座面を直す椅子が店内に5脚6脚と集う日も。
いつものようにルッキーに頼んではいるんだけれども、ルッキーの工房はちょっと山奥にあって椅子を持って行くのも大変納品に来てもらうのも大変。そしてルッキーは基本、椅子の布張り屋さんなので、籐はあんまりやる気なし。笑 納期遅い 笑笑
委託がめんどくさくなったというのもあるけれど市場にこれだけニーズがあるにも関わらず完全に「手」が足りていないことを認識してしまったので、
思い切って私自身が学ぶことに覚悟を決めました。
この籐の技術を学べば、自分で作業を終えられるだけでなく、伝統的な家具製作の重要な位置過程を習得できるということでもあります。これはやるしかないでしょ。
早速、バルセロナ市内の修復アカデミーをいくつか当たり、3ヶ月のコースに申し込みました。毎週金曜日工房を閉めて、バルセロナに向かわなければいけないので、リスクがないわけではないけれど、でもこれはとても重要な自己投資。ついでに毎週バルセロナでランチができちゃう!もうワクワクしかないプランが出来上がりました。
次回からは
そんなアカデミーでの学び録。