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【重度発達障害レポート】文字から言葉について

前回、#33では「50音の平仮名積み木の課題学習について」書きました。
この中で重度発達障害の梅子さんにどうやって文字を教えたのかについて詳しく書きました。
次は、文字から言葉へどう繋いでいったのかについて解説していきたいと思います。

重度発達障害を抱える子供たちが「大きいものより小さいものをよく見る」というのは、特徴の一つです。
これは、視覚的な感受性や興味が小さな詳細に向けられることを意味します。
具体的には、小さな物事に対する強い関心や集中が見られ、それがしばしば特定の行動に表れることがあります。

例えば、小さなゴミを拾ったり口に入れたりすることは、この特性の一例です。
子供たちは小さな物に対する視覚的な興味を持ち、それを探索したり触れたりしたがります。

重度発達障害児は、大きな文字より小さな文字の方が好きです
積み木の中の小さな文字のマッチングなど、小さい物ほど、集中してよく見てくれます。
初めは、見分けがつきません。
例えば、はさみと積み木の隅に書かれた文字です。
積み木を持たせて、文字の所に「はさみ」の文字を貼らせ(ポストイットを利用)、やがて「はさみ」という文字の固まりとして、同じと分からしていきます。
はさみの絵=はさみ

かこさとしの小さな絵本などを利用します。
1日の生活の中で、本当に豊かにさせようと思ったら、1つ1つ使いながら、また、照らし合わせながら、教えていくことができます。
小さな文字に気づいたら、固まりと物を結びつける事が出来ていきます。
1つ1つ教えないと分からないのが重度発達障害児なのです。

2002年5月7日講義レポートより

このように重度発達障害の特性を利用して小さいものに特化して梅子さんを教えていきました。

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